The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

遅ればせながら『美女と野獣』観てきました

2017-05-13 | 映画
実写版”Beauty and the Beast”「美女と野獣」2017


以前も書きました様に 実写版「美女と野獣」 ”Beauty and the Beast” やっと観てきました。
一番混雑しそうな時期を外し 又一緒に行く友人達とのスケジュール合わせをしたうえ 公開前
から決めていた日に行きました。
平日の昼間でありながら 未だかなり混んでいましたね。 9割方埋っていたようです。

昔のアニメ版は観た記憶があるものの殆ど覚えていなかったので 今回実写版は新たな気持ち
で臨みました。 とは言え 事前に色々情報を得ていたし、その事により色々な点で期待感もあり
ました。

兎に角映像が美しく、ミュージカルシーンも素晴らしいし予想以上に楽しめた作品でしたが、少し
だけ感想と追加情報を書き残して置きましょう。

ベルを演じたエマ・ワトソンは本当に美しく、ただ可愛いだけでは無くリンとした芯の強さを表して
いたし、思いやり、優しさを表現できたのは彼女のキャスティングでとても合っていた様に感じます。
実写版シンデレラのオファーを断って、自分を表現できるのはベルの役であると この役を熱望したと
言われていましたが、正にピッタリだった感じました。

内容的にも単なる「シンデレラストーリー」では無く、他の人とは違う事で受け入れられず疎外され
ているヒロイン、他人を外見で判断してはいけない、心に秘める喪失感を理解し合う慰め等教訓や現
代社会に対する的確な批評を込めている作品で、子供のみならず大人にも十分受け入れられるし考え
させられる作品になっていた様に思います。

☆ 事前に気になっていた点の1つ、ダン・スティーブンスの”野獣”がどの様に作られたかって事で、
これは見る前にネタバレチェックしてしまいました。
殆どがCGだと思っていたのですが、実際はかなり大変な撮影だったようですね。
現場での撮影時は訳10インチ(25.4cm)の高さの金属製スティルツ(高足)を履き、重さ40ポンド
(約18㎏)のマッスルスーツを着ていたそうです。
又、モーション・キャプチャーを用い、身体と別々に撮影等最新のテクノロジーを駆使して映像化され
たそうです(自身がPEOPLE誌のインタビューで答えている)
こんな点を予習した上でジックリと見ましたが、そんな技法が駆使された成果か野獣に彼の表情が垣間
見えました。

☆挿入歌
ベルのエマ・ワトソン、ガストンのルーク・エヴァンズ等は事前に自身の声で歌っているのは分かって
いたのですが、他の出演者も殆んど全員が自分で歌っている事は感動ものでした。

特に、ルミエール役のユアン・マクレガーが予想以上の歌唱力を持っていて素晴らしいパフォーマンス
には感動。又最後にほんの少しですが コグスワースのサー・イアンの歌声も聞けるという豪華版。
そして、野獣は・・・?と思っていた所、何とダン・スティーブンスも自分で歌っていたんですね。
ベルとの掛け合いの挿入歌、そして又今回オリジナルで作曲されたという野獣が歌う”Evermore”
良かったです。本来声が良い(個人的好み)方なので、予想以上の歌唱力で嬉しかったですね。

何といっても、アリアナ・グランデとジョン・レジェンドのデュエットによる主題歌は最高です。



☆ 少しダブリますが、今回字幕版でなければならなかった理由の一つは、脇を固める配役の豪華さで
実際の姿を見られるのは最後チョットだけなのですが、CG画像時のセリフを聞くのが楽しみの一つでした。
相変わらず重厚なサー・イアン、時にお茶目でユーモラスな雰囲気も醸し出す存在感は流石ですが、予想
以上に感動したのはユアン・マクレガーでした。 テンション高いフランス語訛りが印象的です。
勿論他の脇もベテランばかりなので安定した好演に大満足。

☆ 傲慢で不遜、人を愛する事も愛されることも知らない王子が魔女に掛かられた魔法で野獣に変えられ
心も野獣になってしまって 人間に戻れる限られた時間の中でベルに出会い 次第に人間らしさを取り戻
し態度も話し方も柔らかさを取り戻していくのです。そのきっかけの一つは元々高い知性を持っていた野
獣と 変人と言われていたベルの共通点”本”を通じて心の交流を続けていくうちに 野獣が次第にベルに
対して心を開き 次第に愛情を意識する様になる。又ベルも野獣の外見とは異なる内面を知るうちに次第
に心を惹かれて行く。
↓こんな恐ろしい顔をしていたのに

↓こんな柔らかな表情になり


そんな中で個人的にかなり気に入ったツボ入りシーンですが、
ベルの為に晩餐会を開くという事で 野獣に仕える人々が心を尽くして豪華な料理を作り、又野獣にも精一杯
のオシャレをする様に皆でアレコレ世話をするのですが、衣服を整え、髪も綺麗にカットされ、おまけに顔に
は真っ白に白粉まで付けられても黙って世話をされている野獣が・・・(爆笑ですが、可愛いんです)。
ベルの不安を解きほぐす為とは言え、野獣も何とかに気に入って貰いたい不安を抱えながらも優しさに溢れた
シーンは心が温かくなり、又その後のダンスシーンが美しく目が釘付けになりました。

やっとベルに対する愛情に気付き、自分を犠牲にしてベルを家に帰す野獣の気持ち。又そんなベルが必ず戻って
来るという希望を持ちながら歌う野獣の切ない思いが胸に響きます。
最後のダンスシーンは本当に美しいです。
ダン・スティーブンスの美しい王子様姿がホンの一瞬なのは残念ですが・・・
(因みに、この頃の彼は以前に比べ 大分お顔スッキリ、ほっそりですね)

事前の情報では、「最後に号泣」という声が多かったので、いや、私は大丈夫と思いつつ 念のためにハンドタオル
を握りしめておりました。
号泣とはなりませんでしたが、やはり泣けちゃいましたね。
一緒に見ていた友人達もこっそり「泣けた」と・・・・
ただ、エンディングクレジットが長いのでその間に補正(?)出来ます。


最近少々心が疲れていたこの時期に、美しい映像と少し幸せな気持ちにしてくれたこの作品を見る事ができて、
何となく、そして少しばかり心の平静と和らぎを与えられました。