(10)
結局振り出しに戻ったスケール号です。乗組員たちはテーブルを囲んで会議中です。
{どうして原子の王様はスケール号を攻撃してきたのか その原因と対策}
議題を白いボードに書いてぴょんたが司会もやっています。博士がみんなの考えをききたいと言い出して始まった会議でした。
「まず、あの金の槍は間違いなく王様が投げてきた、それは . . . 本文を読む
(9)-2
「逆だ、スケール号!大きくなるんだ。原子より大きく!」
博士は自分の間違いを隠すように大きな声で命令しました。
「ぐぎゃにゃーン」
スケール号も必死で応えます。窓に見える黄金の星が点のようになり、銀河の中に紛れてしまいました。
するとスケール号の背中に刺さっていた金の槍はするりと抜け落ち、闇の中に消えてしまいました。
それと同時に凍てついた体から霜が消えたの . . . 本文を読む
(9)-1
「フンギャー、フンギャー、フンギャーーー」
北斗艦長が激しく泣き始めました。
「ゴンゴロにゃごーー」
「フンギャー、フンギャー、フンギャーーー、ふんぎゃーーー」
スケール号と艦長の泣き声大合唱です。
「はかせぇ、どうしたんでヤすか。」
もこりんがオロオロしています。
「落ち着け、みんな。各自持ち場で状況を確認するんだ。」
博士はみなに指 . . . 本文を読む
(8)-2
それは光芒に包まれた、のしてんてん博士その人でした。
「よくぞそこまで理解を深めたものじゃの。」
「のしてんてん博士ではありませんか。」
ジイジはびっくりして言いました。
「それはお前のことじゃよ。」
その人影が静かに語りかけました。
「私は艦長です、博士。分かりませんか。今はジイジになってしまいましたが、
あの時の艦長ですよ、博士!」
. . . 本文を読む
(8)-1
ここにありて、 しかもはるか彼方にあるもの。
我ら、 太陽族の生まれた理由がそこにある。
そんな宇宙に伝わる太陽族の伝説を知ったのは、博士がスケール号の艦長だった時でした。
今はジイジになってしまいましたが、その時はまだ博士も子供でしたので、その伝説がどんな意味なのかよく分かりませんでした。
特に「 . . . 本文を読む
(7)-2
ええっ!!みんなが叫んだのは言うまでもありません。
博士はこの中にのぞみ赤ちゃんの歴史があるというのです。
それはようやくスケール号がその歴史の中に入って行けるという意味だったのです。
赤い丘に立ったままスケール号が原子の大きさにまで小さくなると、
赤い丘に凸凹が現れ視界一杯に広がって霧になり、
やがて突然現れた原子宇宙の光景に心を奪われたの . . . 本文を読む
(7)-1
「博士、ここが本当にのぞみ赤ちゃんの体の中なのでヤすか・・・」
もこりんがスケール号の窓から外を見ています。
「美しいダすなあ、あれが銀河ダすかね。色鉛筆の中にいるみたいダすなぁ。」
もこりんも枕を抱えたまま、眠るのも忘れています。
「ここがのぞみ赤ちゃんの中だなんて信じられませんね。」
ぴょんたもうっとりしています。
「あの銀河は間違いなくのぞみ赤ちゃん . . . 本文を読む
(6)-2
「どうしたスケール号!」
と思った瞬間、その声は揺りかごの中からだと分かりました。
「博士、大変でヤす!! 艦長が泣いているでヤす!何もしていないでヤすよ。」
ちょうどもこりんが艦長を見ていて、あまりにかわいいのでつい艦長のほっぺを指でつんつんしたのです。
マシュマロのように柔らかいほっぺが気持ち良くて、もこりんは何度かつんつんしてしまいました。その時艦長が急 . . . 本文を読む