仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

レッド・オクトーバーを追え!

2017年06月10日 | ムービー
『レッド・オクトーバーを追え!(原題The Hunt for Red October)』(1980年/ジョン・マクティアナン監督)を見た。
物語は、「冷戦時代のソ連。ムルマンスク港を1隻の原子力潜水艦が出港した。CIAのジャック・ライアン分析官(アレック・ボールドウィン)が得た情報では、その艦はタイフーン級の改良型で全長200m、潜水時の排水量は3万2,000t。第2次世界大戦時の空母に匹敵する大きさだという。艦長はヴィルニアス・ナスタブニック(厳しい校長先生)というあだ名がつけられている、マルコ・ラミウス大佐(ショーン・コネリー)。過去10年間、最新の潜水艦を次々に指揮しているのだという。さらに、アメリカ海軍のジェームズ・グリーア提督(ジェームズ・アール・ジョーンズ)が入手した潜水艦の写真に写されていたのは・・・」という内容。
このソ連の大型潜水艦と対決することになるのは、バート・マンキューソ中佐(スコット・グレン)が艦長を務めるロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦ダラス。
全長110.3m、排水量6,900tは、レッド・オクトーバーと比較すると随分と小さいのだが、音響特徴分析システムSAPSを担当するソナー士ロナルド・ジョーンズ伍長(コートニー・B・ヴァンス)の能力の高さは一級品だ。
かすかな音も聞き逃さない彼は、ソナーでも探知できないという音を聞き分けてしまうのだから。
(^_^)
ラミウス大佐くらいに出世すると、副長のヴァシリー・ボロディン中佐(サム・ニール)以下、"腹心の部下"といえるメンバーを艦内に配置できるようで、政治士官イワン・プーチン(ピーター・ファース)と軍医ペトロフ(ティム・カリー)の2人以外は、すべて大佐に従う士官らしかったが、(誰かは不明なものの)下士官の中にも政治局員が潜んでいるというのが怖い。
味方の中に敵が紛れているようなものだ。
「プライバシーなど我が国ではとるに足らぬこと。大衆の利益に反するものです」というプーチン政治士官の台詞があったが、社会主義の政治体制というのは、やはり、恐怖が人々を支配する世界だったようで、なるほど21世紀の現代社会においても(例えば)北朝鮮からの亡命者があとを絶たないというわけだ。

氷壁の女

2008年02月25日 | ムービー
『氷壁の女(原題Five Days One Summer)』(1983年/フレッド・ジンネマン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「1930年代、アルプスの小さなホテルに宿泊し、登山を楽しむダグラス・メレディス(ショーン・コネリー)とケイト(ベッツィ・ブラントリー)。グラスゴー(スコットランド)からやって来た彼らは随分と歳の離れたカップルだが、実は夫婦ではなかった。ケイトは旅行の間、大好きなダグラスと過ごせることを喜んではいたが、将来の発展が望めない2人の関係に希望を持てず、心の底からは楽しめずにいた。そうした時に現れたのが登山ガイドのヨハン(ランベール・ウィルソン)だったが、ケイトはヨハンに"自分達は夫婦ではない"と打ち明け・・・」という何とも不毛な内容だ。
登場人物の設定や進行具合から、仁左衛門が大嫌いなイギリス映画なのかと思いながら見ていたのだが、一応はアメリカ映画ということになっている。
フレッド・ジンネマンはアカデミー監督賞を2回受賞しているし、『真昼の決闘』(1952)、『ジャッカルの日』(1973)といった名作の数々を生み出した名監督なだけに、この映画の出来に納得できなかったファンは多かったことだろう。
調べてみると、この映画が同監督の最後の作品になっているのだが、(どうせ最後なのだからと)確信犯的に作られたものなのか、予想外に受け入れられなかったものなのか、どっちだったのだろうか。
しかし、ダグラスとヨハン2人の雪山登山のシーンは物凄く迫力がある。
貧弱な装備でツルツルに光り輝く氷壁を登っていく緊迫した場面は、どうしようもなく貧弱な物語を忘れさせてくれるほどに素晴らしかった。