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自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

ゆるゆり 14巻/なもり

2016-01-18 | 単行本感想
                                     
                                     頑張ったねえ。









本当は自分だって辛いのに・・・
あかりが落ち込んだり、泣いちゃう事を危惧してわざと明るく振る舞った櫻子の“強さ”に胸を打たれました
櫻子はおバカでツンデレな部分がフィーチャーされる事が多いんですが、
意外と周りの事見えてるな~というか
献身的な部分もあるんだな~というか。
これがもし向日葵との閉じ込められ系イベントだったりしたら、
きっとわがまま言ったり、ジタバタしたり、或いは妙な雰囲気(笑)になるんでしょうけど
でも、このエピソード(百話)の櫻子は普段とは見違えるくらい頼り甲斐があって
気落ちしちゃいそうなあかりを必死に(そしてそれを隠して)勇気付けて、、、
ただ、本当は自分だって不安だったし、怖かった
一見逞しいように見えても
そこはやっぱり女子中学生であって
でも、だからこそ、そんな良い意味での見栄、虚勢がとても尊いものに思える
「強くあろう」とするその姿に個人的に胸打たれてしまったんでしょう
このエピソード読んでたら櫻子が本当健気に思えて
すっごく感動してしまいましたね
その涙を見せるのは、
向日葵だけ・・・
っていうのも何だかいいじゃないですか(笑
そういうのもある意味ゆるゆり的(緩い百合の意)だなあ、としみじみと思いつつ
今巻でも屈指の良エピソードであり、また一つ櫻子の事が好きになれる傑作回に仕上がってるな、と感じました
冒頭でも書いたけど、頑張ったんだねぇ・・・ってねぎらいの言葉を掛けてあげたいレベルですね(笑)。
またこの話数での二人を描いたカラー口絵、そしてセンスが光ってる扉絵も良かったですね
櫻子は「大室家」でも主役張ってるし、こういう風に時折素直に可愛い様も描かれるし、単純にどんどん可愛くなっていくしで個人的に特にお気に入りですわ。
そんな訳で是非「大室家」もアニメ化を



最早「愛の告白」じみてる(もっとやれ)


また、今回そんな櫻子と共に印象に残ったのが綾乃でした
京子と二人で表紙にもなってるんですけど
彼女は中々素直になれなくて、
(京子に対しては)引っ込み思案で
でも、京子の事が大好きで・・・っていう
かなりいじらしいキャラクターなんですけど
だからこそ、自分の想いをはっきりと伝える事が出来た
「素直になれない」自分に甘え過ぎる事無く本音を伝え切る事が出来た
そんな綾乃の“勇気”や一歩踏み出す“強さ”にも胸打たれた巻数でありました
「誰かを好き」なんて事を本人の前で直接伝えるなんてそりゃ難しい事ですけど
難しいからこそ、綾乃が京子の気持ちも考えてしっかりと伝え切った勇気と優しさが眩しかったですね
勿論告白とかではなく、ちょっとした言葉を気にして、仲直りする為の「友達として」の好きではありますが
それが逆にとっても爽やかに、ストレートに良い話に感じる事が出来てすこぶる良かったです
当の京子本人は勿論そんな事を気にする性格ではないので結果的には別に上記の様な事は言わなくても良かったんですけど(笑

でも、作中で櫻子向日葵達も言ってましたけど
「きっと伝わっているだろう」っていうのは単なる甘えで
直接伝えるのが恥ずかしいからそんな根拠のない願望で誤魔化してるだけに過ぎないんですよね
だから、恥ずかしくても怖くても、「好き」っていう気持ちを伝えるっていう事もまた大事で
それは何も「好き」限定ではなく、どんな気持ちでも一緒でね。
ある種のメッセージ性なんかも感じられたお話でしたが
オチで鼻血出して卒倒している千歳もまた面白かったですね(笑
でもまあ、京子の返しがあまりにナチュラルに純粋に好意を示す、っていうものだったので
そりゃ卒倒してもしょうがないくらいにニヤニヤしちゃうお話でもあった訳ですが笑
綾乃視点のお話だと、途端に京子がイケメンに思えるから不思議ですね
まあ実際イケメンなんですが・・・
それとこのエピソードの冒頭の流れは微妙に少女漫画からの影響「も」感じさせるもので
その辺はやっぱり女流作家ならではのエッセンスだなあ、なんて個人的に感じてそこもまた面白かったですね。

綾乃もまた、頑張ったなあ(しみじみ)。





また、「DEAD FISH EYES」という(死んだ魚の目・・・笑)全員が虚ろな目の状態からスタートする実験的な話数も面白く
まだまだチャレンジ精神旺盛というか、こういうオルタナティブなエピソードも出来るんだ!って事を示してたりして
その辺もまた良かったです
それぞれが何故死んだ魚の目だったのか?って理由付けも面白くて
特に京子のはちょっとズレてて可笑しかったり、
あかりのでは何気にちなつのちょっといいトコが垣間見れたり
細部までも逐一楽しくて読み応えのある小話だったなあ・・・と個人的には
その後も難しいサイレントにも挑戦していたり、
上記の2つのトピックで
「いい話系」が強い巻数だと思われるかもしれませんが
意外と実験的だったり、ギャグにも力を入れてたりするのでその意味でもおススメ
そしてまだまだ「ゆるゆり」にはキャラの成長の伸び代も色々な話をやれる(出来る)ポテンシャルもあるよ~と
そういう「これから」に対する展望を抱かせる、尚且つ“安定”であり“健在”でもある事を十分に示す事が出来ている新刊にもなっているな、と
そんな風にも思えた14巻目でした
次巻はいよいよ15巻目!って事でこの健在っぷりならまだまだまだまだ行けそうでとっても安心&期待ですね!
特に櫻子と綾乃は、はっきりとまた違う一面を示してくれたんで今後の彼女らにも注目です
もしかしたら綾乃たちとお泊まり会する可能性もありますしね・・・
ニヤニヤの宝庫ゆるゆりは健在なんで
その意味じゃこれまでのファンにも勿論是非是非、といった出来栄えであります。
それと冒頭の「何でやねん」の話もまたオチが上手く出来ていてとても感心しましたね
結局千歳のこだわりのポイントはそこかよ!的な・・・
懐かしいポケモンネタもまた楽しかった笑















ニヤニヤほっこりさせつつも、
時折強烈にクスクス出来るネタも繰り出して来る「ゆるゆり」“らしい”塩梅は健在も健在
まったりと笑えるファミレスのお話や「なんとなくいいなあ。」って思える類の教師二人のお話もまた粋な雰囲気があって良かったです
あれもまたタイトル通り「ゆるゆり」(緩い百合)そのものですよね・・・
そんな想像力も煽ってくれる所もまた素敵、です。

ちなみに去年からちょっと小さいサイズの新装版も刊行されてたので、
もしかしたら新刊からそういうサイズで売り出すのかなあ・・・?的な心配もあったんですが
そこはきちんと考えてくれてたようでちゃんと大きいサイズの単行本も出てて安心しました
気が付いたら約1年ぶりの新刊(!)になってましたが、
今年も「大室家」含めてなもりさんの漫画の新刊を楽しみにしたいですね。とても塩梅の良い一冊でした。



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