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ボクガール 5巻/杉戸アキラ

2015-03-20 | 単行本感想







帯が志村貴子さんでビックリ。
そういえばふみふみこさんもツイッターで瑞樹のイラストあげてたよなあ・・・ってなんとなく思い出した。










山田の過去のエピソードは色々と象徴的で
多少振り切れた形で描いてはいますけど、あれは暗に「周りと同じでなければ」と意識過剰になってしまう風潮へのアンチテーゼ・・・だと
個人的には感じ取りました 「自分が何を好きなのか」「何をやりたいのか」の前に
「周りからどう見えるか」「嫌われたりしないだろうか」「みんなの枠に収まらなければ」とか
自身の率直な気持ちとは全く無関係なところから生まれた感情を優先してしまう感じ
正直自分自身そういう感情に押しつぶされそうになる時もありますよ
でも、それに対する大川さんのセリフ―

「気にする方がバカですわ」
ってセリフとか、山田の親父のセリフとかがそういうビクビクしてたり周りとの調和を意識している「下らなさ」を真っすぐに否定してくれていて
なんだか救われた気持ちになったのも個人的にはまた事実です・・・と言っても単純に笑えるエピソードでもあったんですが(笑

ただ、この漫画にはそういう自身の感情を自身の持たずにいた感情によって不意にする必要なんてない
「お前がそう感じるんなら、それが好きなら真っ直ぐにそれを信じていろ。」っていうテーマが付随している気がして
それは藤原さんが瑞樹のちょっとファンシーなハンカチを見ても何も思わずに彼(当時)を助けたエピソードでもですね
「別におかしい事じゃないよ?」って瑞樹に告げてくれているようで、瑞樹の個性を認めてくれているようで
それが素敵だなあ・・・と個人的にしみじみ思うのです
「みんなと同じ風に~」って思想がまともだとは自分的には全然思わない
それよりも“個性の集合体”である方がよっぽどまともで健全なんじゃないかな、って思います
基本的には瑞樹の天使レベルの可愛さを味わったり思春期のアレコレを楽しむ漫画だとは感じてますが
個人的にはいつかの猛との幼少時のぬいぐるみのエピソード等も手伝って
「ちゃんと自分の好きなこと、やりたいことを貫き通す」というメッセージもあるように感じます
それが今後もちょいちょい出てくればいいな~、とか思いつつラブコメディとしてめちゃくちゃ面白かった巻でもありました。


何が面白いって、猛のいじらしさですよね(笑
本当は瑞樹が男に戻れるのを、藤原さんと付き合うのを願ってるくせに
どうしても瑞樹に対する未練が断ち切れない、あの助平な夢(笑)も手伝って自分のものにしようとしてしまう
そういう中で本当に瑞樹を好きになりたい、一人の女として愛したいという心の底に秘めていた想いが溢れ出しそうになったり
まあ実際モロに出ちゃってた訳ですけど(笑 瑞樹自身も女になった事で猛を意識しちゃっててそんな想いに流されそうになったり、
でもそんな猛自身は難儀な事に建て前と本音の間でしっかりと悩んでたりもする
その塩梅が絶妙で恋愛モノとして真っ当に面白かったですね
猛は生真面目な分色々と葛藤も凄いんだろうなあ・・・って想像しちゃいますけど
そんな簡単に“達観”に向かう事が出来ない「若さ」が実に生々しくて素敵なキャラクターだなあ、と
余談ですがロキのバットで彼が見た夢と夢の中の瑞樹は、、、超可愛くて官能的で実にサイコーでした(笑)

そう、夢の中や妄想の中だったら今はまだまだ「ボクモード」の瑞樹を途端に「女の子」にする事が出来るんですよね
これがもうファン的にはたまらん、っつーか普段が普段だからこそタガが外れた時のギャップの破壊力が凄いっちゅうかね
もうキュンキュンしちゃうレベルですよね
その圧倒的な瑞樹の可愛さは正に火力満点でして
正直まだ女の子モードになるには時間が掛るからこそ
ちょいちょい甘い汁を垂らしてくれる絶妙な手さばきが効いているなあ、と(笑
いつもさり気にあくまで男の子に拘っている描写を要所要所で挿入してるからこそ、それらが活きて来るんだろうなあ・・・とか感じつつ
キャラの苦悩や思春期と同時にそういった最大限のサービスカットも存分に楽しめる仕上がりになっています
特に髪をロングに伸ばしてエロティックな下着を身に付け、扇情的に猛を見つめる瑞樹の官能的な可愛さは必見ですよ!
ああもう、自分瑞樹ってキャラが心の底から、抱きしめたいくらいに大好きなんだなあ、、、としみじみ感じた巻数でもありました(笑


それは可愛いから、とかそういう理由だけじゃなく
(勿論瑞樹が毎回いちいちめちゃカワで最高に魅力的な主人公兼ヒロインなのは間違いないですが!)
瑞樹がとっても純真で真っ直ぐな「いい子」だから、っていうのも大きいですね
藤原さんの誤解を解く為に不器用に頑張ったり、
山田の辛い気持ちを汲んでくれたり、ちゃんと付き合ってくれたり
例え自分の恋が叶わなくても好きな人を想って彼女が幸せになるために頑張ろう、って思っちゃったり・・・
そんな瑞樹もまたいじらしい可愛さがたくさん感じられるキャラクターだなあと今巻を読んでつくづく感じられました
本当は女の子趣味なのに必死に隠そうとしてたり、「女の子する」のに迷いと欲求が生じちゃってたり、
時には官能的な目配せに反応しちゃったり、彼(彼女)も彼(彼女)で色々と人間くさくて素敵な内面のキャラだなあと思います
それにしても冒頭のお話で藤原さんに信じてもらう為とはいえあんな大胆な発言&行動しちゃうのには度肝抜かれましたね(笑
一歩間違えればただの変態だ!と思いつつ
それでも瑞樹の真剣味を察してちゃんと付き合ってくれた藤原さんもまた天使だと思うのです。

そう、冒頭の藤原さんのリアクション芸の数々もまた面白くて(笑
男にとっての理想のヒロイン像っぽいヒロインですが意外とリアクションも表情も多彩で面白いんですよね
何より、個人的には瑞樹は瑞樹で大好きですが藤原さんも負けないくらい可愛いと思っていて大好きなキャラなんです
わがままボディでありながら大人びた性格で、でもちゃんと他人を理解しようとしてくれる懐の深さがあって
ただ清楚で可愛いってだけじゃない良さがしっかりと表現されているキャラクターです
そんな藤原さんの「恋する乙女っぷり」も素敵だったんですが
猛の無意識判明により間接的に失恋、
瑞樹を「友達」だと認識していて彼の恋心に気付いてないのが玉に瑕ではありますが
今回の結末の出来事をきっかけにしてより近しい仲になっていければいいな・・・って気持ちもあります
前述しましたがそんな藤原さんとの過去エピソードは昔から自分の「見られ方」を過度に気にする節があった瑞樹にとって
正しく「救い」とも呼べるような、さりげないけどジーンと来るお話に仕上がっていてとても良かったです
帯の志村貴子さんの言葉通り、そんな瑞樹がちょっとでも「幸せ」になれればいいなあ、と思いつつ。
色々と密度が濃くて今まで以上に楽しむ事が出来た最新刊でした。
ちょっと官能的な描写や突き抜けたコメディ描写と一緒に、
思春期のわだかまりなんかも十分に楽しめる内容に仕上がってるのでファンは勿論そういうのお好きな方も是非通して読んで欲しいです
特にどんどん「女の子」らしい表情や仕草を見せるようになっている瑞樹の変化っぷりとそれによるめちゃカワっぷりに注目!
最高に面白かった。大好きです。













今まで完璧にネタキャラとしてしか描かれてなかった山田も山田でちゃんとした信念があるんだなあ・・・って感じられたり
藤原さんの良い人っぷりが要所要所で際立っていたり、猛は猛で自分を抑えつつもいじらしい気持ちが光ってたり
そんな瑞樹もまた自分より他人の幸せを先に考える献身的な部分が光ってたり、、、
「ボクガール」の登場人物は多少個性が強いけど(笑
本当はみんないい子なんだな。って思える塩梅こそが何より素敵だと感じた5巻目でした。
キャラのデフォルメだったりコロコロ変わる多彩な表情もいちいち楽しいので細かい部分まで是非読んでもらえたら、と。
これからも応援していきます!





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