志情(しなさき)の海へ

琉球弧の潮風に吹かれこの地を掘ると世界と繋がるに違いない。世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

昨日のリハの印象と異なり、はじめて染屋の恋歌の主役、浦太を演じた上原崇弘は初々しい染屋の職人を演じた。そして何より荒神ぬ前のマカテーの小嶺和佳子はこの上なく魅力的な分ジュリだった!

2023-02-18 02:53:31 | 琉球・沖縄芸能:組踊・沖縄芝居、他
(京都産業大教授の鈴木先生、小嶺和佳子さん、吉田さん、楽屋にて)

染屋の恋唄については、以前『花染ぬ手布』の題名で吉田妙子さん主演で舞台を演出したことがある。それは「染屋の恋唄」の荒神ぬ前ぬマカテー、「渡地物語」のチル小、『吉屋物語』の吉屋チルー、そして『嘉間良心中』の娼婦キヨを吉田妙子と玉木 伸のお二人でオムニバスに演じていただいた。2011年のことだ。その時に吉田さんが若い頃演じた「染屋の恋唄」の動画を見せてもらった。とても分ジュリ、カイヤジュリとしてセンシュアルなジュリの所作と歌唱に驚いた。煙管のたばこを吹く姿一つとっても型がある。何より正座ではない。立膝立てに似ているが、折敷座りにも似ている。
 長い煙管を吸う姿もまた色艶があり、美しい。これほどの演技と歌唱はこの間視聴したことがない。小嶺さんが、しっかり吉田さんの技芸を受け継いだことがわかって嬉しかった。動画に残されているので、今後の継承にとっても貴重な記録になるにちがいない。
 小劇場ゆえに、一幕ごとに幕を降ろす舞台運びだったが、大劇場ならば、廻リ舞台の仕組みもあり、5幕ごとに幕を降ろす必要はない。しかし実に丁寧にできた舞台だった。
 脇の役者も役になりきって、演技も歌唱も聴き応えがあった。地謡の歌も聴き応えがあった。次は大舞台で上演してほしい。


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