ヒマさえあれば2歳馬の血統表とにらめっこの時期が、今年もやってまいりました…
ハーツクライ産駒といえば「仕上がりは早く2歳時から素質の片りんをみせるが、3歳春に一度停滞期のようなものがあり、しかし3歳秋~古馬にかけて一皮むけて軌道に乗る」という、ジャスタウェイやアドマイヤラクティやメイショウナルトやカポーティスターみたいな成長曲線がスタンダードといえます
しかし今春は桜花賞でヌーヴォレコルトが3着に健闘、またワンアンドオンリーはラジオNIKKEI勝ち→弥生2着と王道を驀進中で、皐月やダービーでも人気の一角を占めることでしょう
ハーツクライの母アイリッシュダンスは名繁殖My Bupersの米血(Blue Larkspur≒Balladier3・4×3)を1/4異系とし、残りの3/4=トニービンとLyphardのところでCourt Martial~Fair TrialやHyperionをクロスするという、オーソドックスですが猛烈な好配合
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2001103038/
ただ強いクロスを持たないので、自身(3歳夏デビューで初重賞制覇が5歳夏)も産駒(ハーツクライの全兄アグネスシラヌイは7歳にして初のオープン入り、全姉エメラルドアイルもピークは5歳夏以降だった)も晩成傾向にあったし、そしてハーツクライもその産駒も若いころは腰やトモが緩く、それが古馬になってパンとして(追い込み一辺倒から脱することで)本格化する…という成長過程は似ています
ハーツクライは父サンデーサイレンスが「3/4米,1/4欧」、母アイリッシュダンスが「3/4欧,1/4米」、自身は「1/2米,1/2欧」で、いずれも強いクロスは持たないので、配合の受けが広く様々な配合パターンで活躍馬を出しています
ただ緊張と緩和のリズムでいうと、特に3歳春にある程度完成に近づけるためには、相手牝馬が強いクロスを持っていて、ハーツクライからみて緩和→緊張のリズムでいきたいところ
実際POG期間内に重賞で連対した馬に限定すると、母が3×4レベルの強いクロスを持つパターンが成功していることがわかります
ウインバリアシオン:Northern Dancer2×4
※コレクターアイテム:Northern Dancer2×4
ジャスタウェイ:Native Dancer4×5
ヌーヴォレコルト:Northern Dancer3・5×4
フェイムゲーム:なし
マジックタイム:Hail to Reason3×5
リフトザウイングス:Turn-to5×5
ワンアンドオンリー:Northern Dancer5×3
※コレクターアイテムのアンタレスSは新設重賞でノングレードです
ウインバリアシオンは決して早熟だったわけではなく最近はパワーアップ著しい体つきで機動力を増してきたし、ジャスタウェイもアーリントンC勝ちがあるように若いころから素質はみせていたのですが、しかしこの2頭の成長曲線の違いは、それぞれの母が持つクロスの強さと符合してもいるのです
非常に大きな枠でザックリ言い切ってしまうならば、父がディープインパクトであれステイゴールドであれハーツクライであれ、しなやかで柔らかなサンデー系が3歳春に頂点を極めるには、ノーザンテーストやFairy KingやNureyevやLyphardやDanzigやStorm BirdといったNorthern Dancer系の頑強さを母から受け継ぐことで、ライバルたちよりも早くトモに肉をつけなければならない
大きな枠としていえば、そういうことじゃないかと思うのですよ
×アンタレス
○アルテミス
だと思います
コレクターアイテムのアルテミスSは格付けのない重賞です
一口者とすれば”本家”筋の募集予定リストが4月にアレなので、そろそろ1歳馬の血統表とにらめっこの時期になります…
(既に指摘されていますが)コレクターアイテム、友人がこの仔で初重賞勝ちだったので、「新設重賞(非グレード格付け)」あたりで、ひとつ。
※ エルコンドルパサーの共同通信杯が雪でダートに変更になりGⅢから重賞になったことを思い出し
但し、そんな私でも、コスマー直子孫のレッドリヴェールは見抜けませんでした。
まだ2歳馬といってもいいくらいの完成度の低さで、アジアエクスプレスとかウインフルブルームあたりとは、生まれ年が1年違うんじゃないかという感じです。
逆に言えば、今は弥生賞2着程度でも、古馬になったら怖ろしいということでしょうか。