メイショウサムソン黄金配合(2)

「メイショウサムソンは母母がPrincely Gift(The Tetrarch4×5)とGrey Sovereign(The Tetrarch4×5)を通じるNasrullah3×4で、この柔らかさを受け継いでストライドを伸ばして走れる馬でした
しかし種牡馬としてはその柔らかさは緩慢さとして伝わりがちなので、体質を締める必要があって、その場合にFair Trial的Lady Juror的なSpecialのクロスが有効であり、同時にDrone≒Haloをクロスすることで脚捌きを無駄なく俊敏にする効果も見込める」(メイショウサムソン黄金配合)

ここをもう少し詳しく説明すると、メイショウサムソンからみた場合、自身の血統表に並ぶ祖先たちのなかで最も脚の回転が速い血はというと、それは父系のSadler's Wellsに入るForli(Riot≒Fair Trial3×3)と母父ダンシングブレーヴの母父Drone(Sir Gaylord×Tom FoolでSun Princess≒Mahmoud4×3)でしょう

つまりメイショウサムソン黄金配合とは、簡単にいえば、サムソンが持つ最も脚の回転の速い血をニアリークロスしている、ということなのです

ここまでメイショウサムソン産駒で中央で2勝以上をあげたのは以下の8頭、☆がサムソン黄金配合(Special血脈とDrone≒Haloのニアリークロス持ち)で、SPがSpecial血脈のクロス持ちで、DHがDrone≒Haloのニアリークロス持ち

サムソンズプライド☆,SP,DH
トーセンアルニカ☆,SP,DH
メイショウソラーレDH
ソムニアシチーSP
メイショウブシン
エインセル☆,SP,DH
イルミナティDH
オリジナルスマイルDH(母父アグネスタキオンで自身はダンシングブレーヴ3×4)

黄金配合でない馬たちについて注釈すると、メイショウソラーレは母父バブルガムフェローで、その母母父Prominerの父Beau Sabreurが「HyperionとLady Juror」の組み合わせ
また母系に入るBlushing Groomの母母父Tudor Minstrelも「HyperionとLady Juror」の組み合わせ

メイショウブシンは母系にFair Trial血脈は入らないですが、母母父Caerleonの母ForeseerはRound Table(父Princequillo)×Hail to Reason(父Turn-to)×Pharamondですから、ここがDroneとニアリー(Drone≒Foreseer5×4)

オリジナルスマイルは母系の奥にForliが入るのでForli6×6、他にもトニービン、リマンド、Tudor Minstrel、Ela-Mana-Mouと、母系に「HyperionとLady Juror」の組み合わせ多数

こうしてみるとサムソン産駒の獲得賞金上位は、黄金配合ではなくとも、ForliとDroneを狙った配合をしていることが多い、と言えるでしょう

ウンプテンプの場合は、Fair Trial的な小脚を伝えることで有名なバレークイーンを通じるSadler's Wells3×4、また母父ウォーエンブレムの母父Lord at WarがFair Trial直仔Petitionの5×4で、その父父Queen's HussarはFair Trial3×3、母母父Atlasの父はForliの父でもあるAristophanes
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103994/
しかもウォーエンブレムの父Our Emblemの母系をさかのぼると、Aristophanes×AdvocateとForliと同じ配合(3/4同血)のDorineに辿り着くという、このように母系のあちこちにForliと脈絡する組み合わせやLady Juror的凝縮を持っていることが、あの回転の速さと反応の機敏さに寄与している可能性大でしょう

そしてこのウォーエンブレムは、ウンプテンプの血統表においてもう一つ重要な役割を担っているのですが、それについては「血統クリニック」で書いています

メイショウサムソン黄金配合
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/d1801acde7a8d7ec42db5ead9c324714