神戸新聞、セントライト、そして最終切符の九十九里と、菊へのステップはすべてステイゴールド産駒が優勝し、またオールカマーでは腰回りが逞しくなったナカヤマナイトが快勝、そしてロンシャンではオルフェーヴルが凱旋門賞に王手
オルフェーヴルとゴールドシップは母父メジロマックイーン、フェノーメノはデインヒル、ナカヤマナイトはカコイーシーズ、フェデラルホールはドクターデヴィアス
「肌馬の質を考えたら、実質的なリーディングサイアーは(ディープインパクトではなく)ステイゴールドじゃないか?」とはよく言われますが、う~んどうなんですかね? そう単純なことでもないんじゃないか…とも思うんですよね~
たとえば父ディープ×母父Caerleonの組み合わせは9頭のうち6頭が勝ち馬で重賞ウィナーが3頭出ていますが、ステゴ×Caerleonは4頭のうち勝ち上がったのは1頭だけ、それも1勝馬にすぎません
またディープ×トニービンは17頭中11頭が勝ち上がりグルヴェイグ、コティリオン、ラウンドワールド、ロードアクレイムと4頭のオープン馬が出ていますが、ステゴ×トニービンは22頭中9頭が勝ち上がり、オープン馬はバウンシーチューンだけ
ま~Caerleonやトニービンの肌といっても、ディープの場合はビワハイジ級やエアグルーヴ級が勢ぞろいしているのですから、もちろんそこは同一視はできません
しかしTARGETで調べてみると、ステイゴールド全産駒の1走平均賞金は185万円ですが、これを母父別にみると、ブライアンズタイム139万、トニービン128万、アフリート44万、フォーティナイナー58万、ジェイドロバリー70万、マルゼンスキー170万、Caerleon73万と、非サンデー系のリーディングBMSの上位どころとの配合では、実は軒並み数字は下がってるんですね~
そういえば伯父(母の全兄)のサッカーボーイも、シェイディハイツ、ニゾン、ニチドウタロー、パーシャンボーイ、ナオキといった、当時としてもマイナーな存在の母父から代表産駒級を次々と出していました
競走馬としてのステイゴールドは、サンデーとPrincely Giftの柔らかでしなやかな体質とディクタスのスタミナが主にONになった馬で、しかし少しだけパワーの血が不足していたというかノーザンテースト的な力強さはあまりONになっていなかったので、ここでトップスピードに乗りたい…というときにグイッと加速できないところがあって、だからいつも相手ナリに2着3着ということが多い馬だったのだと考えています
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1994108729/
だから産駒の代では、ノーザンテーストの頑健さをONにするような配合、ノーザンテーストそのものをクロスするのはもちろん、ノーザンテースト≒The Minstrelやノーザンテースト≒Vice Regentをニアリークロスしたり(Deputy Minister持ち牝馬との配合はアイスフォーリスをはじめなかなか確率が高い)、Lady AngelaにFlower Bowlやリマンドを合わせたりする配合が成功しやすいのだ…ということは何度か書いてきました
日本の馬産において父や母父として成功をおさめて生き残ってきた血というのは、多くは高速芝を走るのに必要なしなやかさ柔らかさを伝える血なわけで、しかし種牡馬ステイゴールドはそういう血はあまり必要としないのです
たとえば同じノーザンテーストの血を引く繁殖牝馬でも、そこに柔らかな血をもってきて体質が柔らかくなって芝で好成績をおさめて社台に繁殖として戻った牝馬と、体質が硬いままで芝の良駒を出せずに放出された牝馬では、種牡馬ステイゴールドに合う牝馬は後者のほうが可能性は高いでしょう
となると、社台で繋養されなかったことも社台の牝馬にあまり配合されなかったことも、ステイゴールドにとって本当にマイナスだったと言い切れるのだろうかと
メジロマックイーン、タイトスポット、ポリッシュネイビー、カコイーシーズ、モガンボ、これらの肌から重賞勝ち馬を続々と出せる種牡馬は他にいませんが、だからといってCaerleonやKingmamboやSadler's WellsやA.P.IndyやUnbridledやHighest Honorやデインヒルやトニービンといったところとバンバン配合したとして(ま~このなかではサドラーやデインヒルやKingmamboとは好相性でしょうが)、今より飛躍的に産駒成績が上がるとも私は思えないです
この喩えは前にも書きましたが、アウトローのベースの隅かすめるような高速スライダーを大ホームランするステイゴールドはそりゃもう絶対に凄いんですが、絶好球を見逃さず長打にする種牡馬、ビワハイジやエアグルーヴとの配合で確実にオープン馬を出す種牡馬というのもなかなかいないわけで、それはそれで評価されて大事にされて当然だろうと
重賞回顧の前ふり的なつもりで書き始めたら、長くなってしまったので別エントリで先に(^ ^;)これからレースを見直します
当時、血統なぞ知る由もなく、種牡馬になる話を聞いて大丈夫かいな?とか思ってました。ああ恥ずかしいf^_^;
血統をかじるようになり、ステイゴールドとその産駒を調べていくうちに、へええ…サンデーってすげー。サッカーボーイ、ノーザンテーストって…という具合に、様々なことを教えてもらいました。もちろん、望田さん、栗山さんのレクチャーあればこそですが。
オルフェーヴルが、日本競馬における血統的最高峰の結実とするならば、凱旋門賞はそれを世界に証明する舞台なのだと考えています。
あと二週間。ホントに待ち遠しいです。
結果として社台から出て行って良かったという話ですかね。
種牡馬入り当時は親父のSSも元気でしたし、同期の種牡馬デビューにはタキオンもいましたし。
そういう意味ではラフィアンの岡田総帥は見る目あったわけですが、自分のところの生産に活かされてないのが何とも皮肉な感じですね。
マイネルネオスが一番の実績馬ですが、他のビッグレッドファームの馬は現段階では物足りないし、ゴールドシップやナカヤマフェスタと比較するとやっぱり物足りないです。テースト・Nijinsky、DanzigやAlyder系の肌が少ないんですかね…。マイネル冠のステゴの大物を見たい気もしますが。
ごめんなさい。
今ではステイゴールドは殆ど岡田さんの持ち馬でしょうし、その意味では、名を捨てて実をとったという感じでしょうか。晩年のメジロブライトがもう少し肌を残せられれば良かったかもしれないと、個人的には見てますが。
今回のブログとても参考になりました。
自分がステイゴールドに対して持っているイメージと重なる部分が多々あり、より知識を深められました。
一つ気になる事が有るのですがなぜステイ産駒はダート走らないんでしょうか、シルクメビウスが唯一重賞レベルで後はちょっと走る程度、伯父のサッカーボーイも似たり寄ったりでキョウトシチーを出した程度ですが関係あると思いますか?
シルクメビウスはBusanda3×5の母からダート向きのパワーを思いっきり受けていますからね~
まあドリームジャーニーやナカヤマナイトみたいなピッチ走法もいますが、基本的には柔らかさしなやかさで走る血統ですから
拝読させて頂きました。
個人的には、エアメサイア、グレイスティアラ、キストゥヘブン、ダイワスカーレット
この4頭にステイゴールドを付けてほしいと思っています。