【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

当確

2017-10-16 07:06:26 | Weblog

 選挙で開票が始まったら「0分」で「当確」が発表されることがあります。ということは、投票日の前にすでに「当確」は打つことが可能なんじゃないです? だったら投票はするだけ無駄ということに?

【ただいま読書中】『うろんな客』エドワード・ゴーリー 作、柴田元幸 訳、 河出書房新社、2000年、1000円(税別)

 小さな絵本です。絵本ですが、大人向け。
 昔風の邸宅に住む一家の所に「うろんな客」がやって来ます。小さくて不思議な外見をしていますが「うろん」なのはその行動。迷惑も顧みずやりたい放題し放題。まわりはみんな大迷惑。あっという間に17年。
 原文はどのページも2行でそれぞれ脚韻を踏んでいます。それを訳者は「五七五七七」で最後の「七」は「漢字四文字」というシバリで翻訳します。たとえば「At time it would tear out whole chapters from books. /Or put roomfuls of pictures askew on their hooks.」は「折に触れ 本をごっそり破り取り /壁の絵を曲げ 家内巡回」になります。いやもう、笑うしかありません。読者は安心して笑えますが、訳者は大変だったでしょうね。
 解説にはこの「うろんな客」は「子供(我が子)」のことではないか、とありますし、私も読んでいる途中からそう感じていましたが、もう一つ、日本人だったら「平和な家庭に突然やって来る『うろんな客』」として「ラムちゃん」(『うる星やつら』)や「おばけのQ太郎」なども忘れるわけにはいきません。彼らの行動も相当「うろん」でしたが、あれは「我が子」ではなくて「客」でした。ということは、漫画やアニメで鍛えられた日本人は、この絵本でゴーリーが意図したのとは全く違う読み方ができる可能性があります。さて、しばらくして心が落ちついたら再読してみる必要がありそうです。そうそう、現代のアメリカ人だったら、養子やステップ・ファミリーで読む手もありそうですね。もしかしたら「移民」でも読めるかな。




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