紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

紫根の商品化作業

2018-12-31 19:28:59 | 紫根染め
「紫根の仕分け、選別作業」
11月に収穫した紫根は乾燥後、商品化の作業となった。
細根、ヒゲ根の処理と砂粒除去が主である。思いの外、手間を要した。
1株1株を手に取り、絡み合った根の合間を綺麗にする作業である。
同時に商品としての仕分け作業を検討しつつ進める。


収穫して間もない時期の乾燥中の紫根である。

乾燥が進むと紫根は硬くなり、色は黒味を帯びてくる。
株元に手を入れてみるが、まだ選別方法は手探り状態である。


株元をカット、細根、横根を取り除きブラシする。赤味も出てきて商品らしくなる。
但し、1本で150gの最大の紫根も50gへと減量してしまう。商品NO.1


使い勝手を考えて長い根を2〜3cmにカットする。商品NO.2
紫根の上部、5mmを超える太い部位と5mm以下の細めの部位に分ける。
品揃え数を増やす必要もあるが、太い部位は紫根エキス用としての用途を考慮する。


染料として最も効果的な部位である。商品NO.3
簡単な作業であるが乾燥が進んだ紫根は折る作業となる。


株元が残る。これも1商品とする。化粧水用である。商品NO.4
紫根エキスを作る事を考えると最も効果的な部位である。
このままでは黒い化粧水となる。


この部位の表皮を剥がし「刻み」とする。商品NO.5
表皮を剥がす事で透明感のある化粧水が出来るからである。


選別作業後に細根、ヒゲ根がたくさん集まる。
収穫の際にも根を掘り出すと地中に細根の塊が残る。これを集めながらの紫根収穫は一手間多かった。
この根は染料のみの部位とも言える。


硬くなった根を揉むと細い根と粉に分かれる。

ウラ濾しを使うと粉と根の細い棒に分ける事ができる。商品NO.6 商品NO.7


品揃え数を増やす工夫も選別、仕分け作業を通して生まれた。
従って、選別のやり直しをして1ヶ月間行きつ戻りつの日々となった。
新年早々に日を見て商品紹介の予定である。

  「やれやれと こしをのばせば おおみそか」
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紫根染め 2018/12

2018-12-22 19:13:45 | 紫根染め
「師走の紫根染め2018」
紫根の収穫を終えて、その整理選別に追われる日々が続く。
紫根をカットして、ハネ出しの紫根を集めて息抜きに染色をする。
久し振りの染めに戸惑う、物忘れが多くなった証拠か?
手順は良いのだが、分量のメモが見当たらない。
染め液の抽出方法は特に問題ない。お勝手で出来る紫根染めである。


第1液から3液まで、温度はゴム手袋で手が入るぐらいだった。
第1液は500ccの内100ccは紫根に吸収された。
細根ばかりだったので半減とはならなかった。合計1.4Lの染め液である。
染めの時間は40分、ムラが出ない様に常に布を動かし、立ち続けでの作業である。


中干しをする、日に当てるのは良かったのだろうか、不明だ。
青空が広がり、つい背景にしてしまう。


2回目の染色を重ねた中干しである。
この後更に3回目の染めを重ねて、足が吊ってしまった。
媒染は翌日の作業とする。


染色作業を重ねたゴム手袋である。
最初の染め液を揉み出す作業で色が移る。


アルミ媒染、この濃度が大きな結果となるのだが不明だ。
新しいデータを残す作業となった。10%の媒染液を入れて結果を見ることにする。


左、刺繍入りは綿である。右、絹のポケットチーフ。
やや青味懸かった紫に見える。


やはり絹は色がよく入る。これはこれで良しとする。
綿は更に色を重ねて見たいものである。コースターは媒染に入れるのを忘れてしまった。
昨年は紫根を乾燥させないで染めに使い、その発色に感動した記憶がある。
データは不明だったが、その記憶は残っている。
足が吊った記憶はない。1年の老いを実感した2018年師走の紫根染めであった。

    「きにかかる おいのわがみと そめのいろ」 
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紫根収穫終了2018

2018-12-14 16:14:57 | 紫根染め
「ほぼ、1ヶ月間の紫根収穫作業を終える」
10月末から紫根収穫作業を始めて、11月は好天に恵まれ休みを作って何とか収穫作業にピリオドを打つことにした。
7月の高温と水不足続きに天を仰いで困惑した日々を思えば、まずまずの収穫であった。


ブロック内の栽培はかなりの密生状態だったが、根の直伸性に救われた。

かなり太い紫根も出てきたが、太過ぎると中が空洞化する。

細くても長い方が、染料としての利用効率は高い。
30cmを越えれば優良品と満足している。


乾燥すると鮮やかな赤い根は黒味を帯びてくる。
根の太さも引き締まってかなり細くなる。


乾燥期間で、都合よく折れる期間がある。
2週間後であろうか、太い根も2〜3cmに手早く折る事が出来た。
乾燥が進むと、簡単にはカットできない。
水分が多い内は、刃に粘性の紫根成分が残り切り難くなる。


収穫が終わると来春の準備となる。
苗床を作り、来年度の栽培方法を考える。
雪模様の予報に慌ただしく苗床に種を播く。
4列、各列100+𝛼 粒を丁寧に並べる。


来春の苗床と収穫を終えて整備中の畑である。
未収穫のブロックは、春先土が柔らかい時期に先送りとした。
この冬の雪の量が問題である。今年は2月の末には畑作業ができた。
畑はともかく空模様との睨めっこである。

       「そらもよう ながめるひびに こしまがり」
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発芽処理期間の再検証終了(続 4)

2018-12-08 17:09:52 | 紫根染め
「検証実験終了」
低温処理期間の短縮結果を得て、検証作業を終了する。
当実験のきっかけは1昨年の初冬、庭先で一つのムラサキの発芽を発見した事である。
深まる秋の最低気温が霜から結氷の寒さへとなる日を経て、
小春日和の続く日々となった頃である。
自然環境下で、こぼれ種からの発芽にはそれなりの条件があったはずである。
間も無く雪が来て、春先にはその発芽苗を確認することはできなかった。


12/3 3週間保存種の後続発芽である。3粒が発芽したことになる。
その後、室内気温が低い故か続々という訳にはいかない。


12/6 待っていた種が根を出してきた!
2週間保存の残りの1粒、やっと発芽の兆しの根を出す。


12/8 根はすでに1cm伸びている。これで100%の発根、発芽となる。
無作為に選んだ種が新たな結果と共にパーフェクトの発芽率となった。


1週間の遅れであった。既に同期で発芽の種は本葉の兆しが見える。
爪楊枝と爪楊枝の間の5個が2週間保存の列である。
発根日11/24(2).26(1).29(1).12/8(1).と差があった。


3週間保存の種は7粒ある。
まだ4粒がこれから発芽の兆しのを見せる事であろう。
1週間保存の種が2週間目に日を置かずに発根した事に比較して
保存期間が長くなるに従って発根にばらつきが出てくる事は関連があるのだろうか?
来春は短期低温処理を幾度となく実施してその効果を確認して見たい物だ。


    「たまさかの ことをしんじて はるをまち」
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