紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

国産紫根、販路に希望あり

2018-08-30 19:25:35 | 染料栽培
「菅平薬草栽培試験場」
染料としてのムラサキ栽培を始めて、その染色結果に魅了されてしまった。
今年の栽培結果は兎も角、収穫後の紫根の行方である。
数年前から国産紫根の流通を目指す事に栽培の観点を切り替えた。
長野県の農政部にコンタクトを取り、判断を待った。
長野県薬草生産振興組合の組合長から直接メールを頂き面談の機会を得た。
昨年秋の事である。
長野県薬草生産振興組合は半官半民の組織である。
そのトップを長らく勤めておられる方である。


薬草栽培場の維持管理に当たっている82歳の組合長です。
薬草の詳しい内容の表示板を自ら作成しているとの事。


森林を含む10haに及ぶ広大な栽培場の維持管理は、並大抵の事ではない。
昨年から知己を得て、県内他の栽培試験場を案内して貰っている。
そのお礼に、紫根染めのポケットチーフや見本紫根を提供して理解を求める。
紫根染めポケットチーフは参考になった様で宣伝に使っているとの事であった。
ムラサキ栽培の拡大と販路について頼みの綱である。


ムラサキ科のボリジと言うハーブを紹介して貰う。
青い星形の花が食卓の皿に似合うと説明後には、口に入れて見せた。
9月はギリシャへ旅行に行くとの事で、7月のスペイン旅行の話題になった。
行ける所は何処でも行って見たいと意気軒昂である。


これは長野県菅平薬草栽培試験場の1区画である。
組合長自作のムラサキの案内板があるが、定植した生育中の苗は枯れて無い。
水分補給は自然の降雨に頼っていた故である。
4列に各40粒を播種。来春の発芽を待つ事になった。


ムラサキの種を播いていると雨になった。
急な雨には驚いたが標高1500mの高原ではウッカリしている方が問題なのだろう。
激しい雨の中、カーブの多い下り坂を組合長の運転で上田に降りると青空であった。
巧みな運転には驚いたー。

こちらの再三のプッシュに県農政部にも掛け合ったらしい。
ムラサキ栽培を県の推奨薬草に準ずる位置に挙げて頂いた。
販路として県内の5社の薬草会社が地域によって受け持つ様になっている。
研修会で栽培希望者を募集する予定と聞いた。
年寄りの集まる研修会の予感がして、種を1袋(約100粒)無料で配布する用意がある事を申し出た。

  「てをあげる    わかものがいて   たくすたね」   
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2018.日本ムラサキ栽培記録(8月No.2)

2018-08-26 15:18:57 | 染料栽培
「渇水期を乗り越えたか!」
猛暑日の盛夏を何とか凌ぎ、生育盛んな日本ムラサキである。
しかし、37〜38℃に達する熱射を受けて葉はうなだれ、萎れて耐えるより他ない。


筒型栽培の現状である。残り苗を捨てるに忍び難く余った筒に挿して置いた。
ここまで、生育するとは思いも寄らなかった。


最後に定植を終えたNo.5ブロックである。
野ネズミ除けの波板は蒲鉾型で最も要領良くできた記憶がある。


一番初めにセットしたNo.1ブロックで設計図に従って設置する。
現場では思い通りに設置できず、困惑しての作業であった。
波板ブロック内への用土が不足して手近な土を掘って投入する。
ブロックの周囲が窪んで足元が不安定な状態は未だに解消できない。
ヨトウムシの被害が出たのはこのブロックで、投入した土に原因があった様である。


No.2 のブロックで苗は半分が畑で発芽した苗であった。
ブロック内で生育の差が大きく出た。花が咲いたのは最も早かった。
手前の半分が畑の苗であるが温室苗も花を咲かせると差が無くなった。


No.3の5Mに及ぶ最も長いブロックである。苗は11〜1月中に発芽した苗であった。
長くした事で生育に不揃いの苗が一様になってしまった。
成育期と渇水期に耐えられない苗が多く出た。


No.4のブロックで最も安定して生育をしている。
秋苗、前年の9月に発芽した苗である。
間も無く1年間に及ぶ最も長い生育期間を経過する。
紫根の生育振りに期待する事、大である。


耕作放棄の隣の畑の畝栽培の現状である。苗は畑で発芽した苗である。
渇水期には手が回らずに、諦めた事もあった。野ネズミとの戦いの現場である。
ネズミ捕り器で3匹を捕獲する。しかし、相手の陣容は皆目、不明である。


生育は最も早く、既に茎の下部は木質化する程になっている。
しかし、色鮮やかな紫根収穫は期待できない。
畑の土が隣の畑とは大きく異なるからである。

   「あめをこい そでをふられて めにはあせ」
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日本ムラサキ、秋苗の誤算

2018-08-21 19:38:48 | 染料栽培
「秋苗の発芽は不首尾?」
春先の発芽を思い出して、苗床を同じ容器にした。
残念ながら何処かに、この真夏の時期には条件が合わない要素が潜んでいた様である。
3粒が発根して2個が双葉を広げたのみである。
それに気付いて従来の簡易パック内発根法をセットした。
1週間後に複数の発根を確認したので、苗床の種を回収する。


先端部を細くした割り箸を使って小さな種を回収。

半分近くは回収できたであろうか?発根の兆しは無い。
残りの種はまた何時か発芽するであろう。この種はパック内で再挑戦となる。


計画では100個以上が並ぶ予定だった。砂は不必要だったようである。
この2個の発根は砂の列を、わずか外れた場で取り上げている。


8/15に簡易パックにセットして丁度1週間になる。
複数の発根を確認できたので、パック内で発根に再挑戦となる。

2週間のロスを取り戻すことは可能であろう。

  「あつさぼけ きせつたがえて たねをまき」
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日本ムラサキ、秋苗の発芽

2018-08-14 11:02:05 | 染料栽培
「秋苗の発芽、始まる」
苗床に沢山の種を播いた。
ムラサキは条件が整えば年間を通して、いつでも発芽してくる。
昨年までは、その発芽姿に魅了されて毎月発芽姿を楽しんだ。
今年は春先の発芽を最後に、畑での栽培に労力を注ぐ事になった。
秋苗の順調な生育を見て、秋苗の発芽をする事になった。
薬袋に保管してあった種を見つけたのもタイミングが良かった。


セットしてから1週間もすると、今日か明日かと気になって仕方がない。
ちょうど10日目にやっと1粒の発芽を見る。
川砂の量がやや多すぎたのではと、手順のミスを振り返る。


300粒を超える種を播いてあるので、この1粒のみは警告に近い。
種の殻を脱いでの発芽にも、水を含んだ砂の重さが影響したかと首をひねる。


発芽は、このグリーンマークの種で E 列である。
期待していた列は全く発芽の兆しなしである。


ポットに移して室外での育苗とする。
ついでに、苗床も室外に移して今後の発芽を待つことにする。


どこに手順のミスがあったのかは不明である。
苗床は最初、室外に出して置いたが間も無く室内に移動した。
様子を見るには、室内の方が楽であったからである。

   「めをだせと まてばまつほど ねじまかれ」

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日本ムラサキ、種子考

2018-08-10 19:30:57 | 染料栽培
「2018.日本ムラサキ栽培記録 8月(No.1)」
ムラサキの分果数と種子の大きさについて気になった事がある。
8月に入って白い花の花弁を落とした萼の中に、緑色の種子を見るようになった。
1粒、2粒、3粒、4粒と分果数が異なる。
花は晩秋まで、霜の来る頃まで咲き続けて分枝も多くなる。
大きな株となったムラサキからは、数百粒の種子を採る事ができる。


1粒、既に緑色の種子から、琺瑯質の固い種子に結実しつつある。

2粒の分果。このタイプが普通多いと言われている。

この茎には驚いた。4粒が1分枝にずらりと並んでいる。
この株は、どの分枝にも3〜4粒が普通に結実している。
分枝は7〜8本となるので総数は500粒以上の種を着ける事になりそうである。

気になった事は、4粒で結実する場合と1粒で結実する場合との違いである。
同じ大きさの萼に包まれて1粒と4粒では大きさが異なりはしないかと考えた。
実際のところ、種の選別で丸々と大きな種が目を引く事がある。

また、大きな種は大きな双葉を広げるのである。
しからば、種が緑の内に1粒にしたらばどうであろうか?
摘果の効果はあるのだろうか?
結実までには80日を要すると言われている。
早めに、摘果すれば窮屈な状況から1粒で大きくなりはしないだろうか。


   「むだごとと しりつつまびく まのてあり」 
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