紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

日本ムラサキ・紫根の商品化について

2022-01-08 18:37:59 | 薬草・薬用植物
「紫根の仕分け作業」
昨年、1昨年と日本ムラサキの種を求める方が多くなっています。
ムラサキ栽培は懲り懲りだと云う方がいる話とは、かなり異なった印象があります。
そこには、育ててその後どうする?と云う含みが有ると思われます。
紫根は商品価値が高価である事を知って頂ければ、栽培意欲も高くなると思われます。
そこで、商品化の1例を紹介。


収穫した紫根を整理する。元来直根が長く生育する性質を持っている。
横根が主幹だったりするのは、栽培畝の深い耕作が不十分な故でしょう。
太い根から細い根、更に細い根と仕分け作業がスタートする。


ここでは、カット紫根の商品化の例。
収穫して、1〜2週間以内の作業です。3cm程度に切り揃える。
硬紫根ですから、乾燥すると太い部位は切る事も折る事も出来ない。


商品としての販路は主に染料です。
草木染めに多くの方が興味を持っている事と、
染料店では紫根が、常に在庫なしの実態は多いに考慮する余地がある。


枝と根を切り分けたり、カットする道具は剪定ハサミと包丁である。
刃物の刃先には紫根の粘性の成分が付き、刃先が鈍る。
特に太い根の肉質部には染料以外に、薬用としての成分が知られている。


紫根には二つの販路があるのです。
特に株元の太い根は白い肉質部が多く染料より、薬用として人気のコスメ原料として販路が出てきます。


染料抽出には太さのサイズが揃っていると計量の際、効果的に
染め液を作る事が出来ます。染め液は助剤を使う事なく湯煎が可能です。
古来日本では、紫根染めに助剤を使う事なくやってきたからです。


国産の紫根が求められている時代がやってきた様です。
或る大手の染料店では100gで4,400円の小売り価格でビックリです。
買い手は不特定多数が今の所、良いようです。
参考 ショップサイト「染色工房(くるでーはっと)」

   「くちおしや みをひくときに とききたり」 
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秋苗、播種・失敗か?

2021-09-01 16:38:40 | 薬草・薬用植物
「苗床に播いた種が、なかなか発芽して来ない?」
昨年同様に、播いたつもりだが「バラ播きでは無く列にすれば良かった」のメモが気になった。  
列は丸箸を押さえつけて凹みを作って、種を並べた。当ブログ日記2021−08−21参照


ボツボツ発芽して来たのだが、こちらが老いて来たのか播種に問題があると判断する。
マークの発芽状態は明らかに異常である。


根が地上部に出て来てしまった。
丸箸で赤玉土を強く抑え過ぎて凹みを作った故であろう。


天地逆転の発芽は初めての事ではない。数年前にこうした事があるのかと驚いた。
赤玉土を箸の先でほぐして、根を下にして挿してやる。


苗床の列全体をほぐしてみると発根状態の種が幾つか見つかる。
種を列で揃える事は、別の方法ですれば良かった。
バラ播きは発根の根の方向を自然に下に向かわせる隙間を保っていたのだろう。


この古い苗床も同様であった。凹みを作り、根の出る場を締めてしまった。
悪い事に苗床表面を平らにすべく、種の上に倍の土を盛ってしまった。
発芽が予定通りに進んだ箇所は、短辺で強く押さえる必要も無かった箇所だった。
種が見え隠れする状態にしてしてやる。

播種には、取り播きと言う方法があった。畝などつくらず、苗床も不必要であった
紫根収穫時に種をその場にバラ播く方法である。
春先には自然とアチコチに発芽してくる。これが一番自然な方法である。
栽培当初には、この苗の生育状況を見て掘り出して、畝に定植した事を思い出している。

  「かたひじを はってそだてた おいのいじ」
「あわれなり かたひじはった おいのいじ」




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日本ムラサキ・初めての挿木(枝)の実現

2021-03-05 15:41:27 | 薬草・薬用植物
「温室の出来事(5) 遂に根が出た切り落とし枝」
昨年末以来継続していた挿木(枝)の検証結果が出た。
「温室での冬越しの日本ムラサキ」2020-12-19以後「温室での出来事」として
4回に渡ってレポートしてきた結果である。


最終的には透明な軽量カップに赤玉土を入れて生育結果を待った。

3月に入って、漸く根の先端部を確認。グリーンの円内。

4本の切り落とした本葉の主茎を取り出す。
この茎の先端部の根はまだ根を出してから間もないようだ。


この茎はちょうど良い頃合いの根の生育である。

4本の内1本はまだ根が出ておらず、再び同じセットへ戻す。

これは最も長く根が伸び、外から確認した茎である。
ポットに移して定植時期まで育苗する事になる。


双葉は無いが、既に本葉が5枚目の生育である。
切り落とした茎先の状態から見ると奇跡的な回復である。


因みに、この苗が本葉の主茎を切り落とされた現在の姿である。
株数は増えたが、余り現実的な方法とは言えないかも知れない。

    「つきひへて すてたえださき いのちのね」
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日本ムラサキ・発根から発芽へ

2021-02-12 19:15:03 | 薬草・薬用植物
「紙コップ利用の確かな発芽への道」

一昨年(2019-12-06,-14)師走に偶然発見した方法である。

あれこれと試して見るが、紙コップ利用が最も確かな方法と見ている。
既に発芽している種もある。


この種はパック容器に赤玉土を敷いて1回発根を試みている。
予定の発根を経て、発芽の兆しが途切れた種を集めて暫く乾燥させて
紙パックで再挑戦となった。大量の発根、発芽の兆しを連日見る。
紙パックの底には、川砂を3cm程敷いて水を含ませてある。


この紙パックは浮種で廃棄予定の種である。3cm程の厚さになっている。
掘り出して見ると既に発芽した種も出てくる。


発芽の兆しはコップの側面に割合多い様だ。
日差しが差し込む日には紙コップを陽当たりに並べる。


種は傷んで、カビが発生する最悪の条件下である。
「掃き溜めに鶴」の如き発芽苗である。

   「なぜすてぬ もしかすればと つるがたち」
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日本ムラサキ、霜月の苗床

2020-11-28 16:10:39 | 薬草・薬用植物
「予期せぬ育苗スタート、2021年へ」
8月の秋苗用苗床から残り種の発芽、第3波がきた。
「日本ムラサキ・時ならぬ発芽」2020-11-13 投稿後、苗床は再び室外となった。
40を越える発芽苗を得て、水をたっぷり入れて暫く様子を見たが特に気づく事も無かった。
最低気温0°C〜1°C前後の日が続く庭先である。
以前と同じ状態で据え置いた。またまた発芽に気が付いた。


発芽があるなら来春であろうと思っていた。
10個以上を数えた。再び室内へ苗床を移動。


双葉の様子から、10日前の気温を調べると最低気温9°C翌日18°C、最高気温25°C翌日26°C
10月の気温と聞いて、紫根の収穫に汗を流していた時期だ。この気温がきっかけとなった様だ。


双葉の苗を掘り出して、並べて見ると根は長い。3〜5cmもあった。
苗床はかなり掻き回してあるので、深い所からの1本は根の先端が折れてしまった。


ポットへの鉢上げは、市販の用土を使い、表面に赤玉土を撒いて給水時のサインにした。

発根種を幾つか見つけたので合計21ポットとなった。前回と合わせると63個となる。

このポットの発芽は種を採取後、枝を畑に捨てたが取り残した種を見つけ
紙コップ内で発根したものである。


畑に捨てられた枝葉は黒く、種が白く直ぐ目についた。
10数粒である。4粒が発根する。霜が数回きた程度で、水に5日間漬けて紙コップに入れた。


来春の育苗は2月頃からと予定していたので予想外の育苗となった。
昨年の11月苗は温室が無かったので、春先の反転する気温上昇に生育は不首尾であった。
今年は再度温室を室内にセットしたので安心して生育を見守る事ができるであろう。

  「なえそだて きびしきふゆを まちうけし」
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