世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

老女と仮面たち

2016-05-08 05:17:02 | 霧の風景


ジェームズ・アンソール、20世紀ベルギー、表現主義。

これは恐ろしい絵である。愛らしい老女の形の中に、恐ろしい馬鹿がいる。自分にはないものを持っているというだけで、おまえが憎い。この老女の目はそう言っている。20世紀の人間社会には、このような人間の皮をかぶった馬鹿が、あふれるほどいたのである。彼らは決して心と同じことを言わない。仮面の奥には他人への激しい嫉妬が燃えている。画家は鋭い感受性でそれに気づいていたのだろう。






  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする