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PFAS汚染された農地をどうする?

2024年03月26日 | 自然・農業・環境問題

印鑰 智哉(いんやく ともや)のblogより

 by INYAKU.Net 2024/03/26

 誰もが生きるなら汚染のない世界で生きたい。でも、今の世界は汚染が進み、人のいない極地地域でも汚染は発見される。この汚染された世界でどう生きたらいいのか。世界の命をこの汚染からどう守ればいいのか、汚染を減らすにはどうすればいいのか?

 言うまでもなく、まず汚染の進行を止めること。汚染物質を禁止し、汚染させた企業、軍などの組織に責任を取らせること。

 でも汚染されてしまった農地はどうするのか。放射性物質、カドミウムやヒ素などの重金属、ラウンドアップ(グリホサート)などの農薬、さらにはPFASなどによって汚染されている農地がある。まったく汚染されていない農地はないだろう。大なり小なり、この汚染された農地からどう安全な食を確保するのか、考えなければならない時代に入っている。

 汚染物質だけを抽出して隔離する技術があればいいのだが、これが難しい。でも、この分野でも有機農業は大きな力を発揮しそうだ。バイオ炭や土壌の微生物を生かし、必要なミネラルを確保することで重金属の吸収を防ぐことが可能であることは検証されている。有機堆肥の利用も有効¹。

 さらに汚染物質を吸収しにくい作物を選ぶことも有効。たとえばニンニクやアスパラガスなど果実をつける植物は移行率が低いため、汚染された土壌で栽培されたとしてもPFASの含有量は高くない²。

 一方、レタスなどの葉物野菜や、家畜の飼料として使われる干し草はPFASの移行率が高く、干し草は家畜の餌として使われ、その糞尿を通じて有害化学物質が拡散されてしまう³。

 だから、移行率の高い作物を移行率の低い作物に転換することで汚染を抑えられることになる。もっともその移行には負担がかかる。新たな倉庫やトラクターも必要になるかもしれない。米国メイン州はPFAS汚染に苦しむ農家のために6000万ドルの基金を作り、その移行を支援している。

 さらにその農地のPFAS汚染を引き下げるためにはPFASを食用作物とは逆にたくさん吸収してくれる作物を植えることでその土地を浄化させることが考えられる(ファイトレメディエーション)。

 メイン州では空軍基地として占有されていた土地が先住民族に返却されたが、その土地はPFAS汚染がひどく、農業にも人間の居住にも適さない状態だったという。そこで試みられているのが繊維用麻の栽培だ。麻はPFASを吸収する驚くべき能力を持っているという。収穫された麻はバイオ燃料で使うことも検討されている。

 麻の栽培は日本では難しいかもしれないが、このようなPFASを吸収しやすい植物を活用することでPFASに汚染されていた地域の汚染を安全なレベルに引き下げることが期待できる。

 米国の大学ではPFAS汚染地域での農業の方法について毎年シンポジウムが開かれ、最新の知見が共有されているようだ⁴。

 しかし、汚染を取り除くことは汚染する数桁上の手間と費用を必要とするだろう。だからまず汚染させない政策が必要になる。メイン州は農地のPFAS汚染の大きな原因となっている下水汚泥肥料の使用を禁止している。

 ところが日本の農水省はその逆で、下水汚泥肥料の使用を促進するセミナーを開き、その使用を全国的に推進している⁵。肥料中のPFAS濃度は測ってすらいない。それではダメではないかと指摘すると、農水省からは問題が出たら考えますとの答え。しかし、問題が出てからでは遅いのだ。

 PFAS汚染は軍事基地や工場、産業廃棄場や下水汚泥肥料、さらには農薬も原因となる。PFASを含む農薬は日本でも使われており、農薬経由でもPFAS汚染が進む。そうした汚染源をまず断つこと、そして被害農家に汚染責任組織が賠償し、その土地の浄化の責任を取らせること。これはその農家のためだけでなく、汚染のない未来を作るためにわたしたちすべてに必要な原則であり、行動であると思う。


農薬についても、どの農薬にPFASが使われているのかすら公表されていない。
下に3年前のビデをを載せた。
3年前である。
水素エネルギーやペロブスカイト太陽電池、汚染水からトリチウムを除去する技術などがすでに開発されている。
なぜ進まないのか・・・?
待ったなしの状況で。

紙・プラではない「夢の素材」【SDGs】



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