里の家ファーム

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ハイル、安倍!

2017年03月24日 | 社会・経済

天皇気取り、安倍首相が防衛大卒業式で「軍人勅諭」ばり訓示! 「私の目と耳になれ」「私との紐帯が安全に直結」

                                                                         リテラ 2017.03.22

 

 安倍首相は政治的野心のために振り回され続ける現地の自衛隊員たちを、いったいなんだと思っているのか。つまるところ、この宰相にとって、自衛隊というのは私的な“マッチョ願望”を成就させる政治的玩具でしかないのではないか。とくに、今月19日に行われた防衛大学校の卒業式での安倍首相の訓示を見れば、安倍が自衛隊を“私物化”しているのは間違いないだろう。

 実は安倍首相は、昨年の防衛大卒業式でも、わずか十数分のスピーチの間に4回も自らを「最高指揮官」と誇らしげに呼んでいた。が、今年はこれをさらに増やし、実に6回も自分は「最高指揮官」であると繰り返した。しかも、心底恐怖を感じざるを得ないのは、こんなセリフを口にしたことだ。

「警戒監視や情報収集に当たる部隊は、私の目であり耳であります」

「つまり、最前線の現場にあって指揮をとる諸君と、最高指揮官である私との意思疎通の円滑さ、紐帯の強さが、我が国の安全に直結する。日本の国益につながっています」

「そして将来、諸君の中から最高指揮官たる内閣総理大臣の片腕となって、その重要な意思決定を支える人材が出てきてくれる日を楽しみにしています」

 自衛隊員に向かって恥ずかしげもなく「私とのつながりの強さ」が安全の基準だと断言し、「私の目であり耳」「片腕」などとのたまう。「国民の」ではなく「私の」と言明しているのがポイントで、これこそまさに、安倍晋三が自衛隊を私兵として見ていることの証明だろう。

というか、その口ぶりは、まるで戦前の「軍人勅諭」だ。〈我国の軍隊は世々天皇の統率し給う所にそある〉から始まる軍人勅諭は、山縣有朋が発意し、1882年に明治天皇の名で下されたもの。少年兵に至るまで暗記・暗唱を徹底され、教育勅語とともに国民の規範とされた。平たく言えば、日本の軍隊が「皇軍」であることを宣言し、国民に命を捧げさせる軍国主義教育のツールである。とりわけ五カ条の訓諭の筆頭にあたる「忠節」の項目は有名で、そのなかの〈義は山嶽よりも重く死は鴻毛よりも軽しと覚悟せよ〉は、戦前・戦中日本で国民が強要された精神性を端的に物語っている。

 そして、軍人勅諭の長い前文にはこんな一節がある。〈朕は汝等軍人の大元帥なるそされは朕は汝等を股肱と頼み汝等は朕を頭首と仰きてそ其親は特に深かるへき〉。天皇である朕は、お前たち軍人の大元帥である。であるから、朕はお前たちが朕の手足として働くよう頼む。お前たちは朕を頭であるのように仰げ。朕とお前たちの親しみはさらに深くなるだろう。──そういう意味だ。

 防衛大学校での安倍首相の訓示は、まさに実力部隊を「私の目であり手」「片腕」と宣言したことや、安倍個人との「紐帯の強さ」を強調した点において、戦前の軍人勅諭を踏襲しているようにしか思えない。

 しかも、これは安倍首相の精神性だけの問題ではない。毎日新聞も17日付で報じているように、第二次安倍政権の2014年以降、防衛大の卒業式では任官拒否者の“締め出し”を行うようになった。実際、昨年の卒業式では任官を拒否した学生らは出席を許されず、私服に着替えて裏門から帰宅させされた。つまり安倍首相の“手足”とならない者は、徹底して排除し、差別的に扱う。それが政権の方針なのだ。

 そう考えると、冒頭で述べた南スーダンPKOをめぐって日報隠蔽が起きたのも、シビリアンコントロールの欠如ということではなく、むしろ逆なのかもしれない。

 というのも、今回の日報隠蔽はそもそも官邸の意向を受けてのものではないか、という見方が流れているからだ。事実、「戦闘」の事実が記された日報を隠すことは自衛隊にとってなんのメリットもなく、助かったのは憲法違反と判断ミスを隠すことができた安倍官邸のほうだった。

 つまり、主要官庁に対しては、担当大臣を飛び越えて直接コントロールしている官邸がこのケースでも、稲田防衛相の頭越しに隠蔽指示をしたのではないか。そこまでではなくても、制服組が安倍政権の“PKO派遣維持と駆けつけ警護付与”との意向を忖度して、隠蔽に走った可能性は非常に高い。

 言い換えれば、自衛隊上層部はすでに“軍隊は私の手足である”と誇示する安倍首相のファシズム的発想に完全に侵されているのである。

 安倍首相は防衛大卒業式の訓示のなかで、自衛隊の役割をさらに拡大させていくことを宣言したうえで、「自らの手で自らを守る気概なき国を誰も守ってくれるはずがない」と凄んだが、陳腐な仮想敵国脅威論に騙されてはいけない。

 安倍首相はかつて、雑誌の対談でこう語っていた。「わが国の領土と領海は私たち自身が血を流してでも護り抜くという決意を示さなければなりません。(略)まず日本人が命をかけなければ、若い米軍の兵士の命もかけてくれません」。ためらいもなく“日本人は血を流せ”と号令をかける、そういう感覚の人間が自衛隊の「最高指揮官」であるべきなのか。私たちはよくよく考えてみるべきだ。(宮島みつや)

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これが事実なら、「首相も国会議員も辞める」。

2017年03月24日 | 社会・経済

安倍辞任必至? 籠池理事長が昭恵夫人付役人から「予算化を調整中」の報告を受けたと証言、物証のFAXも存在

 

                                                                     リテラ  2017.03.23

 

   とんでもない爆弾証言が出てきた。先ほど終わった衆院予算委員会での学校法人森友学園の籠池泰典理事長の証人喚問だが、午前の参院での証言で出てきた「平成27年11月17日に総理夫人付タニサエコさんからいただいたファクス」について、衆院でさらなる詳細が発覚した。

 午前の証人喚問での籠池理事長の話によると、平成27(2015)年5月29日に定期借地契約を締結し、その土地の買い受け特約が10年だったが「もっと長い期間へ変更できないか」との思いから「私たちの教育理念に賛同している昭恵夫人に助けをいただこう」と考え、同年10月に昭恵夫人の携帯に電話。留守電だったためメッセージを残したところ、後日、内閣総理大臣夫人付のタニサエコという人物から連絡があり、「なかなか難しい」との返事がきた。

 さらに同年11月17日には、以下のようなファクスが送られてきたという。

〈時間がかかってしまい申し訳ありませんが、財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長より回答を得ました。

 大変恐縮ながら、国側の事情もあり、現状では希望に沿うことはできないようでございますが、引き続き、当方としても見守ってまいりたいと思いますので、何かございましたらご教示ください。

 なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております。

内閣総理大臣夫人付 谷査恵子〉

 このファクス文面はすでに午後のワイドショーで公開されているものだが、午後の衆院の証人喚問で民進党・枝野幸男議員に引き続きこのファクスについて問われた籠池理事長は、上記の文面を読み上げた後、なんともう1枚紙をめくって、文面を読みはじめた。まだ公開されていない2枚目、つまりファクスのつづきがあったのだ。しかも、それは衝撃的な内容だった。

「『10年の定借の是非』『50年定借の変更の可能性』『土壌汚染や埋設物の撤去期間に関する資料の扱い』そして4番(目)が『工事費の立て替え払いの予算化について』というふうなことも書いていただいている。『一般的には工事終了時に精算払いが基本であるが、学校法人森友学園と国土交通省航空局との調整にあたり、予算措置が付き次第、返金する旨の了解であったと承知している。平成27年での予算での措置ができなかったが、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中』というようなものをいただいています」

 籠池理事長からの「依頼」に対し、安倍昭恵夫人は秘書を動かして財務省に掛け合い、その上で「国有財産審理室長」が「平成28年度での予算措置を行う方向で調整中」と回答していた──。つまり、昭恵夫人は国有地の取引に関して財務省から回答を引き出していたのである。

 この衝撃的な内容に、枝野議員は「安倍総理が従来おっしゃっていたことと全然違う。本当に重いご発言なんですよ。きょうのご発言は事実と違えば偽証罪に問われ、このファクスが偽造・変造されたものであれば、罪に問われます。間違いないものなんですね?」と確認。しかし籠池理事長は、明確に「間違いございません」と返答した。

 安倍首相は217日の国会答弁で「私や妻が(国有地売却や学校認可に)関係していたことになれば、首相も国会議員も辞める」と宣言している。もし、この籠池理事長が読み上げたファクスがほんとうに昭恵夫人側から送付されていたとすれば、昭恵夫人が国有地売却に「関係」していたということになる。

 この疑惑のファクスは早晩テレビなどのメディアにも出てくるかと思われるが、これが事実なら、総理辞任は必至だろう。

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「森友問題」?「安倍問題」でしょ!

2017年03月23日 | 社会・経済

まだまだ出るよ!
また、一面の銀世界です。

今日の国会喚問、なにがとびだすか?


 

 

校舎が廃墟に…豊中市民が激怒する“もう一つの森友問題”

                               日刊ゲンダイ2017年3月23日

 「冗談やないで。あれが、でーんと廃虚になったら」――。安倍政権を揺さぶり続けている森友問題。現場となった大阪・豊中市で「もうひとつの森友問題」といわれているのが、建設途中のままホッタラカシにされた学校校舎の建物の今後だ。地元住民がこうボヤく。

 「森友学校で作業していた工事業者の姿をパッタリ見なくなったのは8日やった。皆、逃げるようにバタバタいなくなったで。それから、誰もおらん。おそらく支払いでモメたんとちゃうか。でもな、建物が出来上がってんやったら、森友以外の学校が買い取ってくれるかもしれんが、中途半端じゃ、どこも出てくれへんやろ。どないすんねん。あのままやったら。豊中市民にとってはいい迷惑やで」

  森友の学校設置認可申請の取り下げを受け、財務省は国有地の買い戻し交渉を進める一方、原則として校舎を撤去して原状回復を求める考えを示しているが、タダでさえ資金がカツカツといわれる森友が原状回復できるほど体力があるとは到底思えない。さらに今後、工事を請け負った建設業者の連鎖倒産なんて最悪の事態になれば、工事代金をめぐる損害賠償請求や民事裁判などで問題が長引くのは必至。そうなると、壁面が朱色という異様な建物が市民公園の隣でずっと居座り続けることになるのだ。中国では、工事業者が破綻したために廃虚となった建設途中の高層マンションがよく見られるが、豊中市民にとっても決して他人事じゃないのだ。

 「冗談やないで。ホンマに。せめて、業者も工事を全部終わらしてから逃げてや。こんなんなった責任を政治家にも、役人にも取らせなアカン」(前出の地元住民)

 結局、デタラメな国有地売買で被害を受けるのは住民なのだ。

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 第2の森友学園問題 加計学園から「安倍最側近」に給与

  3月10日の「籠池独演会見」によって、「森友ドラマ」には、突如エンディングロールが流れ始めた。しかし、このドラマのスピンオフ(派生作品)とでも言うべき、もうひとつの疑惑に幕が引かれたわけではない。

「森友学園と同じような事例がある」

 3月8日の衆院文部科学委員会で、民進党の福島伸享(のぶゆき)代議士はこう追及した。スピンオフが国会でも話題となり、今後の野党の「質問編成」がこちらのドラマに移っていくことを予感させた瞬間だった――。

「第2の森友学園問題」。巷(ちまた)でこう呼ばれているのが、学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)に関する疑惑だ。同学園運営の岡山理科大学が愛媛県今治市で獣医学部を新設するにあたり、37億円相当の公有地の無償譲渡が行われるのに加え、96億円もの補助金を拠出する予算案が、3月3日の同市議会で可決されたのである。

 この「おいしい」事業を手にした同学園の加計孝太郎理事長(65)が、安倍晋三総理(62)と米国留学時代からの40年来の旧友で、彼が昭恵夫人とも近しいことは本誌(「週刊新潮」)3月16日号で報じた通りだ。

 安倍総理曰く「まさに腹心の友」である加計氏の運営する大学が、無償譲渡および多額の補助金を受けると聞けば、キナ臭さが漂うのは当然とも言えよう。

 そもそも、加計学園の獣医学部新設の前提は、2015年12月、国家戦略特区に今治市が指定されるのが決まったことにあるのだが、

「翌年4月から、文部科学省の役人ふたりが加計学園に天下りしています」

 と、福島氏は説明する。

「そのひとりの木曽功氏(元文部省高等教育局私学部私学行政課長)は、安倍内閣で内閣官房参与を務めていた安倍総理のお友だちと言えます」

■「浪人中の足し」

  さらに、やはり同学園が運営する千葉科学大学では、安倍総理最側近の萩生田光一官房副長官(53)が「小遣い稼ぎ」をしていた。

 萩生田氏は、安倍総理の代理として靖国神社に玉串料を納めるなど重用され、総理の政界における「まさに腹心の友」で、先の日米首脳会談にも同行した。そんな萩生田氏だが、

「09年の総選挙で落選して以降、千葉科学大学危機管理学部で客員教授を務めています」(政界関係者)

 本誌で度々指摘してきたように、彼には「放言癖」があり、とても危機管理に向いているとは思えないが、それはさておき、萩生田氏はかつてこう「自白」している。

〈「浪人中でも『客員教授』なら、心理的な落ち着きを感じる。当時の落選組のトレンドだった」。(中略)給与は月10万円。「浪人中の足しになった。助かった」〉(13年7月1日付朝日新聞)

 当の萩生田氏は本誌の取材にこう答えた。

「私は文部科学大臣政務官を務めたことがあり、その当時、加計さんと知り合いました。安倍さんと親しいということは、後になって偶然知りました」

 しかし現在、同学の学長には、先に触れた木曽氏が就任している。千葉科学大学に参集した安倍人脈。これを「偶然」の縁と言い切るのは、些(いささ)か「非科学」的にも思えるのだが……。

 今春、「学園ドラマ」からはまだ目が離せない。

「週刊新潮」2017年3月23日号  特集「『森友学園』の魑魅魍魎」より

 

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出るわ出るわ、安倍疑惑。

2017年03月21日 | 社会・経済

 週刊現代 2017.3.21

第二の森友学園か!?淡路島「ウワサの土地」と安倍首相との関係
「親友」の学校法人が有利な条件で…

   安倍総理の熱烈な支持者や、親しい友人になれば、どんなムチャな要望も通ってしまうのか―国民の間に今、そんな疑いが広がっている。新たに疑惑が浮上したのは、誰あろう総理の「親友」だ。

アッキーとも仲がいい

   田んぼの中に民家とため池が点在する、淡路島南部ののどかな町、兵庫県南あわじ市。郊外の小高い丘を登ってゆくと、ガラス張りの建物が突如現れる。門扉には何も書かれていないが、何かの銘板が外された痕がある。

建物に目を凝らすと、壁面に溶け込むような目立たない白い文字で、こう書かれていた。

〈吉備国際大学〉

この物件こそ、安倍総理の「親友」、加計孝太郎氏がトップを務める学校法人加計学園グループが、他の民間業者を差し置いて、'12年に「タダ」で建物ごと手に入れたもの。詳細は後述するが、土地・建物をあわせた評価額は30億円近い。森友学園の8億円引きとはケタがひとつ違う――。

   次々と新たな疑惑が噴出し、第一報から1ヵ月が経っても鎮火しそうにない、森友学園スキャンダル。関与を疑われた安倍総理は、野党の追及に対し「私がかかわっているかのような印象操作はやめろ」の一点張りで、苦しい弁明を続けている。

しかし、怪しいのは森友学園だけにとどまらない。こちらの記事(「妻・アッキーの森友学園スキャンダルで安倍「退場」の大ピンチ」)でも報じた通り、加計学園グループにも疑惑の目が向けられているのである。今回、複数の公有地が「格安」どころか「タダ」で同グループに提供されていることが、取材によって明らかになった。

   安倍総理と加計氏は、第二次安倍政権発足以降、ゴルフを4回一緒にプレーし、判明しているだけでも10回食事を共にしている。なお、うち3回は昭恵夫人同席だ。

両者の交友は、30年以上前にさかのぼる。自民党ベテラン議員の証言。

「安倍総理は大学卒業後、アメリカへ留学した時に加計氏と知り合ったと聞いています。加計学園が運営する大学に千葉科学大学(銚子市)があるのですが、この開学記念式典('05年)、そして10周年記念式典('14年)に総理は出席し、『私と加計さんは、どんな時も心の奥でつながっている腹心の友』とまで話している。

   同大学は、日本初の『危機管理学部』を開設したことで有名。拉致問題に熱心な安倍総理が『これからは日本にも危機管理のプロが必要だ』と公言していたのと関係がある、と見る向きもあります」

昨年5月、加計学園グループの学校で最も歴史が古い大学、岡山理科大学の新校舎が完成した際には、安倍総理はビデオレターで祝辞を寄せた。

一方、昭恵夫人は加計学園の運営する神戸市の保育施設「御影インターナショナルこども園」で名誉園長に就任。森友学園の「瑞穂の國記念小學院」では名誉校長だったが、よく似た話である。

市長の完全なトップダウン

   さて、安倍総理・昭恵夫妻と加計氏の親密ぶりをお分かりいただいたところで、冒頭の「疑惑の物件」に話を戻そう。

この場所には、もともと兵庫県立志知高校があった。同高校は、生徒数の減少のため'09年に廃校となり、市内の高校と統合。その後、大阪府に本社があるパチンコ機器メーカーA社が「跡地を買って、工場か倉庫を建てたい」と手を挙げた。同社の関係者が明かす。

「最初は、南あわじ市の担当者が『産業誘致をしたい』という話をウチに持ってきたんです。実は、ウチの社長は南あわじ市の出身で、以前にも『地元に貢献したい』と市内に工場を建てている。その時は、60人の職員採用枠に550人も応募があったので、市としてもその実績を買ってくれたんだと思います。

   市の担当者とは、電話も含めて20回以上相談をしました。向こうは税収と雇用の確保が目的ですから、目標の取り決めもした。購入金額は、上物を壊して工事をすると5億円くらいかかるので、こちらからは『まずは1億円からで、いかがでしょうか』という希望を出していたところでした」

   跡地の広さは、運動場を含めておよそ5.5ヘクタール。評価額は、土地がおよそ10億円、建物がおよそ13億円、そのほかの設備や植栽なども含めれば、しめて30億円程度になる。

   A社が希望した1億円という買い取り金額も高いとは言えないが、購入後に必要となる工事費がある程度評価額から割り引かれることは、森友学園の件でも周知の通りだろう。

ところが、A社と市の交渉が続いている最中に、信じられないことが起きる。'1110月、地元紙の神戸新聞がいきなり、

〈南あわじ・志知高跡地の大学誘致 吉備国際大を候補に〉

と報じたのである。前出のA社関係者が続ける。

「われわれも新聞を読んでびっくりしました。直後に、市の担当者から電話があって『今回の件はなかったことにしてください』と。それっきり、謝罪も何もないですよ」

   吉備国際大学は、加計氏の姉・美也子氏が理事長を務める、加計学園グループの学校法人順正学園が経営する大学で、主なキャンパスは岡山県高梁市にある。当時の中田勝久・南あわじ市長と順正学園は、'11年春から水面下で交渉を始めていたという。

完全にトップダウン、急転直下の決定だった。

補助金をもらいまくり

   岡山の大学のキャンパスが淡路島にできるという点からして、まず首をかしげざるを得ないが、その後も不可解な決裁が続々と下されていった。ある市政関係者が匿名を条件に明かす。

「順正学園に土地をタダで使わせ、建物と設備を無償譲渡して、市が共同で校舎を整備する、という計画書が市長からいきなり出てきた。しかも費用20億円のうち、13億円強を市が負担することになっているうえ、学生が南あわじ市に住民票を移せば、1人あたり30万円まで補助金も出すと。至れり尽くせりですよ。

   計画書に書かれた費用を子細に読むと、『教育・研究設備(図書含む)』に5億円も割かれている。そんなにかかるのか、水増しじゃないか、と訝る声もありました。でも、市議会は自民党が圧倒的多数。市長の言いなりの議員ばかりで、あっという間に通ってしまった」

   高校の建物をほぼ「居抜き」で大学に転用する。リフォーム費用は20億円、ただし13億は市が出す――だから、門扉には高校名の銘板の痕が残っていたというわけだ。体育館や校舎は現在も、ほぼそのまま残っている。

   南あわじ市は、決して裕福な自治体ではない。当時の市税収入は年間およそ60億円。土地と建物をタダで提供するばかりか、税収の6分の1以上を順正学園に補助金として「献上」しようというのだから、異論が出るのも当然である。当時、市議会で反対意見を述べた蛭子智彦市議が言う。

「調べてみると、これまでに順正学園は、高梁市で約60億円、系列の九州保健福祉大学がある宮崎県延岡市でも約90億円の支援を受けています。

市長は、『順正学園は経営状況がいい、一流の私学だから心配ない』と言っていましたが、なぜ200億円も資産を持っている学校法人に対して、カネのない南あわじ市が巨額の支援をしなければならないのか。

工事内容についての資料の開示請求をしても、出てこない。税金から補助金を出しているにもかかわらず、その後明細も公開されていません」

'1210月には、物件の返還を求める監査請求が市民から兵庫県に出されたが、あっさりと棄却。新聞記事が出てからわずか1年半後の'134月、吉備国際大学南あわじ志知キャンパスがオープンした。

   しかし、1学年の定員60名に対し、入学者数は初年度56名、翌年50名、その次が49名、昨年が43名と、オープン以降減少の一途をたどっている。ちなみに就職実績は、「十数人は南あわじ市内の企業に入っているらしいが、パートか正社員かよく分からない。1人だけ市役所職員になったと聞きます」(蛭子氏)。

   要するにこの件、経緯が森友学園への国有地格安売却と酷似しているのだ。加計学園や順正学園の系列校の学生が「安倍総理バンザイ」と言わされているわけではあるまいが、物件提供の過程で、有力政治家の関与など何らかの「力学」が働いた可能性も否定できない。市は改めて経緯を明らかにすべきだろう。

   もうひとつ、加計学園への公有地「無償提供」で注目を浴びているのが、愛媛県今治市に開設予定の、岡山理科大学獣医学部の用地である。約37億円相当の市有地が、やはりタダで学園に渡ることが33日の今治市議会で決まり、波紋を呼んだ。

本誌はこの件に関しても、新事実をつかんだ。まず、なぜ加計学園が獣医学部にこだわるのか、その背景だ。ある大学の獣医学部教授が言う。

「業界では有名な話ですが、加計氏の息子さんは鹿児島大学の獣医学科を出て、その後、加計学園系列の倉敷芸術科学大学で獣医学の講師と副学長を兼任しています。今治市に獣医学部新設を申請する前、加計氏は鹿児島大の獣医学部を視察し、『この程度の設備なら私にも作れる』と自信たっぷりに話していたと聞きます」

   加計学園グループの各法人のトップは、ほぼ加計氏の親族で固められている。こうした事情が、加計氏の経営拡大の戦略に影響を与えたのではないか、と勘繰られてもおかしくない。

   「文科省はこれまで、頑なに獣医学部の新設申請を却下してきました。麻生太郎財務相が議連の会長を務める日本獣医師会も、『これは一学校法人のビジネス拡大だ』と猛反対していたのですが、麻生さんもいつの間にか黙ってしまいました。

通常、大学学部の新設には2年はかかりますが、今回は1ヵ月のスピード認可になりそうです」(前出・獣医学部教授)

どう考えても不自然

   一方で、地元愛媛では、ここにきて潮目が変わり始めているという。ある今治市議が明かす。

192億円の施設整備費を市・県と加計学園で折半する取り決めになっているんですが、県議会の自民党が割れ始めていて、『何で何十億円も出さなきゃいけないんだ』という議員が増えている。

もし県議会で通らなかったら大ごとですよ。市長と県知事の間で話はついた、と聞いてはいますが……」

「教育のため」という大義があれば、そうそう他人から疑われることはない。しかし、仮に加計氏や加計氏の姉が森友学園と同様、文句の付けづらいこの大義を利用して、自らの利益のために動いているのだとすれば、教育者としてきわめてレベルの低い行為だと言わざるを得ない。

下に掲載した写真をご覧いただきたい。

以前、昭恵夫人は加計グループの学校を訪れたことがある。'131115日、系列校の倉敷芸術科学大学の式典に出席した時の様子がこの写真だ。昭恵夫人の右に立っているのが、加計氏その人。

この時も、昭恵夫人には秘書が公費で随行していたはずである。やはり、徹底的に調査のメスを入れるしかない。

「週刊現代」2017325日・41日合併号より

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「テロ等準備罪」を新設する法案が閣議決定

2017年03月21日 | 社会・経済

「テロ等準備罪」 市民グループが官邸前で抗議活動

                                NHK NEWS WEB321 1130

「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する法案が閣議決定されたことに対して、市民団体が「廃案にすべきだ」として抗議活動を行いました。抗議活動は午前8時から総理大臣官邸の前で行われ、主催した市民グループによりますと、およそ300人が集まりました。

    参加した人たちは、雨が降る中、法案が閣議決定されたことに対して、「共謀罪の新設反対」とか、「閣議決定、絶対反対」などと声を上げていました。
集会では、海渡雄一弁護士が、法律が成立すると一般市民も監視され、犯罪行為をしていないのに処罰されるおそれがあるとして、「このような集会も取り締まることが可能になる。絶対に廃案にすべきだ」と訴えました。

   集会に参加した横浜市の60代の女性は「まだ起きてもいない事件について、『あなたも関わっている』と言われたらどうやって疑惑を払拭(ふっしょく)したらよいのでしょうか。このままでは本当に怖い社会になってしまう」と話していました。また、出勤の前に集会に参加したという都内の30代の男性は「多くの人が法案の中身について詳しく知らないのが現状です。抗議活動を行うことで少しでも興味を持ってもらいたい」と話していました。321 1130

「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する法案が閣議決定されたことに対して、市民団体が「廃案にすべきだ」として抗議活動を行いました。

   抗議活動は午前8時から総理大臣官邸の前で行われ、主催した市民グループによりますと、およそ300人が集まりました。
参加した人たちは、雨が降る中、法案が閣議決定されたことに対して、「共謀罪の新設反対」とか、「閣議決定、絶対反対」などと声を上げていました。

    集会では、海渡雄一弁護士が、法律が成立すると一般市民も監視され、犯罪行為をしていないのに処罰されるおそれがあるとして、「このような集会も取り締まることが可能になる。絶対に廃案にすべきだ」と訴えました。

   集会に参加した横浜市の60代の女性は「まだ起きてもいない事件について、『あなたも関わっている』と言われたらどうやって疑惑を払拭(ふっしょく)したらよいのでしょうか。このままでは本当に怖い社会になってしまう」と話していました。また、出勤の前に集会に参加したという都内の30代の男性は「多くの人が法案の中身について詳しく知らないのが現状です。抗議活動を行うことで少しでも興味を持ってもらいたい」と話していました。

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春の作業始まる。

2017年03月20日 | 日記・エッセイ・コラム

 今日も快晴の天気、ですが融雪はそれほど進みません。
最高気温が15℃くらいにならなければ、目立った融雪にはなりません。
今、最高気温は3℃くらい、最低気温は-7℃くらいです。

明日からはまた雪マークがついています。
18日に融雪剤(わたしはコーヒー粕を使っています)をまきました。

 とりあえずハウス廻りとアスパラ畑。
部屋ではすでにセルなどに種まきが始まり、これからしばらくは温度管理が大変です。

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恐ろしい国だ ー安倍自民党の独裁を許してはいけない

2017年03月19日 | 社会・経済

恐ろしい国だ 「首相を侮辱」で証人喚問の横暴と身勝手

               日刊ゲンダイ 2017318

 

 この国は本当に民主国家なのか――。「森友学園」の籠池泰典理事長(64)の証人喚問が、17日正式に決まった。23日に衆参で2時間ずつ話を聞く。

  なぜ国有地が8億円もディスカウントされて「森友学園」に払い下げられたのか、真相を解明するために国会に呼んで経緯を聞くことは結構なことだ。しかし、この決まり方は、どう考えてもマトモじゃない。

  これまで野党が籠池理事長の参考人招致を強く求めても、安倍自民党は「民間人だから」「違法性がないから」などと屁理屈をつけて、かたくなに拒否してきた。ところが、籠池理事長が「安倍首相から100万円の寄付をもらった」――とバクロした途端、「参考人招致」を飛び越え、いきなり偽証罪に問われる「証人喚問」を自分たちから提案したのだから信じられない。「証人喚問はバタバタと決まった。100万円発言が飛び出した後、自民の竹下国対委員長が急遽、公明の大口国対委員長と会っています。100万円発言に慌てたのは間違いない。『籠池理事長とは個人的な関係はない』という安倍首相の国会答弁が崩れてしまうからでしょう。このまま籠池理事長を放置したら何を口にするか分からない、偽証罪に問われる立場に追い込んだ方が口をふさげると考えたに違いありません」(政界関係者)

 常軌を逸しているのは、自民党が証人喚問を提案した理由だ。竹下国対委員長は「総理に対する侮辱だからしっかり受け止めなければならない。籠池氏をたださなければいけない」と堂々と口にしたのだから完全に正気を失っている。安倍首相を侮辱したから証人喚問なんて、この国は一体どこの独裁国なのか。総理に逆らった途端、国会に呼び、つるし上げるなんて北朝鮮と同じである。

  弁護士の小口幸人氏がこう言う。

 「参考人招致と違って証人喚問は出席を拒否できない。発言を強要する制度です。いきなり民間人を証人喚問するのは乱暴すぎる。しかも、総理を侮辱したから呼ぶとはムチャクチャです。これって戦前の不敬罪と同じですよ。対象が天皇から安倍晋三に変わっただけです。恐ろしいのは、自民党の国対委員長が自分の発言の異様さに気づかず、自民党内からも批判が上がらないことです。自民党は一線を越えはじめています」

だったら昭恵夫人の国会招致も必要だ

  安倍自民党が露骨なのは、野党は「森友問題」の解明のために6人の「参考人招致」を求めているのに、籠池理事長を除く5人については、絶対に応じようとしないことだ。

  本来、参考人招致も証人喚問も、真相解明のために行われるものである。真相を解明するためには、関係者を全員、国会に呼ぶしかない。なのに、籠池理事長の「証人喚問」を提案しておきながら、残り5人については「参考人招致」にも応じないのだから、真相解明が目的ではなく、籠池理事長に対する“懲罰”なのは明らかだ。

 「森友問題の焦点は、①なぜ財務省は国有地を8億円も安く払い下げたのか②なぜ大阪府は、財務面でも教育内容も問題だらけの学校法人と認識しながらスピード認可したのかの2点です。疑惑を解明するためには、当時、財務省の理財局長だった迫田英典国税庁長官と、松井一郎大阪府知事の参考人招致は欠かせない。と同時に、籠池理事長は、昭恵夫人を通じて安倍首相から100万円を受け取ったと証言しているのだから、昭恵夫人の招致も不可欠です。籠池理事長と一緒に、3人を国会に呼べば、少しは真相が見えてくるでしょう。ところが、籠池理事長1人しか呼ばない。安倍自民党のやっていることは、証人喚問の私物化ですよ。安倍首相の意向に従って誰を証人喚問するかが決まる。もう、この国は民主国家とは呼べなくなっています」(政治学者・五十嵐仁氏)

 1強体制を築いた安倍首相は、どんどん独裁を強めている。二言目には「私が最高責任者だ」と言い放ち、最近は、野党が気に入らない質問をすると「その質問はやめていただきたい」と答弁拒否する始末だ。自民党議員も、安倍首相が演説すると北朝鮮の人民のように一心不乱に拍手を送っている。

 安倍首相に逆らった籠池理事長の「証人喚問」は、国民を愚弄するオレ様政権の正体がむき出しになったものだ。

 ■籠池喚問で幕引きとはならない

  安倍自民党は、籠池理事長を国会に呼ぶことで「森友問題」に幕を引き、籠池理事長も抹殺するつもりだ。

 「証人喚問をする自民党の狙いは、籠池理事長から“嘘”を引き出すことです。国民に『やっぱりあの男は嘘つきだ』という印象を植えつけることで、森友問題を終わらせるつもりです。場合によっては偽証罪で告発してもいいし、『告発するぞ』と脅して黙らせてもいいと考えているようです」(霞が関関係者)

しかし、証人喚問することによって「森友問題」が終息し、籠池理事長が口を閉ざすと思ったら大間違いだ。

  安倍首相にハシゴを外されたと不満を強めている籠池理事長は、“返り血”覚悟でケンカするつもりでいる。途中まで「安倍首相、昭恵夫人からしていただいたことは何もない」とかばっていたが、安倍首相が国会で「しつこい」と籠池理事長を罵倒したのを聞いて、吹っ切れたという。17日も、昭恵夫人から籠池夫人に「幸運を祈ります」という意味深なメールが16日に届いたとバクロしている。「幸運を祈ります」とは、「幸せな人生を送りたいなら分かっていますね」という脅しだろう。

  立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。

  「安倍自民党が、籠池理事長ひとりを悪者にしようとしても、国民の多くは、国有地が8億円もディスカウントされたのは籠池理事長ひとりの力ではない、と分かっています。籠池理事長も『小学校をつくりあげようとしたのは、皆さんのご意思があってこそ』と口にしている。教育方針に賛同した勢力が小学校新設のために力を貸したのは間違いない。名誉校長を引き受けた昭恵夫人も、そのひとりでしょう。事件の核心は、国民の財産である国有地が不自然な経緯で8億円も安く売られていたことです。安倍首相に近い仲間内で国有地が私物化されていたのではないか、と国民は疑っている。簡単に森友問題を忘れるはずがありません」

 安倍首相に逆らった籠池理事長が「証人喚問」され、彼ひとりが悪党にされて一件落着となったら、この国の民主主義は本当に終わってしまう。

  沖縄では米軍基地の新設に反対する市民のリーダーが、不当に長期間、身柄を拘束される恐ろしい事態が起きている。このまま安倍自民党の独裁を許しては絶対にいけない

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追い詰められる安倍首相

2017年03月18日 | 社会・経済

追い詰められる安倍首相「4月内閣改造」で局面打開画策か

                                                                                    2017318

  新たに発覚した南スーダンPKO部隊の日報データ隠蔽で、16日、稲田防衛相が国会で袋叩きに遭った。森友学園問題での虚偽答弁もあり、稲田大臣は即刻辞任が当然なのだが、「特別防衛監察」の実施でお茶を濁そうとしている。菅官房長官も稲田大臣の進退について「全く考えていない」と相変わらず擁護の姿勢だった。

  ところが、である。安倍首相は早晩、稲田大臣を切るつもりらしいのだ。局面打開策として安倍官邸が、「内閣改造」の前倒しを考えているという。

 「実は稲田防衛相については、2月の日米首脳会談で米国側から『交代させろ』と言われていたらしい。稲田さんと会談したマティス国防長官が『あれで大丈夫なのか』と、カウンターパートとして不安に思ったようです。共謀罪でマトモに答弁できなかった金田法相とセットで代えることになりそうです」(官邸事情通)

  “引責辞任”を改造で隠すのは安倍内閣の常套手段だが、改造の時期は早ければ新年度予算成立後の4月で、共謀罪法案の審議入り前。もしくは5月の連休明けが想定されている。菅官房長官と麻生財務相以外のほぼ全員を代える大幅改造になる可能性が高いという。

「米国の新体制に合わせ、通商交渉の当事者である世耕経産相や山本農水相も交代でしょう。岸田外相の交代もありうる。安倍首相は代わりに甘利明、下村博文、小渕優子の3人を再入閣させたいようです。昨年の参院選で勝利したので、禊は済んだと思っている。特に小渕さんについては、女性閣僚の人材難が根底にある。安倍首相は『高市総務相も代えたいが、女性の入閣候補がいない』と嘆いています」(自民党関係者)

  ご都合主義の“お友達改造”ではイメチェン狙いの局面打開にはならないだろう。それどころか、森友学園に100万円寄付したという爆弾証言も出て、安倍首相本人が一番追い込まれている。改造どころか、総退陣が先じゃないのか。

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原発避難者訴訟-東電は巨大津波を予見できたのに対策を怠った

2017年03月17日 | 社会・経済

 東京電力福島第1原発事故に伴い、福島県から群馬県に避難した住民ら45世帯137人が東電と国に約15億円の損害賠償を求めた訴訟で、前橋地裁(原道子裁判長)は17日、東電と国に3855万円の支払いを命じる判決を言い渡した。原発事故全国弁護団連絡会によると、同様の集団訴訟は全国20地裁・支部で約1万2000人が起こしており、今回が初めての判決。

 原告は避難指示区域からの避難者が6割、自主避難者が4割。いずれも国の審査会が示した「中間指針」に基づいて東電から一定額の慰謝料を受け取っているが、「古里を奪われた被害の実態に見合っていない」として、1人一律1100万円を求めて2013年9月から順次提訴した。

 第1原発は11年3月11日に10メートル超の津波に襲われ、全ての電源を喪失し事故が発生した。裁判の主な争点は、(1)東電や国は津波を予見し、事故を回避できたか(2)国が東電に安全対策を取らせる規制権限があったか(3)国の指針に基づく東電から避難者への賠償額は妥当か--の3点だ。

 原告側は、政府の地震調査研究推進本部が02年に「福島沖でもマグニチュード8級の津波地震が起こりうる」と示した「長期評価」や、この予測をもとに東電が08年、想定津波を最大15.7メートルと試算した点から「東電は巨大津波を予見できたのに防潮堤建設などの対策を怠った」と指摘。国についても「津波対策を取るよう東電に命令しなかった」として対応は違法だったと主張した。

 これに対し、国や東電は「長期評価は確立した科学的知見とは言えず、巨大津波は予見できなかった」と反論。国の中間指針を超える新たな賠償は必要ないとも主張していた。

 原発事故を巡っては、東電の旧経営陣3人が業務上過失致死傷罪で強制起訴され、刑事裁判でも責任が問われている。【尾崎修二】

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恥知らず内閣は確実に飛ぶ

2017年03月16日 | 社会・経済

予想もしなかった籠池泰典理事長と 「日本会議の研究」の著者・菅野完氏がつながった。ますます目が離せない。


“籠池爆弾”の破壊力…この恥知らず内閣は確実に飛ぶ

                                                      日刊ゲンダイ 2017年3月16日

稲田防衛相の大ウソと籠池一家の本当の関係

 悲願の小学校の認可申請取り下げで、おとなしくなるようなタマじゃなかった。15日上京した「森友学園」の籠池泰典理事長(64)が向かった先は“不倶戴天の敵”の家。 「日本会議の研究」の著者・菅野完氏(42)の単独インタビューに応じるためで、詰めかけた大勢の報道陣を前に、菅野氏は「籠池さんの持ってはるモンが全部出てきたら、内閣が2つ飛ぶ」と不敵な予言だ。幕引きを図ったはずが、想定外の2次ラウンドに突入─―。籠池爆弾の破壊力に、裏切りの「恥知らず」たちは一様に、青ざめている。

 籠池理事長を最も怒らせているのが、稲田朋美防衛相だ。ブチ切れるのも無理はない。

「10年前から会っていない」「法律相談は受けていない」「裁判に出廷したことはない」――。弁護士時代の籠池氏との関係について、息を吐くように嘘をつき続け、証拠を突き付けられると、「夫の代わりに出廷したことを確認できた」「記憶に基づいて答弁をしたものであって、虚偽の答弁をした認識はない」とこの期に及んで居直る。

菅野氏は「人として美しくない」とバッサリだったが、この稲田の言い訳も限りなく「大嘘」に近い。

 弁護士の小口幸人氏がこう言う。

「『夫の代わり』というのは疑問です。夫の龍示氏が本来の担当なら、第1回の口頭弁論に本人が出廷しないのは不可解です。なぜなら第1回の期日は、裁判所が必ず原告の訴訟代理人と日程を調整して決まります。原告の代理人が日程が合わずに出廷できないなんて通常あり得ません。しかも、04年に森友学園と顧問契約を結んで最初の訴訟です。他の弁護士に任せるような失礼なことをするでしょうか」

 しかも籠池氏は、稲田とは父親の代から家族ぐるみの付き合いのようだ。父親の椿原泰夫氏(昨年10月に死去)は元高校教諭で、京都のヘイト団体「頑張れ日本!全国行動委員会」の代表も務めた根っからの極右思想の持ち主。関西保守系では有名人だった。12日に動画サイトに公開された菅野氏とのインタビューで、籠池氏はこう語っていた。

「教育関係の人間ですから、お嬢さん(稲田大臣)より、椿原泰夫先生の方が昵懇だった。ある時期までは」

 籠池氏に「お嬢さん」と呼ばれる稲田。弁護士や政治家としてやってこられたのも、父親や籠池氏の“助け”があってこそではないのか。まるで汚物を振り払うかのように“旧恩の人”を突き放す卑劣な態度は、大臣の資質ウンヌン以前に、人間失格だ。

 ■政権の思惑に乗っかり、籠池一人を悪者にしようとした大メディアの右往左往

 大メディアの報道もひどい。籠池理事長がきのう午前11時前に東京・羽田空港に到着すると、パパラッチのように追跡を開始。

 日本外国特派員協会での会見を中止し、菅野氏の自宅に入ると、記者やキャスターが何十人も自宅前に押しかけ、代理人状態の菅野氏に「会見は中止か、延期か」と激しい形相で詰め寄った。

 だが、ちょっと待って欲しい。確かに籠池氏はウルトラ右翼の言動を繰り返す“大阪の怪しげなオッサン”だ。しかし、本質はそこではない。矢面に立った菅野氏が「マイクを向ける相手が違う」「ホンマ悪いヤツを追いかけた方がええ」と忠告したように、疑惑を覆い隠そうとする権力者たちの闇を追及するのがメディアの仕事のはずだ。

 元NHK政治記者で評論家の川崎泰資氏がこう言う。

「マスコミは籠池氏を追いかけ回し、彼の一方的な主張をタレ流しています。恐らく、キャラが濃く、視聴率が稼げるので“おもちゃ”にしようとしているのでしょうが、そんな報道を見て『しめしめ』と一番喜んでいるのは安倍政権だと思う。政と官をまたぐ一大疑獄になる兆しがある大事件なのに、ワイドショーネタに矮小化されて伝えられているからです。果たして政治家の“口利き”があったのか、あったとすれば誰なのか。報道機関として調べることが山のようにあるはず。本質を突くのがジャーナリズムの本来の役目なのです」

 先週の会見で籠池氏は「あまりにもひどくえげつない報道」と大メディアに恨み節だったが、それも「むべなるかな」という気がしてくる。

 ■黒幕と名指しされた松井知事と財務官僚がやったこと

「私学審議会を曲げたのはこの男」――。菅野氏が顔写真入りの用紙を掲げ、名指しで批判したのは、まず日本維新の会代表の松井一郎大阪府知事だ。

 府の私学審議会は15年1月、籠池理事長が開校を目指した小学校を「認可適当」と判断。当時は府教育長に認可権限が移る前で、松井が権限を保持していた。その1カ月前の審議会では、財務面も教育内容も森友は問題だらけとの懸念が噴出。その悪評が一転してのスピード認可だった。

 松井は「(申請者が)教育者なので性善説に立っていた」と被害者ヅラだが、籠池氏の要望を受け、12年4月に私立小の設置基準を緩和したのも松井だ。その後、私立小の設置申請は森友1件のみ。結果的に森友のための規制緩和となっている。

 ちなみに、籠池氏の要望は橋下徹氏が府知事だった11年に出された。維新を除名された上西小百合衆院議員は〈私が国会議員になった4年前、維新から「塚本幼稚園」を視察してその素晴らしさを広めろと命じられた〉と明かしている。

 橋下・松井コンビに率いられた維新は、籠池氏と“一心同体”同然なのに、今さら橋下も松井もスピード認可の背景に「国の圧力があった」と口を揃える。醜悪な責任逃れの上、大阪府は籠池夫妻の刑事告発まで検討している。

「石原都政でさえ躊躇した、教育現場での国旗掲揚と国歌斉唱の義務を条例化し、違反した教員を懲戒の対象としたのが、橋下・松井コンビです。籠池氏の極右教育への共鳴も納得で、手のひら返しはそれこそ『徳目』に反します。これで捜査当局が動き出せば、あからさまな“口封じ”。橋下・松井府政ならぬ“腐政”の約10年間で、大阪では北朝鮮さながらの恐怖政治がまかり通るようになったのでしょうか」(政治学者・五十嵐仁氏)

 もう一人の“黒幕”も忘れてはいけない。菅野氏に「森友問題の発端をつくったのは、この男」と名指しされた迫田英典国税庁長官である。昨年3月、籠池氏が国有地の買い入れ要望を提出した当時、財務省理財局長として、国有財産の売買を決裁する重要ポストに就いていた。

 近畿財務局が問題の国有地を8億円引きのディスカウント価格で、森友側に売却したのは昨年6月20日。迫田氏が国税庁長官に“栄転”したのは、その3日前だ。国有地売却の事実上の決裁者は、迫田氏と見なすのが妥当である。

 ■そもそも、官僚が便宜を図った動機は何か

 迫田氏は一昨年の人事で、82年入省同期の福田淳一氏が次期事務次官最有力ポストの主計局長に就くまで、福田氏と次期次官レースを争っていた。国有地払い下げの手続きが着々と進められた時期とちょうど重なる。
 また、消費税増税が宿願の財務省にとって、手続きが進んだ2014~16年は過去に例がないほど“惨敗”続き。安倍首相はこの間、増税時期を2度延期した。

「経産省出身の今井尚哉首相秘書官が、菅官房長官と一緒に官邸を牛耳る安倍政権は“経産省政権”と揶揄されるほど。当初、売却額さえ非公表にし、破格の激安価格で国有地を払い下げた過程は異例続き。前例踏襲が習性の官僚機構としては、あまりにも不自然なプロセスは、“財務省の組織を挙げた巻き返し”と考えれば腑に落ちます。首相夫人が名誉校長を務める学校法人に便宜を図って、政権に恩を売る意思が働いた可能性は十分にあり得ます」(五十嵐仁氏=前出)

 真相究明には松井知事と迫田氏、黒幕2人の参考人招致が不可欠だ。

 今回の疑惑の核心は、国民の財産である国有地が、安倍首相周辺との関係を強調する学校法人に“タダ同然”で払い下げられた点にある。しかも疑惑の渦中の人物をたどっていくと、ほとんどが安倍につながっていく。

 昭恵夫人が4月に開校予定だった「安倍晋三記念小学校」こと「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長を務めていたのは紛れもない事実だし、学校設置が認可された時の文科相は“お友達”の下村博文自民党幹事長代行だ。私立小の設置基準を緩和し、スピード認可を“後方支援”したとされるのは、安倍と昵懇な仲で知られる大阪府の松井一郎知事。

 おまけに売却交渉のすべてを知っているはずの当時の財務省理財局長の迫田英典国税庁長官は、安倍と同郷の山口県下関市出身で、「総理も俺も長州人」と吹聴しているらしい。籠池氏の訴訟代理人弁護士だった稲田防衛相は、“秘蔵っ子”なんて呼ばれ、安倍のエコひいきで重要ポストを歴任している。さらには、昭恵夫人だけでなく、安倍本人が森友学園の幼稚園で講演を予定していたことも明らかになった。政治評論家の森田実氏が言う。

「今回の国有地の払い下げ問題で複数の政治家や官僚が不可解な動きをしたのは明らかですが、“黒幕”はあくまでも安倍首相です。安倍夫妻が森友学園のバックにいたからこそ、財務省をはじめとする国の行政機関が忖度して動いた。時の権力者の顔色をうかがい、ゴマをすってポイントを稼ごうとするのは官僚の習性です。間接的とはいえ、安倍首相の意向が働いたことを見逃してはいけません」

 森友問題はあくまでも安倍晋三の疑獄なのだ。

 ■籠池、菅野コンビが仕込んでいる爆弾は他にもある

 稲田が弁護士時代に森友の訴訟を担当していた事実を突き付け、国会答弁の嘘を暴いたのも菅野氏だった。

 すでに籠池氏と何時間も膝詰め談判した菅野氏は、稲田の問題以外にも政権を揺るがす爆弾を手にしたはずだ。きのう、都内の自宅で籠池氏と会談する直前には、報道陣にこう話していた。

「爆弾は(稲田の話以外に)あと4つある」

「きょう話を聞いて、さらに7つくらい出てくると思う」

 彼はモノ書きだから、慎重にウラ取りをした上で、信じるに足る事実は発表していくだろう。どんな爆弾が飛び出すのか。安倍官邸は戦々恐々である。

「稲田大臣の他にも、森友学園と関係の深かった政治家の名前が間違いなく出てくる。国会議員から森友サイドにカネが渡っていたという話も流れているし、これには現職の閣僚も関わっているらしい。そんな話が表に出てきたら大変だ。総理に近い代議士の秘書が土地取引で暗躍したという噂もある。4月に予定されている集中審議の前に、何とか森友問題を沈静化させたいのだが、投下される爆弾の内容によっては、今以上に燃え広がってしまいかねない」(官邸関係者)

 これまで菅野氏は森友学園の教育方針を厳しく批判してきた。その菅野氏と籠池氏がまさかのタッグ。この展開は予測不能で、森友の認可申請取り下げで幕引きを図っていた官邸にとっては大きな誤算だ。

「恐らく籠池さんが持ってはるもんが全部出てきたら、内閣が2つ分くらい飛ぶと思うんです。安倍晋三みたいなん、どうでもエエって話になると思う」

 菅野氏は爆弾の破壊力をこう表現していた。事件はこれからが本番だ。

 ■もう収拾不能、破廉恥内閣を待ち受ける悶絶死の運命

 与党の中からも「事態収拾には稲田防衛相の辞任は避けられない」という声が上がり始めていたが、籠池氏が菅野氏に爆弾を託したことで、完全に潮目が変わった。もはや、稲田のクビ程度で収束は無理だ。

「稲田防衛相の辞任は当然ですが、誰が見ても能力不足の彼女に目をかけ、防衛相にまで就けたのは安倍首相です。任命責任は免れない。それ以上に、森友疑惑の背後には安倍政権と極右のいびつな人脈があることが国民に広く知られれば、政権は持ちません。極右思想を共有する仲間内で便宜を図り、甘い汁を吸う。安倍政権がやっていることは国家の私物化です。罷免された韓国の朴槿恵前大統領と構図は変わらない。籠池理事長が本物の愛国者なら、知っていることを洗いざらいブチまけるべきです。この破廉恥政権を倒すことこそが真の国士の役目です」(政治評論家・本澤二郎氏)

   権力に驕って好き放題を続け、保身のためには熱心な支援者も平気で切り捨てる。そういう安倍政治の本質が問われているのだ。安倍に「しつこい」と罵倒され、稲田からも「大変失礼」と非難された籠池氏は、「トカゲの尻尾切りはやめて欲しい」と訴えていたが、渾身の反撃で追い詰められるのはトカゲ本体の方だ。
 何しろ、籠池爆弾は「内閣2つ」吹っ飛ばす威力なのである。安倍政権は確実に倒れる。周囲まで延焼し、現政権の中枢は二度と立ち上がれなくなる。そんな悶絶死も、ロクでもない勢力に支えられてきた安倍政権の宿命なのだろう。自業自得という他ない。

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あなたは月100時間の残業って経験したことがありますか?

2017年03月15日 | 社会・経済

  わたしは、経験ありません。
15年間のサラリーマン生活でも経験したことがありません。
もし経験してたら廃人になっていたかもしれません。
そんな驚くべき数字が議論になっているということ、さらに驚くのは「労働組合」の連合が認めつつあるということ、さらに電通の高橋まつりさんが過労自殺してまだ日にちが経っていないということ。安倍はまつりさんの母親に面会して2度とこのようなことが起きないようにすると約束したばかり。

いやあ、驚きです。

  仕事をしたくてしたくてたまらない人もいるようですが、人間性の多面的な発達を考えるべきでしょう。映画を見たり、読書をしたり、登山をしたり、ジムに通って体力をつけたり、外国語を学んだり、仕事だけがスキルアップではないでしょう。やっかいなことに、ハイスペックな人ほど「元気」、そう、偏狭な発達だった。


 

河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学

「残業規制100時間」で過労死合法化へ進む日本

   日経ビジネスオンライン        2017年3月14日(火)

 

河合 薫(かわい・かおる)
 健康社会学者(Ph.D.)

 

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。


全くもってワケがわからない。

 意味不明。イミフだ。

 これは「日本という病」?あるいは「経営者という病」というべきか。

 しかも、感度が低い。なんなんでしょ。この感度の低さ。

 元・電通社員、高橋まつりさんが自殺に追い込まれた際に、

「月当たり残業時間が100時間を超えたくらいで過労死するのは情けない。会社の業務をこなすというより、自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意識があれば、残業時間など関係ない」

と某大学教授がコメントし、世の中の人はいっせいに批判した(当人は、高橋さんの事件が報じられた同じ日に公表された過労死白書に対するコメントだったとしている)。

「過労自殺した女性を『情けない』と吐き捨てた」

「こういう人たちが労災被害者を生み出している」

「死者にむち打つ発言だ」と。

 そのとおり。こういう人たちが「労災被害者」を生み出しているのだ。

 というのにどういうわけか、“今”「好きで長時間働いてなぜ悪い」「残業を規制するのはおかしい」という意見があちらこちらに飛びかっている。なるほど。あのときは炎上を恐れて言わなかったけど、「100時間超えたくらいで……そのとおりだよ~」と思った人たちが、かなりの数いたってことだ。

 ええ、そうです。残業規制を巡る問題である。

 そもそも「残業の上限を規定して罰則を設ける=働き方改革」ではない。

 厚生労働省によれば、

「『働き方改革』は、一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジであり、日本の企業や暮らし方の文化を変えるもの」

とある。

 長時間労働を日本の文化ととらえれば、一種の働き方改革になるのかもしれないけど、私には単なる法律上の問題としか思えない。

 36協定を抜け道に残業を青天井にしてしまっている企業に、「言ってもわかんないんだったら、罰則をつけるぞ!」と言ってるだけ。

36協定はそもそも青天井ではない

 だいたい、36協定はあたかも「青天井」のように言われているけど、キチンと上限はある。

 「1日」「1日を超えて3カ月以内の期間」「1年」のそれぞれについて、延長することができる協定の期間により、延長可能な時間の限度が定められているのだ(労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準<労働省告示第百五十四号>)。

 労働時間の延長の限度

  しかしながら、この「基準」はいわゆる行政規則。法律や政令のような法的拘束力を有するものではないため、使用者の「任意の協力によって実現されるもの」(行政手続法32条)。つまり、強制できないという弱点がある。また、労使で特別条項を結んでしまえば、延長も可能。そのため、事実上青天井になってしまうというわけだ。

 それがゆえに 、

「んもう~~!経営者、ちゃんとやってよ~!!」

と言ってるだけのこと。

 「過労死」が後を絶たず、うつ病患者も増え続けているので、「言ってもわかなんなきゃ、お仕置きするぞ!」と。本来であれば先の表で定められた時間に関して罰則規定を追加すれば済むだけの話なのだ。

 いったいどこから「100時間」なんて数字が出てきたのか?

 なぜ、経営者は自分の成功体験だけに頼るのか? 

 なぜ、労働時間と健康、労働時間と生産性に関するエビデンスを全く注視しないのか?

 なぜ、痛ましい事件のときには口をつぐんでいた人が、ここぞとばかりに「残業規制はおかしい」と反撃するのか? 

 前置きが長くなった。というわけで、今回は「残業規制はなぜ、必要なのか?」「なぜ、いいじゃん、好きなだけ働いて~」と言えてしまうのか? について、脳内の“突っ込み隊”と一緒に考えてみようと思う。

 では、現段階で明らかになっている「時間外労働の上限をめぐる労使合意の原案」について。焦点となっているのは経団連が主張する「繁忙期月100時間案」を連合が認めるかどうかだが(3月13日夜、「上限100時間」で合意したとのニュースが流れた)、報道によれば、以下のような内容で調整が進められている。

・罰則つきの時間外労働の上限については、「月45時間、年間360時間を原則的上限とする」とする

・繁忙期など特別な事情があれば労使協定の下、年間の上限を「720時間(月平均60時間)」とし、その場合でも、「単月なら月100時間」「2カ月から6カ月間の平均80時間」までは認める

・36協定を結ぶ際には、健康確保措置や時間外労働の削減に向けた労使の自主的な努力規定を設けることを義務づける

・上限規制の在り方について、法改正から5年後に再検討することを、労働基準法の付則に明記する

・退勤から次の勤務開始までに一定の休息時間を設ける勤務間インターバル制度は、普及に向けて事業主に導入の努力義務を課すことを法律などにも明記し、労使双方を含む検討会を立ち上げる

・過労死対策については、メンタルヘルス対策などに関する新たな政府目標を検討する

・職場でのパワーハラスメント防止に向けた対策を労使を交えた場で検討する

フ~ッ……。経団連も経団連なら、連合も連合である……。

 一方で、日本労働弁護団は2月28日緊急声明を発表(「時間外労働の上限規制に関する声明」)した。以下にその内容を要約する。

 使用者団体が繁忙期に『月100時間』や『2カ月平均80時間』までの時間外労働を認めるよう要求し続けることは、多発する長時間労働による過労死・過労自死への反省を欠き、使用者としての責任を放棄するものであり、厳しく批判されなければならない。

 労働者の命と健康を守り、生活と仕事の調和を図ることができるような労働時間の上限規制がなされるべきである。

 裁判所も、月95時間分の時間外労働を義務付ける定額時間外手当の合意の効力が争われた事件(ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル事件)で、「労基法36条の規定を無意味にし、安全配慮義務に違反し、公序良俗に反するおそれさえある」としている。

 また、月83時間分のみなし残業手当の効力が争われた別の事件(穂波事件)では「月83時間の残業は、36協定で定める労働時間上限の月45時間の2倍近い長時間であり、公序良俗に違反するといわざるを得ず」との判決もある。

 日本医療労働組合連合会(医労連)も、

「夜勤交代制労働など業務は過重である。政府案はまさに過労死を容認するもので、断じて容認できない。月60時間が過労死ラインと主張する」

との談話を発表。

 医労連は昨年の3月7日にも記者会見を開き、「(労働時間の)上限規制と、(日勤と夜勤の)インターバル規制を法制化してもらいたい」と訴えた。背景には本コラムでも以前取り上げたとおり(「灰色の“自己啓発残業”へ誘う「過剰適応」の罠)、医師や看護師の過重労働の問題がある。

 残業規制の議論では一切考慮されていないが、同じ労働時間でも夜勤と日勤とでは身体にかかる負担は全く異なる。

 例えば、くも膜下出血で死亡し、2008年に労災認定を受けた看護師の場合、発症前6カ月の平均時間外労働時間は「過労死ライン」と呼ばれる月80時間より短い約52時間だった。しかし、月5回ほどの夜勤の日は20時間近くの連続勤務。つまり、夜勤勤務の負担を考慮しての判決といえる。

 私たちは「労働者」である前に、「人」という霊長類の動物である。1日24時間で成り立つ睡眠や心身のリズムを壊す夜勤は、身体の負担になって当たり前だ。

 つい先日も、ハーバード大学などの共同研究グループが「看護師」の夜勤が心身に与える影響結果を発表した。この調査は、約7万5000人分というサンプル数の多さに加え、1988年から2010年まで22年間も縦断的に行われたもので、信頼性が極めて高い。

 分析の結果、1988年から2010年の22年間に、対象者のうち約1万4000人が亡くなり、うち約3000人は心臓や血管の病気、約5400人はがんだった。

 交代制夜勤のある人は、全く夜勤の無い人よりも死亡率が11%高く、中でも夜勤を6~14年続けている女性は、心臓や血管の病気による死亡率が19%、15年以上続けている人は23%も高かったのである。

 また、この調査では「肺がんによる死亡率が25%」高かったものの、がんと交代制夜勤との関連は確認されなかったと報告している(2007年にWHOの国際がん研究機関は「交代勤務は おそらく発がん性がある」と認定している)。

「そんなに簡単に人は死なないっつーの」

 今回の“働き方改革”で、睡眠を確保するためのインターバル規制が、「事業者に努力義務を課すよう法律に明記する」方向で議論が進んでいることは実に残念。罰則付きの法制度にするくらい重要な案件なのに、なぜ財界の声は重んじるのに、医療の現場の声は軽視するのか。

 しかも「100時間」の攻防に終始するとは。情けない限りだ。これは「私たち」の健康であり、「私たち」の医療費の増加にもつながる足下の問題だからこそ、科学的な分析結果に基づいて議論すべき。

 国内外を含め多くの研究で長時間労働および深夜勤務と、脳血管疾患若しくは心臓疾患とは強く関連していることが明確に認められている(Liu Y, Tanaka H, The Fukuoka Heart Study Group (2002) ‵‵Overtime Work, Insufficient Sleep, and Risk of Non-fatal Acute Myocardial Infarction in Japanese Men" Occup Environ Med, 59, 447-451.)。

睡眠不足は心身に直接的な影響を及ぼす。その境界線は「睡眠時間6時間未満」

「週労働60時間以上、睡眠6時間以上」群の心筋梗塞のリスクは1.4倍であるのに対し、

「週労働60時間未満、睡眠6時間未満」群では2.2倍

「週労働60時間以上、睡眠6時間未満」群では4.8倍

1日の労働時間が11時間以上・睡眠時間6時間未満は超危険

「11時間超」労働群は「7~10時間」群に比べ、脳・心臓疾患を発症するリスクが2.7倍

心筋梗塞の男性患者195人と健康な男性331人を比較した調査では、「11時間超」群の方が心筋梗塞になるリスクが2.9倍。

 月に20日の労働に100時間の残業と仮定したら、1日5時間の残業になる。

定時勤務が9時~17時と仮定した場合、5時間の残業だと退社は22時。通勤に片道1時間。電車の待ち合わせや着替えの時間を加味し、6時間睡眠を確保すると下記のようになる。

 

 「自由時間」はたった1時間。そう、たった1時間だ。

 人は疲れを取るために寝る。だが、寝て、食べれば疲れが取れるほど単純ではない。テレビをボーッとみたり、雑誌をパラパラめくったり、運動したり、話をしたり、心の休養も必要不可欠。おまけに「疲れは借金」と同じだ。

 完全に回復しないでいると、借金のごとく利子がついて、肩凝り、頭痛、腰痛、気分の落ち込みといった症状に代表される蓄積疲労になる。蓄積疲労はうつなどのメンタル不全につながる極めてゆゆしき状態である。

 それを防ぐには「休む権利」が必要であり、「休ませる法律」を整備する必要がある。

 過労死基準を上回る「100時間」が争点になっているとは……、、いったいどこまで日本の経営者たちも連合も、残酷なんだ。

「エビデンスだのなんだのいうけど、所詮、確率の問題でしょ?そんなに簡単に人は死なないっつーの。だって、オレたちちゃ~んとやってきたも~~ん!」

 こう考えているのだ。

やっかいなことに、ハイスペックな人ほど「元気」

 過労死遺族たちの「過労死をなくそう」という活動がやっと実を結び、2014年に「過労死等防止対策推進法」が制定された。同法により義務づけられた「過労死白書」が昨年初めて発行され、奇しくもその日、高橋まつりさんの事件が報じられ、先の「過労死情けない」発言が炎上した。

 そしていま「100時間を認めないと企業が立ちゆかない。現実的でない規制は足かせになる」とのたまうとは。本当にわけがわからない。過労死のリスクを容認する国っていったいナニ?

 何人の命を奪えば気が済むのか?

 だいたいハイスペックな人たちが「自分」を基準に考えるから、わけがわからなくなるのだよ。ハイスペックな人が経営者になり、経営者には「自由に決められる権利」があるのでハイスペックな結論になる。

 しかも、やっかいなのは、ハイスペックな人ほど「元気」なこと。

 ホワイト・ホール・スタディー。

 「トップは長生きする」という、興味深い結果が得たこの研究は、英ロンドン大学がストレスと死亡率の関係を解明する目的で1967年から継続して行っている疫学研究である。

 このときの被験者は、ロンドンの官庁街で働く約2万8000人の公務員。官庁街がホワイト・ホールと呼ばれることから、ホワイト・ホール・スタディーと称された。

「なぜ、トップは長生きなのか?」

 そのメカニズムを解明するために1985年に始まったのが、冠状動脈疾患疫学の医師でもあるロンドン大学のM.マーモット教授らの第2期ホワイト・ホール・スタディー。そこで明らかになった一つのカギが、「自分の人生・暮らしを自分でコントロールすることができるかどうか」。つまり、トップが長生きする謎は、彼らが持つ「裁量権にある」としたのである。

 仕事の要求度が高くても裁量権があると、「要求度=モチベーション」となる。だが、裁量権のない状態では、要求度がそのままストレスとなり、心身の不調につながっていく。

 裁量権には「休む自由」も含まれるので、休みを入れたり、集中したり、と自分の都合でギアチェンジできる。だが、その自由がない一般の社員にはムリ。だいたいトップや上司の都合で、コロコロ要求を変えられる一般の社員に、残業の自由度もなにもあったもんじゃない。

 おまけに「週50時間以上働くと労働生産性が下がり、63時間以上働くとむしろ仕事の成果が減る」というエビデンスを得たディスカッションペーパーも存在する(The Productivity of Working Hours .John Pencavel)。

 それでも100時間。100時間にこだわる。なぜ「100時間」にこだわるのか、そのエビデンスを示して欲しいくらいだ。

 企業の生産性が低下したときの、アリバイ作りか?なんて疑念すら抱きたくなる。

 ハイスペックなスーパー仕事人が、60代で心筋梗塞などで突然死すると、

「好きな仕事していたのだから……。本人は幸せだったでしょ」

と家族は悲しみに折り合いをつけようとすることがある。

 私の知人もそうだった。まだ、62歳。子どもが就職し、お嬢さんが結婚し、これからというときに突然亡くなった。直前までバリバリ仕事をしていたのに、亡くなった。やはり心筋梗塞だった。

 「長時間労働は命を削る悪しき働き方」「休息をとったほうが効率があがる」との常識が社会に浸透していたら、家庭人としての幸せが待っていたはずなのに。

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忘れるな!第一次安倍政権時に地震対策拒否。

2017年03月14日 | 社会・経済

町内で不幸がございまして、これから明日夕方までお手伝いです。
昨日、今日と雲一つない快晴の天気です。
気温も10℃を超えるようです。
でも最低気温も―10℃を超えているので、それほど融雪は進みません。

両隣の家ですが、住んでいません。


忘れるな!福島原発事故の主犯は安倍晋三だ!
第一次政権時に地震対策拒否、事故後もメディア恫喝で隠蔽…

 

                  リテラ 2017.03.11

「東日本壊滅」の危機さえあった福島第一原発の重大事故から6年。原発の恐ろしさは忘れ去られ、いまも被災地が抱えている過酷な現実がどんどんなかったことにされようとしている。

 3月11日の今日、この問題をもう一度、見つめ直してほしいと思わざるを得ないが、原発事故をめぐっては、もうひとつ、日本国民が絶対忘れてはいけない重大なことがある。それは、そもそもこの原発事故の“戦犯”は、安倍晋三であるということだ。

 実は、安倍首相は、第一次政権時の2006年、国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性を指摘されながら、「日本の原発でそういう事態は考えられない」として、対策を拒否していたのだ。だが3.11の後、安倍氏は当時の民主党菅政権の事故後対応のまずさを攻撃することで、また、事実を追及するメディアを「捏造だ!」とがなりたてることで、自らの重大責任を隠匿してきたのだ。

 その結果、ほとんどの国民は、そもそも原発事故に安倍首相が関わっていること自体、知らない状態におかれてきた。

 ならば、本サイトはこれから安倍首相がその責任をとらないかぎり、その事実をずっと言い続けていかなければなるまい。

 本サイトはサイトを開設して最初に迎えた3月11日という日(2015年)に、この安倍氏のフクシマにおける大罪、そして、その責任逃れのために行ってきた数々のメディア圧力を明かした記事を配信した。昨年の3月11日にはそれを再録したが、今年ももう一度、その記事をお届けしようと思う。

 書かれていることはすべて客観的な事実だ。私たちがいかに真実から遠ざけられ、騙されているかをぜひ知ってほしい。

(編集部)

********************

 故郷に帰れない多くの被災者を生み出し、放射性物質を広範囲にまき散らし、作物を汚染し、今も国土や海を汚し続けている福島原発事故。

 だが、この国家による犯罪ともいえる重大な事故をめぐって、ほとんど語られてこなかった事実がある。それは、現内閣総理大臣である安倍晋三の罪についてだ。

こういうと、安倍支持者はおそらく原発事故が起きたときの首相は民主党の菅直人じゃないか、サヨクが安倍さん憎しで何をいっているのか、というだろう。そうでない人も、原発を推進してきたのは自民党だが、歴代の政権すべてがかかわっていることであり、安倍首相ひとりの問題じゃない、と考えるかもしれない。

 だが、福島原発の事故に関して安倍首相はきわめて直接的な責任を負っている。第一次政権で今と同じ内閣総理大臣の椅子に座っていた2006年、安倍首相は国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性を指摘されながら、「日本の原発でそういう事態は考えられない」として、対策を拒否していたのだ。

 周知のように、福島原発の事故は津波によって全電源が喪失し、原子炉の冷却機能が失われたことが原因で、政府や電力会社はこうした事態を専門家さえ予測できない想定外のことだったと弁明してきた。

 しかし、実際にはそうではなく、原発事故の5年前に、国会質問でその可能性が指摘されていたのだ。質問をしたのは共産党の吉井英勝衆院議員(当時)。京都大学工学部原子核工学科出身の吉井議員は以前から原発問題に取り組んでいたが、2006年から日本の原発が地震や津波で冷却機能を失う可能性があることを再三にわたって追及していた。3月には、津波で冷却水を取水できなくなる可能性を国会で質問。4月には福島第一原発を視察して、老朽化している施設の危険性を訴えていた。

 そして、第一次安倍政権が誕生して3カ月後の同年12月13日には「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」を政府宛に提出。「巨大な地震の発生によって、原発の機器を作動させる電源が喪失する場合の問題も大きい」として、電源喪失によって原子炉が冷却できなくなる危険性があることを指摘した。

 ところが、この質問主意書に対して、同年12月22日、「内閣総理大臣 安倍晋三」名で答弁書が出されているのだが、これがひどいシロモノなのだ。質問に何一つまともに答えず、平気でデタラメを強弁する。

 まず、吉井議員は「原発からの高圧送電鉄塔が倒壊すると、原発の負荷電力ゼロになって原子炉停止(スクラムがかかる)だけでなく、停止した原発の機器冷却系を作動させるための外部電源が得られなくなるのではないか。」という質問を投げかけていたのだが、安倍首相はこんな答弁をしている。

「外部電源から電力の供給を受けられなくなった場合でも、非常用所内電源からの電力により、停止した原子炉の冷却が可能である。」

 吉井議員はこうした回答を予測していたのか、次に「現実には、自家発電機(ディーゼル発電機)の事故で原子炉が停止するなど、バックアップ機能が働かない原発事故があったのではないか。」とたたみかける。

 しかし、これについても、安倍首相は「我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はなく、また、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた事例はない。」と一蹴。

 これに対して、吉井議員はスウェーデンのフォルスマルク原発で、4系列あったバックアップ電源のうち2系列が事故にあって機能しなくなった事実を指摘。「日本の原発の約六割はバックアップ電源が二系列ではないのか。仮に、フォルクスマルク原発1号事故と同じように、二系列で事故が発生すると、機器冷却系の電源が全く取れなくなるのではないか。」と糾した。

 すると、安倍首相はこの質問に対して、こう言い切ったのである。

「我が国の原子炉施設は、フォルスマルク発電所一号炉とは異なる設計となっていることなどから、同発電所一号炉の事案と同様の事態が発生するとは考えられない。」

 吉井議員が問題にしているのはバックアップ電源の数のことであり、原子炉の設計とは関係ない。実際、福島原発はバックアップ電源が全部ダメになって、あの深刻な事故が起きた。それを安倍首相は「設計が違うから、同様の事態が発生するとは考えられない」とデタラメを強弁していたのだ。

 そして、吉井議員がこの非常用電源喪失に関する調査や対策強化を求めたことに対しても、安倍首相は「地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、(中略)経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。」と、現状で十分との認識を示したのだ。

 重ね重ね言うが、福島原発が世界を震撼させるような重大な事故を起こした最大の原因は、バックアップ電源の喪失である。もし、このときに安倍首相がバックアップ電源の検証をして、海外並みに4系列などに増やす対策を講じていたら、福島原発事故は起きなかったかもしれないのだ。

 だが、安倍首相はそれを拒否し、事故を未然に防ぐ最大のチャンスを無視した。これは明らかに不作為の違法行為であり、本来なら、刑事責任さえ問われかねない犯罪行為だ。

 ところが、安倍首相はこんな重大な罪を犯しながら、反省する素振りも謝罪する様子もない。それどころか、原発事故の直後から、海水注入中止命令などのデマをでっちあげて菅直人首相を攻撃。その罪を民主党にすべておっかぶせ続けてきた。

 その厚顔ぶりに唖然とさせられるが、それにしても、なぜ安倍首相はこれまでこの無責任デタラメ答弁の問題を追及されないまま、責任を取らずに逃げおおせてきたのか。

 この背景には、いつものメディアへの恫喝があった。

 実は、下野していた自民党で安倍が総裁に返り咲いた直後の2012年10月、「サンデー毎日」(毎日新聞社)がこの事実を報道したことがある。1ページの短い記事だったが、本サイトが指摘したのと同じ、共産党の吉井英勝衆院議員(当時)の質問主意書に対して安倍首相が提出した答弁書のデタラメな内容を紹介。吉井議員のこんなコメントを掲載するものだった。

「いくら警告しても、マジメに対策を取らなかった安倍内閣の不作為は重大です、そんな安倍氏が総裁に返り咲いて首相再登板をうかがっているのは、本人も自民党も福島事故の責任を感じていない証拠でしょう」

 ところが、これに対して、安倍は大好きなFacebookで、こう反撃したのだ。

「吉井議員の質問主意書には『津波で外部電源が得られなくなる』との指摘はなく、さらにサンデー毎日が吉井議員の質問に回答として引用した政府答弁書の回答部分は別の質問に対する回答部分であって、まったくのデタラメ捏造記事という他ありません」(現在は削除)

 出た、お得意の「捏造」攻撃(笑)。だが、「サンデー毎日」の報道は捏造でもなんでもなかった。たしかに安倍首相の言うように、吉井議員が質問で外部電源が得られなくなる理由としてあげたのは、津波でなく「地震で送電鉄塔の倒壊や折損事故」だった。しかし、だったらなんだというのだろう。そもそも、吉井議員が問題にしていたのは外部電源が得られなくなる理由ではなく、外部電源が得られなくなった場合のバックアップ(非常用)電源の不備だった。

 吉井議員は質問主意書の中で、バックアップ電源4系列中2系列が機能しなくなったスウェーデンの原発事故を引き合いに出しながら、日本の多くの原発が2系列しかないことを危惧。2系列だと両方とも電源喪失して原子炉を冷却できなくなり、大事故につながる可能性があると指摘した。

 それに対して、安倍首相が「我が国の原子炉施設で同様の事態が発生するとは考えられない」と回答したのだ。福島原発の事故はまさにバックアップ電源が喪失したことで起きたものであり、その意味で「サンデー毎日」の「津波に襲われた福島原発を"予言"するような指摘を、十分な調査をせずに『大丈夫』と受け流した」という記述はまったく正しい。

 もし、質問主意書が地震でなく津波と書いていたら、安倍首相は、バックアップ電源の検証を行って、2系列を海外並みの4系列にするよう指導していたのか。そんなはずはないだろう。

 ようするに、安倍首相は自分の責任をごまかすために、枝葉末節の部分をクローズアップし、問題をスリカエ、「記事は捏造」という印象操作を行っているだけなのだ。

 だいたい、これが捏造だとしたら、メルマガで「菅直人首相の命令で福島原発の海水注入が中断された」というデマを拡散した安倍首相はどうなのか、と言いたくなるではないか。

 だが、こうした卑劣な責任逃れを行っているのは安倍首相だけではない。実は安倍首相の捏造攻撃にはお手本があった。それは安倍の盟友の甘利明・現経済再生担当相がその少し前、テレビ東京に対して行っていた抗議だ。前述した安倍首相のFacebookの投稿はこう続けられている。

「昨年テレビ東京が安倍内閣の経産大臣だった甘利代議士に取材した放送で同様の虚偽報道がされたそうです。

 甘利事務所は強く抗議し、テレビ東京が「質問主意書には、津波で電源を失う危険性についての記述はないにもかかわらず、放送では、その危険性があるかのような誤った認識の下、自民党政権の原子力政策に関する報道を行いました」として、虚偽内容の放送であったことを認め、放送法第4条に基づく訂正放送をしたとのことです

 天下のサンデー毎日がすでに訂正放送を行い、謝罪したテレビ局と同じねつ造をするとは(笑)」

 安倍が「同様の虚偽報道」としているのは、2011年6月18日放送の『週刊ニュース新書』(テレビ東京系)のことだ。同番組は原発事故の責任を検証する企画で、第一次安倍内閣でも経産相をつとめ、原子力行政に深くかかわっていた甘利をインタビューし、その際にやはり吉井議員の質問主意書に対する安倍首相の答弁書の問題を追及した。すると、突然、甘利が席を立って、別室に姿を消した。そして、記者にテープを消し、インタビューを流さないように要求したのである。

 テレ東の記者は当然、その要求を拒否。番組では、甘利議員がいなくなって空席となった椅子を映し「取材は中断となりました」とナレーションとテロップを入れて放送した。

 これに対して、放映後、甘利事務所がテレビ東京に抗議してきたのだ。しかも、テレビ東京が完全謝罪を拒否したところ、甘利は東京地裁にテレビ東京と記者3名を名誉毀損で訴えたのである。

 ちなみにこの法廷では、テレビ東京の記者の意見陳述で、甘利元経産相のとんでもない本音が暴露されている。

 甘利元経産相は別室に呼び出した記者に、「これは私を陥れるための取材だ。放送は認めない。テープを消せ」と何度も恫喝し、それを拒否されると、逆ギレしてこう叫んだのだという。

「何度も言うが、原子力安全委員会が安全基準を決める。彼らが決めた基準を経済産業省は事業者に伝えるだけ。(中略)大臣なんて細かいことなんて分かるはずないし、そんな権限がないことくらい分かってるだろう。(質問主意書への)答弁書だって閣議前の2分間かそこらで説明を受けるだけだ」

「原発は全部止まる。企業はどんどん海外へ出て行く。もう日本は終わりだ。落ちる所まで落ちればいい。もう私の知った事ではない」

 これが、経産大臣として原子力行政を司った人間の言葉か、と耳を疑いたくなるが、この裁判にいたる経緯からもわかるように、甘利サイドの抗議、訴訟のメインは質問主意書の内容が「津波でなく地震だった」という話ではなかった。いきなり質問主意書を持ち出してきたことがルール違反だ、自分の承諾なしにインタビューを放映した、自分が逃げたという印象を与えるような報道をされたことが「名誉毀損にあたる」と訴えてきたのである。

 ただ、それだけでは大義がたたないために、テレ東が番組で、「津波による電源喪失を指摘」と報じていたことをとらえ、今回の安倍首相と同じく「質問主意書には津波のことは書いていない」とついでに抗議したのだ。

 そういう意味で、甘利の抗議と訴訟は明らかなイチャモンであり、スラップ訴訟としか思えないものだった。そもそも、甘利や安倍は吉井の質問主意書に津波のことが書いていないというようなことをいっているが、実際は、津波によって冷却機能喪失の危険性を指摘する記述がある。

 だが、弱腰のテレビ東京は、訴訟を起こされる前になんとかなだめようと、地震を津波と間違えた部分だけを訂正してしまった。その結果、訴訟でもほとんどのところで甘利側の言い分が却下されたが、この枝葉末節の部分をテレ東がすでに間違いを認めているとみなされ、330万円の損害賠償金がテレ東側に命じられた(もちろん、この判決の背景には政治家が起こした名誉毀損訴訟についてほとんど政治家側を勝たせ続けている裁判所の体質もある)。

 しかも、テレ東は現場の意向を無視して控訴を断念。報道そのものが「虚偽」「捏造」だったということになってしまった。

ようするに、安倍首相はこのオトモダチ・甘利が使ったやり口をそのままならって、責任追及の動きを封じ込めようとしたのである。しかも、テレ東がお詫びを出したという結果をちらつかせることで、他のマスコミを封じ込めようとした。

 実際、「サンデー毎日」はさすがにお詫びを出したりはしなかったが、新聞・テレビはすでに甘利のスラップ訴訟で萎縮していたところに安倍の捏造攻撃が加わり、この問題を扱おうとする動きはほとんどなくなった。

 そして、翌年、第二次安倍内閣が発足すると、安倍首相はこれとまったく同じ手口で、自分に批判的なマスコミを片っ端からツブシにかかった。枝葉末節の間違いを針小棒大に取り上げて、「捏造」と喧伝し、批判報道を押さえ込む――。さらに、読売、産経を使って、菅直人元首相や民主党政権の対応のまずさを次々に報道させ、完全に原発事故は菅政権のせいという世論をつくりだしてしまった。

 こうした安倍首相とその仲間たちの謀略体質には恐怖さえ覚えるが、もっと恐ろしいのは、彼らが政権をとって、再び原発政策を決める地位にあることだ。不作為の違法行為によってあの苛烈な事故を引き起こしながら、その責任を一切感じることなく、デマを流して他党に責任を押しつける総理大臣と、我が身可愛さに「もう日本は終わりだ。落ちる所まで落ちればいい。もう私の知った事ではない」と叫ぶ経済再生担当大臣。この無責任のきわみともいえる2人がいる内閣が今、原発再稼働を推し進めようとしているのだ。

 このままいけば、"フクシマ"は確実に繰り返されることになる。

(エンジョウトオル)

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安倍首相,式辞に「原発事故」文言使わず

2017年03月13日 | 社会・経済

   東京都内で11日に開かれた東日本大震災の政府主催の追悼式で、安倍晋三首相は「原発事故」の文言を式辞で使わなかった。追悼式は震災翌年の2012年から毎年開かれ、今回が6回目。昨年までは首相式辞の中で必ず触れていた。(毎日新聞)

 福島知事  安倍首相式辞に違和感 (毎日新聞2017313 )

   政府主催の追悼式で安倍晋三首相が「原発事故」の文言を式辞で使わなかったことについて、福島県の内堀雅雄知事は13日の定例記者会見で、「県民感覚として違和感を覚える。原発事故、原子力災害という重い言葉、大事な言葉は欠かすことができない」と批判した。
 追悼式は震災翌年の2012年から毎年開かれ、昨年まで首相は式辞の中で原発事故について触れていた。
会見で内堀知事は「世界でも例のない過酷な原発事故で甚大な被害を受けた。過去形ではなく現在進行形の災害だ」と指摘した。
県によると、震災と東京電力福島第1原発事故で県内外へ避難している人は、現在も約8万人に上っている。【曽根田和久】

 

    今回は「復興は着実に進展していることを実感します」「福島においても順次避難指示の解除が行われるなど、復興は新たな段階に入りつつある」などと復興の成果を強調した。(共同)

 


戦後レジュームからの脱却、そして今は「原発事故」レジュームから逃れたい思いがひしひしと伝わってくる。

安倍を倒したい!


 

 

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雪解け

2017年03月12日 | 日記・エッセイ・コラム

朝から晴れ渡り+9℃まであがりました。
もう、どこの道にも雪などなくなっていますが我が家の前はまだご覧の通り。
それでも昼を過ぎるとほぼなくなりました。


そろそろ白樺樹液も出てるかなと思い見てきましたがまだでした。
今週の週間天気予報を見ると雪マークはなく、最低気温は―10℃くらいですが、日中の最高気温は+2,3℃。
夜間の気温がまだ低すぎるか。
日中解けても夜間氷り雪解け水がまだ土に沁み込まないのです。

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6年・・・・・

2017年03月11日 | 社会・経済

まだ6年、もう6年・・・
人それぞれだし、思うところもまたそれぞれ。
今朝見たブロ友のケンさんもまた、直接的な被災者ではなかったが、つらい思いをされたようだ。
「被災者」という大雑把な捉え方から、個別的な個々人への対応が、もう6年もたつのだから欲しいものだ。 

 プレハブ仮設住宅に入居している被災者がこの6年間で少なくとも1400人以上死亡していたことが、毎日新聞の調べで分かった。仮設住宅の解消は、国が復興事業をおおむね終了する2020年度までずれ込む見通しだ。
自分に責任があるのなら仕方がない。
自然災害であり、人災でもある。
さまざまな困難にある人々を置き去りにした6年ではなかったか。
力のある者は再興に打ち込んでいる。
でも、力のない者、力を失った者もいること…

【ケンさんのブログより】

十人十色と言うが十人十難の世界は日常から真逆の世界で

自然と涙が溢れ明日から生きていくぞと心に誓った

数ヶ月はご存知のように食べ物を探しながらの生活だった

溢れる情報に耳を傾け涙する毎日が続き

知り合いと合うと男女問わず風呂に1週間2週間入ってないと自慢げに

生きるに一生懸命だった

あれから6年生活は戻ったがまだまだ非日常の生活をしている方々が・・

もう我々だけで良い

語りつくせね出来事に口を閉ざし

心病む多くの方々

追い打ちをかけた放射能

 

2つの記事を紹介しよう。

安倍政権が見捨てた福島・飯舘村から悲痛な叫びを『報ステ』が報道「東京が1mSvなのに、なぜ福島は20mSv?差別でしょ」

                  リテラ  2017.03.10

 

 3.11から明日で丸6年。テレビでは多くの局が東日本大震災の特集を組んでいる。しかし、原発事故の苛烈な実態を報じるものは少なく、なかでも、安倍政権に尻込みしているのか、国の原発政策に対する批判的な報道はほとんど見られない。そんななか、昨日9日の『報道ステーション』(テレビ朝日)では、綿密な取材を通して、国が定める放射線量基準の“ダブルスタンダード”を真っ向から批判した。

 安倍政権は本日10 日、復興推進会議と原子力災害対策本部の合同会議を開き、避難指示地域について、福島第一原発がある双葉町と大熊町の一部を除き、帰還困難区域などを除いた全地域で解除することを決定した。すでに今月末に飯舘村の帰還困難区域を除く全域と、川俣町の一部地域の避難指示を解除することが決まっていた。同時に今月末には「自主避難者」に対する仮設住宅の無償提供などの支援を打ち切る。県が把握する「自主避難者」は、昨年10月時点で1万世帯以上にものぼっている。

 安倍政権による“帰還政策”は待ったなしだ。しかし、解除する避難指示区域は、はたして、人々が容易に生活することのできる場所なのか。

 9日の『報ステ』では、富川悠太アナウンサーが飯舘村から生中継を行った。飯舘村は福島第一原発から約40キロメートルの地点に位置する、農業や畜産業を中心にした村で、事故前には約6000人が住んでいた。原発の補助金は出ていない。事故発生後、すぐには避難指示が出なかったが、原発の爆発で撒き散らされた放射性物質が強い風に乗り大量に浴びた。

 富川アナが立つ場所のすぐ後ろには、おびただしい量の“黒い物体”が山積みになっていた。汚染土を詰めた袋だ。こうした状況が、飯舘村のあちらこちらで見られるという。番組が取材した飯舘村の酪農家・長谷川健一さんは、2011年5月を最後に、家族で別々の場所への避難を余儀なくされた。自宅の前は、除染で削り取られた汚染土が積載したままだ。撤去の目処は立っていないという。

 国は避難指示地域で除染作業を行ってきたが、その基準の毎時0.23マイクロシーベルトは、一般の人の被曝限度である年間1ミリシーベルトから導かれたものだ。ところが、長谷川さんの庭先で線量を調べると、毎時1.2〜1.3マイクロシーベルトを計測。除染基準の約5倍の数値である。なぜ、こんな高い数値が出るのか。長谷川さんは、「山が(放射性物質の)供給元だと私は思う」と語る。実は、飯舘村の約7割を占める山林では除染はほとんど行われていないのだという。

「線量が除染によって下がったという場所は非常に限られた場所なんですね。全体的に下がったということは決していえない」

「現実に土壌の汚染度合いを調べてみても、やっぱり汚染されてるから。それがはたして、われわれがここで牛乳を生産してね、(略)『安心、飲んでみろ』って、そんなこと言えない。やっぱり、これは」

 はたして、これで本当に除染が進んだと言えるのか。国は年間線量が20ミリシーベルト以下になった地域から避難指示を解除するが、これは一般の被曝限度である年間1ミリシーベルトの、実に約20倍の数値だ。しかもこの数値は事故直後、内閣官房参与だった小佐古敏荘東京大学教授が「この数値(年間20ミリシーベルト)を乳児、幼児、小学生に求めることは、私のヒューマニズムからしても受け入れがたい」と涙ながらに訴えて、参与を辞任するきっかけとなった数値でもある。

『報ステ』は、この年間20ミリシーベルトの基準の根拠を取材。そもそも、事故直後に政府が避難指示の基準とした20ミリシーベルトという数値の基準の拠り所は、専門家による国際学術組織・ICRP(国際放射線防護委員会)の勧告だという。番組はフランスに飛び、ICRP副委員長のジャック・ロシャール氏に話を聞いた。すると、ロシャール氏は驚くべき事実を口にしたのだ。

「年間20ミリシーベルトの被曝は長期間続くと安全ではない。ICRPでは『事故後の落ち着いた状況では放射線防護の目安は1〜20ミリの下方をとるべき』と勧告している」

 つまり、もともとICRPは「20ミリ」では危険との認識を示していたのである。実際、同じく『報ステ』が取材したICRPの甲斐倫明専門委員も、「(事故直後の)20ミリというのはある意味で緊急時の数値でしたから、こういう環境回復の段階ではもっと別な数値を選んで、20ミリと1ミリの間のなかで目標値を立てて、1ミリに近づけていきなさい、と」「そういう数値を設定しなさいというのがICRP的な考え方なわけですね」と語っている。

 繰り返すが、帰還基準の20ミリシーベルトは、通常時の年間被曝限度の20倍だ。しかも、ICRPが示していたのは「20ミリ」ではなく「1ミリに近づける」ということだった。『報ステ』はこの“二つの基準値”を「ダブルスタンダードではないのか」と強く疑義を呈したうえで、再び、富川アナのいる飯舘村から生中継する。

もともと農地だったその場所には、汚染土を入れた大量の袋が積み上げられている。袋には「遮」の文字が。これは、汚染土を入れた袋の周りを、通常の土を入れた袋で囲って“壁”をつくっていることを意味する。大量の袋と富川アナの距離は、約10メートルほどだろうか。その状況で、富川アナが線量を計測した。0.77マイクロシーベルト。除染基準の3倍以上の数値だ。そうした環境で、政府は避難指示を解除、自主避難者に対する援助を打ち切るのだ。

 もちろん、今回の避難指示解除で、故郷に戻ろうと考えている人も少なくない。だが、食品売り場を始め、医療や介護施設などのインフラは整っておらず、主な産業である農業や畜産業の再開も、いばらの道だ。当然、健康被害への不安も尽きない。帰りたい、けれど帰れない。そういう人がたくさんいるのだ。

 前述した飯舘村の長谷川さんも、いずれは故郷に戻りたいと考えている一人だ。だが、現段階ではそれは難しいとも吐露する。『報ステ』のなかで長谷川さんはこのように語っていた。

「東京が1ミリ(シーベルト)で、なんでここが福島が20ミリなんですか? まったくの差別でしょ、こんなのは」

「ものすごい私は怒りを覚えますよ。なんでわれわれだけがそうなんだ」

「その尺度はどうやって決めたんですか。だから安全なんですか? 誰もわかりません。それじゃおかしいでしょ」

 飯舘村だけの話ではない。番組では2014年に避難指示が解除された隣の南相馬市高倉も取材し、除染が不十分な場所が少なくないにもかかわらず、国が再除染を渋っている現実があることを伝えた。さらに避難解除基準に内部被ばくが入っていないという点を指摘し、土壌汚染がチェルノブイリの規制区域基準より大幅に高いところがある事実まで見せた。実際、こうした問題は被災地の様々なところで喫緊の課題となっている。

 だが、安倍政権は、差別的な二枚舌で避難指示を解除し、自主避難の支援を打ち切るなど、人々から選択肢を奪うことで強引に“福島の復興”を演出しようとしている。そこに、2020年の東京五輪招致のため「アンダーコントロール」と嘯いた安倍首相の思惑があるのは間違いない。

 福島原発事故から6年。政権の圧力に萎縮しきったテレビメディアからは、年々、震災と被災地そして原発の扱いが小さくなっている。おそらく『報道スーション』のこの報道にも、政府からの圧力が加わるのは確実だろう。

作家の室井佑月は本サイトの連載で、報道の萎縮を防ぐために、タブーに踏み込んだ良い報道をしたメディアやスポンサーには直接電話をして褒めることが大事だと語っていたが、今回の『報ステ』のこうした原発報道の姿勢は支援していく必要がある。そして、安倍政権に対しては、東京五輪で金の無駄遣いをするまえに、なさねばならないことが山ほどあることを、突きつけていかなければならない。 (宮島みつや)

 

『あさイチ』震災特集に柳澤秀夫が苦言!「“震災で離婚減少”は福島の現実と違う」「データで一括りにするな」

                    リテラ 2017.03.10

  東日本大震災から明日で6年が経つ。この時期メディアでは震災関連の番組や特集が多く組まれるが、『あさイチ』(NHK)で、NHK解説委員の柳澤秀夫が自らの番組の報道姿勢に静かな怒りを見せたシーンがあった。

 8日の『あさイチ』(NHK)では震災特集として「データでみる東日本大震災から6年」が放送された。この6年間で、私たちの暮らしの何が変わったのか、そして何が変わらないかを様々な“全国データ”で考察するとういうもの。たとえば、震災直後に増えた被災地のふるさと納税、全ての米で放射性物質の検査をしているのになかなか伸びない福島産の米、復興に程遠い福島県の漁業の実態などが、データで示されていったが、最後に示されたのが“結婚と離婚”のデータだった。

 番組では震災直後に女性が殺到したという大阪にある結婚相談所を取材し、当時流行語となった“震災婚“絆婚”という言葉を紹介。婚姻数は震災翌年には7000件増えたあと、減少したこと、一方、離婚件数も震災前年と比べて1万6000と大きく減少したことなどが“全国データ”で示された。これに対し司会の有働由美子アナが「6年経つと(結婚感に対する)考え方が変わるというか。私は変わりませんけど(笑)」と笑いを取り、コメンテーターの三田寛子も「東北の方々のご苦労も見えてきました」と無難なコメントをするなか、憮然とした表情で苦言を呈したのが解説委員の柳澤秀夫だった。

「一言では言えないね。だって離婚が減っているというのも福島の現実と違う。帰る、帰らないで、いろいろ問題になっている。ひびが入って離婚することが福島の場合には問題になっているくらいなので。全国で大きい目でみるのと、(福島も一緒に)データでくくるのは、正直、違和感がある。くくれない」

 これに対し、フォローするように司会の井ノ原快彦や有働アナが発言するが、しかし柳沢はこう続けた。

「5、6年で現実が見えるものもいいけど、僕は福島出身ということもあって、それはなかなか見えてきませんね。福島の当事者にしてみれば、農作物を作るにしても愚直に、やれることを丁寧に続けるしかないんです」

「(福島の米が)検査されていると知っている人が40 %にも満たない。メディアの側ももう少し考えないといけないということを突きつけられたと思います」

「日常の戻り方が被災地と被災地でない人の差が大きくなっていますよね。僕たちは震災と関係のない日常が戻っていますけど、被災地はそうではありません」

 つまり、柳沢は被災地、特に福島の現状や離婚の実態を“データ”、それも“全国データ”でひとくくりにして欲しくないと、静かな憤りを表明したのだ。その上で、未だ“絆”などと言って、被災地の現実から目を背け、被災地の状況を正確に伝えないメディアにも苦言を呈したのだ。

 柳沢の怒りはもっともだろう。確かに震災以降、福島も含め全国的に離婚率は減っている。しかし甚大な原発事故、そして未曾有の放射能汚染に見まわれた福島に限っていえば、その事情はあまりに特殊だと言わざるをえない。

 親にとって子どもの被ばくは事故直後から現在までもっとも切実な問題だ。今年2月20日に開かれた福島県の「県民健康調査」検討委員会でも、昨年末発表からさらに1人増え、甲状腺ガンまたは悪性の疑いが184人に達したことが発表された。こうした現状もあり、現在も自主避難を続ける親子は多いが、自主避難をめぐり多くの家庭が一家離散、あるいは離婚に追い込まれるケースは少なくない。

 たとえば、自主避難をテーマにした『ルポ 母子避難――消されゆく原発事故被害者』(吉田千亜/岩波新書)では、自主避難した多くの家族の“分断”や“苦悩“が描かれている。

 2人の幼い子どもを連れて避難したものの、夫は仕事のため単身で福島に戻った河井加緒子さん(当時29歳)もその一人だ。母子は事故後、埼玉県の公営住宅で避難生活を始めた。しかし夫からは、避難生活に対する経済的援助は一切なく、放射能のリスクや子どたちへの影響にも無関心だった。

「ある日、夫が河井さんのいないところで「あいつが勝手に避難したんだ」と身内に話していたことがわかった。子どもを守るために避難するのは当然だと河井さんは考えていたが、夫は違ったのだ」

 河井さんはフルタイムの仕事を得ることができたが、小さな子どもたちを抱えどんどん疲弊していき事故後10カ月ほどで離婚を決意したという。

 他にも離婚には至ってはいないが慣れない環境、離散生活で母子ともに体調を崩すケース、夫の両親との意見の違いからなかなか子どもを連れて逃げられない母親、原発事故で失いたくない仕事を捨て、新築したばかりの家を出る。避難先では貯金を切り崩す生活を余儀なくなれる。そのうえ、子どもの幼稚園や学校、進学、そしていじめの問題もある。

 また今週発売の「週刊女性」(3月21日号 主婦と生活者)の被災地特集でも、いまだ続く家族、そして夫婦の亀裂が紹介されている。

「“二重生活は嫌だ”と反対する夫ともめたんです。私は子ども中心で考えたいのに、結局押し切られた」(県外避難がかなわなかった30 代女性)

「夫の親は“爆発からもう5年もたった。安全だ”と言いますが、私は“まだ5年しかたっていない”と言いたい。でも夫との間で放射線に関する話はしません。話せばもめますから」(2人の子どもをもつ30代女性)

 水面下で、しかし着々と進む家族の亀裂。そして放射能の問題を口にすれば離婚しかないという現状。その事情は様々だが、しかしいずれも原発事故がなければ決して起きていなかったはずのものだ。

 しかも今年3月、一部を除く避難区域の解除に伴う帰還事業と、自主避難者への住居の無償提供が打ち切られる方針だ。そうなれば経済的、心理的、そして子どもの健康、教育問題など、これまで以上に様々な問題が避難者たちに大きくのしかかり、追い詰められる家族がさらに増えることは想像に難くない。

 ようするに、この日の『あさイチ』はこうした現実があるのに、「離婚が減っている」などというデータをもちだしていたのだ。無神経としかいいようがない。

 というか、そもそも、震災を語るのに、ざっくりした全国データを意味ありげに並べることにいったいなんの意味があるのか。むしろ、福島をはじめとした被災地がいまも抱える問題に蓋をして、社会を分断させることにしかならない。おそらく、柳沢はそう指摘したかったのだろう。

 もちろんこの問題は『あさイチ』に限ったことではない。震災報道全体、そして社会の空気や政府の姿勢にもいえることだ。震災以降、この国では「絆」「みんなでひとつになろう」「前を向こう」といったざっくりとした美しい言葉をやたら声高に叫んで、震災、原発事故によって起きている過酷な現実をごまかしてきた。

 しかし、いくら言葉で「絆」を強調したところで、問題は解決しない。むしろ、美しい言葉とは裏腹に、現実はどんどんグロテスクになっていく。被災者は隅っこに追いやられ、誰も被災地の問題に見向きもしなくなり、美しい物語からこぼれ落ちたいちばん過酷な状況にある人が、いちばん虐げられ、ものが言えなくなっている。

 震災と原発事故から6年。柳沢の静かな怒りは、私たちはそのことを思い出させてくれたといっていいだろう。(伊勢崎馨)

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