過去に体調不良で仕事が滞り、家族関係も危機に陥ったことがある男性。
その悩みは数回のセッションで解消し、しばらく彼からは連絡が来なかった。
それが、暑くなり始めた頃からまた異常が現れ始めた。
体調がすぐれなくなり、長い時間寝てもスッキリしないのだという。
たまらずSOSの連絡があり、先日対面セッションにやって来た。
以前、彼には『鳥のエネルギーの資格』があると伝えたことがある。
それと同じ系統のメッセージと括って良いかはなんとも言えないが、今回は
『超能力あり』
と伝えてくる。
もっとも、彼はそういう言葉を聞きたい人ではないし、僕もあまり「トンデモ」な話はしたくないので、さらっと話すにとどめた。
セッションが進むにつれ、悩まされ続けた後頭部の鈍い痛みも気にならなくなってきた。
安心した表情での受け答えが見られるようになってくる。
そこへ、
『人に邪魔されずに生きていきたい』
と聞こえてくる。
ああ彼の本音か、と質してみると、数秒の間をおいて
「そう、ですね。」
と口ごもった。
指摘されて楽しい事実ではないだろう。
最近は仕事が多忙を極め、事情あってお客さんからの不意な連絡が増えているところだった。
それを差し置いても、元々の気質として自分のペースで生きたい、過ごしたい、仕事を進めたいという気持ちが強いようである。
生来の個性や育った環境などから大人になってもそういう傾向があることは、仕方のないことのように僕には思える。
しかし、新たな展開は人を通してやってくるものだ。
自分だけのペース、自分だけの世界は風が起きない。
一方、他人が我々の時間とスペースに「お邪魔して」もたらすものは「面倒」でも「無駄な時間」でもない。
それは、極言すれば「現在必要なテーマ」である。
それらを自分の世界に取り込むことで、幅は飛躍的に広がるのだ。
自分のしたいこと優先でセカセカ過ごさずに、人を迎え入れられるようのんびり構えるよう伝えた。
彼の人生は
『まだ始まらずにいる』。
『新しい人物像』がこれから作られる。
「受ける」姿勢を備えることがその準備になる。
具体的に普段どうあればよいか。
『気さくな人になりなさい。』
だという。
今回調子を崩したことで仕事には影響があったが、家族関係にはヒビが入らず良好だったという。
そう話す時の満面の笑みが、人を迎える際にいつもこぼれ出るものならば、思わぬ運命の好転が他所からもたらされ、彼を未知の幸せに連れていくだろう。