友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

芸術家で成功する人は一握り!

2024年02月02日 17時01分07秒 | Weblog

 漫画『セクシー田中さん』の原作者で漫画家・芦原妃名子(あしはら・ひなこ、本名・松本律子)さんの死去は自殺のようだ。私は原作の漫画も、放映されたテレビドラマも見ていないが、真っ先に浮かんだのは凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』だった。

 瀬戸内の小さな島から東京へ出た男の子は、漫画を描く絵描きと出版社の編集者に恵まれ、たちまち頂点に上り詰める。莫大な金銭と地位を得て、次の作品作りに必死に取り組む。頂点を極めても、次を作り出されなければいつしか忘れられていく。

 相棒の絵描きは同性愛者で、高校生だった男子と恋に落ち、その子が卒業するのを待って旅行に出た。それが親にバレ、マスコミに取り上げられて叩かれ、結局は次の作品は生まれなかった。絵描きは精神を病み、主人公の男はアルコール中毒となってしまう。芸術の世界はとても厳しい。

 私は小学校1年の時、写生大会で入賞した。担任の女性教師も母も喜んで、「将来はピカソのような画家になるかも知れない」と期待して、絵画教室へ通わせた。教室で何かを学ぶことはなく、冬はストーヴの上で焼いたサツマイモを食べさせてもらった。中学・高校と進むと、絵よりも文章に関心が生まれ、新聞記者になりたいと思うようになった。

 絵画教室の先生は、大学で教えることになった。私が20歳の時、我が家は破産し、兄は行方不明となり、私は先生の家で住み込みの運転手・家庭教師で食いつなぐことになった。先生のおかげで教育大の美術科に入学し、高校の美術教師にもなれた。先生に仲人をお願いし、結婚式も上げた。人生は何が引き金になるのか分からない。

 父が言っていた。「芸術家で成功する人は、ほんの一握りだ。真面目に生きていれば、人はどこかで報われる」と。父は小説家になりたかったが、小学校の校長で終ってしまった。きっと悔しかったというよりも、これが自分の人生だと受け入れていたのだろう。明日は節分。


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