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九四式二號乙無線機二七號型受信機の修復作業記録 その3 (2016年10月04日)

2016年10月04日 12時57分08秒 | 01陸軍無線機器

九四式二號乙無線機二七號型受信機の修復作業記録 その3 (2016年10月04日)

前回の調査で、RF(UF-134)とDET(UF-111A)の陽極に電圧がないこと。
配線図を追うと、中間周波数の切替スイッチに問題がありそうですが、実装部品の位置が不明な点でした。
とりあえず、中間周波トランスの調査から開始します。
配線図をみると、2つの中間周波トランスをシーメンスキーのようなもので切換えるように判断できますが、実装部品にはキーなどはありません。
中間周波トランスケースをようく観察すると背部に2つの螺子があります。
この螺子を外し、ケースを後ろにスライドすると見事に中間周波トランスケースを外すことができました。
どうも、運用周波数に関連し、2種類の中間周波トランスを交換する仕組みのようです。
この配線図では誤解され、表記に問題があります。
部品構成表から現行が80番の検波二号変成器にあたります。
なお、SSG注入により、中間周波数は500Khz(正確ではありません→その4にてほぼ385Khzと断定)のようです。
この中間周波トランスケースの中を分解調査しましたが、特に問題はありませんでした。

故障原因調査を続行していたら、+135Vの配線に問題がありそうです。
ただし、目視確認していも、配線がはずれたり、途中断線等は見つかりません。
とりあえず、問題の箇所に新規に配線するこことしました。

全ての準備が完了しましたので、真空管を実装して受信試験を開始します。
ここで使用する真空管は、とりあえず使用中のオリジナルのものを使用しています。
米軍の真空管試験器などでは、UFソケットでは適合しませんし、試験データがありません。
SSG注入による受信試験を実施すると、ノイズの増幅音がよく聞こえ、低周波増幅段には問題がありません。
検波も発振気味ですが機能しているようです。
高周波段から中間周波増幅段までに問題がありそうです。
局部発振については、オシロで観察すると問題ありません。
真空管(UF-134)を新品なものと1個づつ交換してみます。
どうも、中間周波増幅段のUF-134に問題があったようです。
ここで、やっとSSGの信号をキャッチすることができました。
ただし、実用の受信機としては能力はありません。
全く、放送波を受信できません。
高周波増幅段に問題がありそうです。
高周波増幅の真空管(UF-134)のグリッドにアンテナを接続すると、微弱ですが7Mhz帯のアマチュア無線電波を受信することができました。
どうも、空中線から高周波増幅段のグリッド入力までに問題がありそうです。
また、ここでも配線図と実装部品との乖離があります。
部品番号3と5が実装されていません。
もう少しですが、なかなか難敵なようです。
まだまだ、故障探索は続きそうです。
万能電源装置が役立っています。


94式2号乙無線機の本文は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/army_94-2-otu.html

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
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