韜晦小僧のブログ 無線報国

真空管式ラジオ、軍用無線機やアマチュア無線機の修復の記録
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地2号受信機の修復作業報告 その2 (2015年07月27日)

2015年07月28日 13時16分14秒 | 01陸軍無線機器

地2号受信機の修復作業報告 その2 (2015年07月27日)

永年オシロスコープの収集をしていましたが、突如オシロスコープの修復に目覚め邁進してまいりました。
しかし、少し疲れたので、本来の旧軍の無線機修理を再開します。
基本方針としては、ケースの再塗装は実施せず、オリジナリティを確保することとしました。
受信機と電源部と接続ケーブルについては、ゴムの硬化・溶解などのためケーブル自体の取替か修理が必要ですが、当面修理するこことしました。
また、電源ケーブルはありませんから、新規作成します。
全体的な修復方法として、まず、交流電源+受信機の組み合わせで行い、次に発動発電機(ダイナモ)+受信機の修復を目指します。
まず、受信機と電源部と接続ケーブルですが、ゴムが硬化し欠落した部分からこのケーブルはシールドされていることがわかります。
昭和19年当時の資材不足のなか、このような高価なケーブルを使用していたのは大変な驚きです。
修理については、生ゴムテープと自己融着性絶縁テープを使用しましたが、できは今一つのようです。
次に、電源ケーブルですが、電源部の4端子の雄の専用ソケットに接続する雌のソケットがありません。
今回は臨時に雌の電源ソケットを2段重ねして作成しました。これも、今一ですが実用には耐えれそうです。
これで、試験環境は準備完了です。

 


過去の修理履歴
来歴
2011年8月頃、島根県安来市のI氏メールにて案内があり、購入させていただきました。
商品説明
地2号無線機受信機2型と付属電源の2点は下記のとおりです。
①地2号受信機
②地2号無線機(二型)受信装置整流器
③受信機と電源の接続コード
④受信機の防振台
周波数は4.5Mから8.2Mです。
欠品は、銘板(受信機、電源共)、受信機の上部カバー、電源の入力側のケーブル。
受信機、電源共にオリジナルです。

修復作業報告 その1 (2011年10月01日)
この地2号無線機受信機は、住友通信株式会社(現NEC)製造で、電流計の製造記録から昭和19年6月以降のものと判断できました。
受信機と電源部と接続ケーブルの3点セットでしたが、残念なことに銘板、受信機の天蓋と電源ケーブルがないとのことでした。
ないものは、得意な偽造品をつくればいいので、今回、銘板と受信機の天蓋を作成しました。
全体的に保存状態が悪く、特に塗装も剥落しているので、新たに再塗装したい誘惑にかられてしょうがないのですが・・・。
これ以上改悪しないように早くしどこかに隔離することとします。


広島戦時通信技術資料館及び広島手製本倶楽部は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/

 


手製本活動(その34:製本教室)

2015年07月23日 16時01分48秒 | 00手製本/製本教室

手製本活動(その34:製本教室)

平成27年07月23日実施した製本教室の制作模様です。


全体の教室模様です。


今回半革装の背の部分に表題を箔押しました。事前に箔押しすると位置づれがありません。

 


■目引き、背固めの工程の丸背・角背チームの作業状況です。

①本体に紙バンドを巻き、丸い筒とヘラを使用して丸みだしを行います。(角背はこの工程は不要です)

②金鋸で背に1.5ミリメール程度に深さの溝を切ります。

③背に水溶きボンドを塗り、切った溝に麻紐を入れていきます。

⑤最後に和紙を背に貼って完成です。

 

■本体部作成2:見返し、天地のやすりかけ、寒冷紗貼り、はなぎれ、しおり、クータ貼りの工程の作業状況です。

①捨紙をはがし、全体的にお掃除します。

②本来は裁断工程ですが、天をやすり(#240)がけし平らにします。

③クータを準備し、しおり紐や花布を教材の中から選び、見返しを貼ります。

④しおり紐、花布。寒冷紗の順番で背に貼ります。

⑤最後に、クータを背に貼って完成です。

 

■表紙と本体部の合本処理丸背・角背チームの作業状況を以下に示します。

①事前に表紙と本体部を合わせ、チリがきれいにとれているか確認します。

②確認が完了すれば、水溶きボンドにて、背のみ表紙と本体部を仮接着します。10分程度で接着が完了します。

③表紙と本体部の見返しを接着する前に、チリ調整します。基本的には、糊付けにより2mm伸びますので、その分だけ事前に切断する必要があります。
 また、本体部の変形等にり、チリが斜めになった場合もこの時点で修正します。

④表紙と本体部の見返しをでんぷん糊を使用して接着します。この時クッキングペーパーを敷いておきます。

⑤次に、船底板を利用して溝をつけます。

⑥最後、溝に竹ひごをつけ、プレスして完了です。

 

 ※製本教室の案内は下記のとおりです。


中国新聞文化センター教室部
教室名:クレドビル教室 お問い合わせはTEL082-962-4111へ
講座名:手製本(ルリユール)入門
コース:第2・4木曜 10:00~12:00
講師:広島手製本倶楽部主宰 森川 昌幸
講座内容:自分の本を作りたいが、製本については全く知識がないといった初心者を対象とした講座です。
製本の基礎として、前期3ヵ月間は角背、後期では丸背の製本実習を行います。
専門的な製本道具を用いず、手作り製本が楽しめるようになります。
製本技術をマスターすれば、自分史、ホームページ、ブログや絵手紙など自分のアイデアを活かした本を作ることができるようになります。
1回 5単位 2,500円/月2回 5,000円(表示:税抜)
備考:教材費 2,500円 

広島手製本倶楽部は以下のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/book_index.html

 


松下電器 2インチオシロスコープCT-50Eの修理記録(その4)(平成27年7月19日)

2015年07月19日 17時12分38秒 | 09真空管式オシロスコープ

松下電器 2インチオシロスコープCT-50Eの修理記録(その4)(平成27年7月19日)


修理記録(その1)による本機の修理に関する考察は以下のとおりです。
①回路図、説明書の入手は困難です。
②電解コンデンサー数本に液漏れがあり交換する必要があります。
③全てオリジナルの部品であり、程度も良い。

修理記録(その2)による本機の修理に関する考察は以下のとおりです。
まず、②電解コンデンサー数本に液漏れがあり交換する必要がありますので、不良電解コンデンサーを交換します。
電源系とSWEEP系の30μF50WVの電解コンデンサーを交換します。
このような状態で電源起動すると、スポット(輝点)は、きれいに表示しました。輝度、焦点。上下、左右とも正常です。
垂直入力に手をあてると(100Vの交流を人体経由で注入)みごとに増幅します。
ただし、水平掃引回路は不良のため、輝線はでません。
水平掃引用のマルチバイブレータの発信定数と思われる0.2μFを交換しても、輝線は出ません。

修理記録(その3)
まず、陰極線管を取り外します。ブラウン管をみると2BP1でした。
陰極線管(CRT)の直下の発振定数のコンデンサーと思われる0.1μFを2本交換しました。
通電するとスポットのままで、輝線は発生しません。
問題は解決していないので、更にSweep系の発振定数のペーパーコンデンサー2本を交換します。
再度通電するも、全く効果はありません。
回路図がないので的確な判断はできにくいのですが、基本的な受動素子の交換では効果ないということです。
最終判断として、能動素子である水平掃引部の真空管12AU7を交換することとしました。
再再度、通電すると、やっと輝線が発生しました。
中古のオシロスコープは使用頻度が少なく、真空管のエミ減など少なく故障個所との判定がなかなか下せません。
試に、交流信号を垂直入力から入れると正弦波とは思われない不気味な波形を表示しました。
あわてて、正規のオシロスコープで水平掃引部を観測すると「のこぎり波」が異常です。

修理記録(その4)
真空管12AU7の水平掃引部の「のこぎり波」の波形が直線性になっていないのが原因です。
基本的にはマルチバイブレータの発振条件の受動素子が経年劣化し、電荷容量や抵抗値が大幅に変化したものと思われます。
回路図がないので正確に判断できませんが、真空管12AU7の水平掃引部に近接し可変抵抗器があります。
うまくすると、発振条件を変化させ「のこぎり波」の直線性を制御できるかもしれません。
ためしに水平増幅部の共通カソードにオシロをあてて、可変抵抗器を半回転以上廻すと、きれいな「のこぎり波」が発生しました。
ただし、輝線消去回路が不良のようで、はっきりと輝線の戻りが確認できます。
また、もう少し動作が不安定なところもありますが、一応修理としては完了とします。
修理前はトリオのCO-50程度のものとおもっておりましたが、2インチのオシロスコープでも、本機は本格的な機能的を備えており大変すばらしいです。
さすが松下さんです。

本機を修理の時の第一オシロとして今後は処遇することとします。

 


広島戦時通信技術資料館及び広島手製本倶楽部は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/


 


松下電器 2インチオシロスコープCT-50Eの修理記録(その3)(平成27年7月14日)

2015年07月14日 13時41分06秒 | 09真空管式オシロスコープ

松下電器 2インチオシロスコープCT-50Eの修理記録(その3)(平成27年7月14日)


修理記録(その1)による本機の修理に関する考察は以下のとおりです。
①回路図、説明書の入手は困難です。
②電解コンデンサー数本に液漏れがあり交換する必要があります。
③全てオリジナルの部品であり、程度も良い。

修理記録(その2)による本機の修理に関する考察は以下のとおりです。
まず、②電解コンデンサー数本に液漏れがあり交換する必要がありますので、不良電解コンデンサーを交換します。
電源系とSWEEP系の30μF50WVの電解コンデンサーを交換します。
このような状態で電源起動すると、スポット(輝点)は、きれいに表示しました。輝度、焦点。上下、左右とも正常です。
垂直入力に手をあてると(100Vの交流を人体経由で注入)みごとに増幅します。
ただし、水平掃引回路は不良のため、輝線はでません。
水平掃引用のマルチバイブレータの発信定数と思われる0.2μFを交換しても、輝線は出ません。
他の発振定数のコンデンサーを交換するため配置を確認するとなんと陰極線管(CRT)の直下にあります。
とりあえず陰極線管を取り除く必要があります。

修理記録(その3)
まず、陰極線管を取り外します。ブラウン管をみると2BP1でした。
陰極線管(CRT)の直下の発振定数のコンデンサーと思われる0.1μFを2本交換しました。
通電するとスポットのままで、輝線は発生しません。
問題は解決していないので、更にSweep系の発振定数のペーパーコンデンサー2本を交換します。
再度通電するも、全く効果はありません。
回路図がないので的確な判断はできにくいのですが、基本的な受動素子の交換では効果ないということです。
最終判断として、能動素子である水平掃引部の真空管12AU7を交換することとしました。
再再度、通電すると、やっと輝線が発生しました。
中古のオシロスコープは使用頻度が少なく、真空管のエミ減など少なく故障個所との判定がなかなか下せません。
試に、交流信号を垂直入力から入れると正弦波とは思われない不気味な波形を表示しました。
あわてて、正規のオシロスコープで水平掃引部を観測すると「のこぎり波」が異常です。
なかなか簡単には修理は終わりそうにありません。

 

広島戦時通信技術資料館及び広島手製本倶楽部は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/

 


崎山電気工業 ミニグラフ Type-GAオシロスコープの修理記録(その3)(平成27年7月14日)

2015年07月14日 11時19分46秒 | 09真空管式オシロスコープ

崎山電気工業 ミニグラフ Type-GAオシロスコープの修理記録(その3)(平成27年7月14日)


修理記録(その1及び2)においては、本機の修理に関する考察は以下のとおりです。
①配線図が付随しているので、修復は可能です。
②戦後になると米国の技術への傾倒もあり、ST管からGT管への切替が盛んに行われておりました。
 本機も、同様にGT管が採用されております。
 内部を見ていないので修復については当面踏み込めません。
③フロントに電源ケーブルがありますが電源プラグがありません。つまみなどはすべてオリジナルのようです。
④警察の無線通信機器の保守に使用されたものと思われます。
⑤通電するとほのかに緑色の雲状のスポットが発生した。

機能確認のため、通電を開始しある程度エージングすると、どうもオイルコンデンサーに充電され、コンデンサー容量の回復がはかられたようで完全なスポットが発生した。
昭和25年ごろの製品と思われますが、全く部品交換もせず、スポットが発生したのは大変な驚きです。
本機は、電解コンデンサーやペーパーコンデンサーの使用が少なく、オイルコンデンサーとマイカコンデンサーを使用していたのが長期間でも機能を回復できた原因かもしれません。
また、のこぎり波発生回路として専用のサイラトロン管(66G-GT)は、教科書や真空管などではよく目にしますが、実装された実物を見るのは初めてです。
さらに、エージングしていると、今度は輝点(スポット)が輝線へと変化しました。
運のいいことに、サイラトロン関係の水平掃引の機能が回復してきました。
ブラウン管の電圧試験から、垂直コントロールの電圧の制御がプラスからマイナスになならず、スポット位置が上部から降下しません。
垂直増幅の結合コンデンサーの電流漏れがあるようで、本来なら交換が必要です。
まだまだ試験すれば不具合があると思われますが、今回はオリジナリティに配慮しこのまま保存することとします。
本機をいくら整備しても、とても現代電子機器の試験用オシロスコープとしての役目は果たせません。

 

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