韜晦小僧のブログ 無線報国

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オークションウォッチ 96式空2号無線電信機受信用「振動直流変圧器」

2020年12月22日 05時03分50秒 | 10オークションウォッチ

オークションウォッチ 96式空2号無線電信機受信用「振動直流変圧器」

断捨離中につき入札ご法度の身でありますので、入札に参戦できず下記Yahooオークションの推移を見守り、記録するだけとしました。
たまたま、同時期に別々の出展者から96式空2号無線電信機関連の機材の接続ケーブルも出品されました。
tkdkm15764さんから海軍航空技術廠 昭和17年製造 無線機用振動直流変圧器?・・・・96式空2号無線電信機受信用「振動直流変圧器」
vettel_ferrariさんから旧日本軍 海軍航空 無線器 接続線・・・・・残念ながら96式空2号無線電信機のものとは確認できませんでした。

海軍航空技術廠 昭和17年製造 無線機用振動直流変圧器?
商品情報
個数:1
開始日時:2020.12.14(月)21:39
終了日時:2020.12.21(月)22:26
自動延長:あり
早期終了:あり
返品:返品不可
入札者評価制限:あり
入札者認証制限:あり
落札者:0*V*j*** / 評価 16
開始価格:10,000 円
オークションID:w441307282
入札件数6入札履歴
残り時間終了 詳細 
現在価格16,000円(税 0 円) 
出品者情報出品マスター tkdkm15764さん フォロー 
総合評価: 4007 
良い評価 99.9% 
出品地域:東京都
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商品説明
カテゴリ ホビー、カルチャーミリタリーその他
状態 傷や汚れあり 
経緯、機能などは一切不明です。
入札前の現品確認もOKですので落札後はノークレーム厳守でお願いします。
入札者の順位   すべての入札履歴
1ページ中 1ページ目を表示 (入札合計:2件)
入札者 / 評価   入札額 個数 最後に手動入札した時間
 0*V*j*** / 評価:16 最高額入札者  16,000 円 1 12月 21日 22時 18分
 1*8*T*** / 評価:308   15,500 円 1 12月 21日 22時 15分
1ページ中 1ページ目を表示 (入札合計:2件)

まず本品ですが、96式空2号無線電信機受信用「振動直流変圧器」なるものは本邦初公開のもののようです。
確かに、ラジオライフ1984年9月号に掲載された魅惑の軍用無線機⑫96式空2号無線機の諸元及びブロックダイヤグラムの中に下記の記載があります。
電源 
1000V 180mA(空2型発電動機による)
250V 60mA(振動直流変圧器受信用・・・バイブレーターによる)

96式空2号無線電信機

ここで、バイブレーターの本体の写真が掲載されており、振動子空11型 NO.1802昭和15年12月光精機製作所株式会社とあります。
バイブレーターといえば、東京都小岩の「ばざーら」からか、オークションで購入したか忘却しましたが1台所有していることを思いだし家中捜索して発見しました。
確認すると同型の未使用のバイブレーターであることが判りました。
手持ちの未使用品のバイブレーター(参考品)

いまさらバイブレーターの機能を云々する必要もありませんが、昭和28年2月 日立評論 第35巻第2号に機能概要がわかりやす説明されていましたので添付しておきます。
また、バイブレーターについては、開放駆動同期型と短絡駆動非同期型の動作方式がありますが、96式空2号無線電信機受信用「振動直流変圧器」は開放駆動同期型のようです。
昭和28年2月 日立評論 第35巻第2号

旧軍の陸海軍の無線機の電源供給は発電動機(通称ダイナモ)が一般的に採用されており、バイブレーター方式を採用したのは96式空2号無線電信機のみかもしれません。
ここでも、陸軍航空機は蓄電池が24V、海軍機が12Vと全く異なった仕様を採用しており、メーカーから見ると全く馬鹿げた事柄としか言いようがない。
銘板から、昭和17年3月 海軍航空技術廠とありますが、製造自体は中の部品類から東芝製と類推できます。
バイブレーターについては、光精機製作所株式会社とありますがネット検索しましたが、同名会社はありましたが存続会社ではありませんでした。

vettel_ferrariさんから旧日本軍 海軍航空 無線器 接続線(参考品)

陸軍戦闘機用「ム4型」無線機と発電動機 (参考品)

 

参考文献
昭和28年2月 日立評論 第35巻第2号   http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1953/02/1953_02_06.pdf
ラジオライフ1984年9月号
YahooオークションID w441307282、v767675057


   

 


 


13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その1(令和2年12月20日)TR-2#1号機の送信部の確認と改造計画

2020年12月20日 19時57分32秒 | 51電探試作計画

13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その1(令和2年12月20日)TR-2#1号機の送信部の確認と改造計画

TR-2#1号機の受信機能については既にほぼ正常であることを確認していますが、送信機能は確認できないままでした。
何故かと云いますと、本機には送信スイッチがなく、専用のハンデーマイクで送受制御しています。
このため、実物の配線からトリオのMC-50と規格があうことを確認してやっと送信試験が可能となりました。
また、本機の正面パネルに「SPOT」なるスイッチがありますが、配線図から類推してやっとキャリプレート機能であることが判明しました。
何故 「SPOT」の呼称にしたのか謎のままとなりました。
送信試験には、通電当初は不安定でしたが(リレーの接触不良等)ランニング経過することにより安定化し、ダミーロードと電球の2種類で確認がとれ、約10Wの出力を確認しました。


 

それでは対象となる電探送信機の回路図から動作を確認します。
回路構成としては、T-311×2による自励発振に、パルス増幅RH-4、T-307、T-307の3段増幅を主発振のグリッド注入によるグッド変調を行っています。
ここで注目なのは、グリッドにはセレン整流器によるブリッジ整流回路の負電圧がかかっており、パルスが注入された時のみ発振するように部品番号「31」放電管が接続されています。
この放電管の機能により、パルスが来た時のみ放電管は充電されグリッドがショート状態となり、グリッドの負電圧が開放されるこことなります。
日本ではグリッド変調ならでの大変優れ回路構成ですが、米軍などはグリッド変調の欠点もあり採用していません。
しかしながら、パルス発振制御では、グリッド電圧制御方式の採用は日米とも共通のようです。
ここで問題となるのが入力の正の同期パルスをT-311のグリッドに同じく正のパルスとするため回路方式です。
真空管で180度位相がずれ、トランス結合でまた180度位相がずれことを考慮しながら最後のT-311のグリッドに同じく正のパルスにする必要があります。
送信機の回路図では最後のT-307ではプレート接地のカソードフォローワ―(この場合のみ同相)でつじつま合わせを行っています。


トランス結合の位相実験
最初に正弦波で実験しましたが、位相180°では判別不明の失敗のため、正パルスで再実験しました。
昔は大量に見られたSD34も今では貴重な骨董品ですね。

TR-2#2号機の電探送信機の改造方針については、これらを考慮して以下の方針としました。
①パルスの変調方式は、TR-2の6AQ5プッシュプルのプレート変調をそのまま活用します。
②送信終段6360のグリッドに放電管を追加し、常時負のカットオフ電圧(放電しなく、かつカットオフとなる電圧)を注入しておきます。
③変調部の終段の6AQ5プッシュプル(プッシュプルてあるので正の取出しは簡単)に一部制御信号として取出し、送信終段6360のグリッドに注入します。


とりあえず、今後はTR-2#2号機の改造部をオリジナルに戻す作業を行います。


参考資料
無線と実験 昭和17年12月号 昭和18年7月号からの抜粋
比島にて押収せる米軍・超短波警戒機の原理と構造
SCR-268送信機
送信部の主要部品は勿論、送信機である。
この送信機は目標に対し、超短波のインパルス波を発射せしむ装置であって、これをループ結合により送信空中線に取り出し、外界に輻射して居る。
送信菅の陽極電圧は、インパルス発生装置及び変調器により発生せしめられた高電圧のインパルス波であるから高電圧の加えられた至短時間のみ送信機が動作し、超短波を発生する如くなって居る。
第6図は送信部の原理を図示したもので、図に於てその動作状態を考えてみよう。
先づ、変調管VMの格子にインパルスの加えられない場合を考えると、その陽極電流は流れず、電源電圧は整流菅VRを通って蓄電器Cを充電するだけであって、送信菅には整流菅の電圧降下に相当する電圧が加えられ、然も陽極に対して負電圧が加えられることになる。
従って、この場合には発振せざることは明らかである。
然るに、変調管の格子に一度インパルス波が加えられた場合を考えると、変調管の内部抵抗は急激に降下し、蓄電器Cに充電された高電圧は、変調管と送信菅とを結ぶ回路にて放電回路を形成することになる。
これがため、送信機には正の高圧が印加せられることになるから、この場合には送信機は瞬間的に動作する。
斯(か)くの如くにして、送信機はインパルスにより制御せられた電波を発生するわけである。
尚、送信菅の陽極電源に相当する蓄電器Cによる高電圧は、動作時に於ては変調管と直列に加えられるから、この変調管VMは、これによる電圧降下を小ならしめんがため、相互コンダクタンスgmの大なる真空管を使用して居る。
即ち第7図の中央の如く、4つの真空管を一緒にしたような構造を有し、これにより、gmを増加せしむると同時に、斯(か)くの如き真空管を数個並列に使用して居る。
整流菅VRは前記の如く変調管にインパルスの印加されない期間、蓄電器Cへ充電電流を供給する作用をなすから、エミッションの大なるものが適当なわけである。
因みに、同図の右端は送信菅である。第8図はインパルス発生装置を、第9図は変調装置のそれぞれの外観を示すものである。

SCR-270/271送信機
送信機はプッシュプル自励方式であって、2個の水冷三極管を用い別に水冷装置を備えて居る。第4図の向かって右は送信機、左は水冷装置である。
インパルス波発生には、電鍵装置によって発生せしめられたインパルス電圧を発振管の格子に加え、これにより送信機を制御して居る。
即ち送信菅の格子バイアスをカットオフとして発振を抑制せしめ、これにインパルス電圧を加えて、衝撃的に超短波を発振せしめるのである。
電鍵装置はインパルス電圧を発生せしめる装置であり、その方法は先ず正弦波発振器によって正弦波を発生し、一旦これを矩形波とし、この矩形波を微分回路に導きインパルス波として、検波増幅し正のインパルス電圧を取り出して居る。
{第5図-(B)}、右は{第5図-(A)}、上は{第4図}


 

 

電探試作計画      http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

広島戦時通信技術資料館は下記のアドレスです。    http://minouta17.web.fc2.com/

 

 

 

 


13号電探受信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その3(令和2年12月20日)TR-2#2号機の受信部の修復作業

2020年12月20日 19時50分55秒 | 51電探試作計画

13号電探受信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その3(令和2年12月20日)TR-2#2号機の受信部の修復作業

とりあえず、TR-2#2号機の電源部の液漏れしている電解コンデンサーを新品と交換します。
また本機には専用の電源コネクターが付属してなかったので、手持ちのジャンク部品の雄雌逆のコネクターで作成しましたが、本体のコネクターに直結しても問題ありません。
ようは感電しないことが肝要です。
受信部の動作を確認するため、デップメーターで発振させオシロで観測します。
立派にRFから第三中間周波数段(455Khz)まで信号は通過していることを確認しました。
今回は、第二中間周波段(10.7Mhz)から検波→低周波1段増幅→出力(表示機へ)と改造予定です。
本機TR-2#2号機は電探送信機とするため、2号機での受信確認はここまでとします。



 

追記
今回の144Mhz台の超短波帯の測定器としては、トリオのデップメーターしか所有していません。
当時の戦時の技術陣も吸収型波長計、発振器程度ものしかありませんから、当時の人と同じ条件で電探試作するこことなりました。

 


電探試作計画      http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

広島戦時通信技術資料館は下記のアドレスです。    http://minouta17.web.fc2.com/

 

 

 


13号電探受信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その2(令和2年12月04日)受信機の低周波増幅部の動作内容の検討

2020年12月04日 13時44分44秒 | 51電探試作計画

13号電探受信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その2(令和2年12月04日)受信機の低周波増幅部の動作内容の検討

正極の同期パルス信号の取出し方法を検討します。
まず、指示機の入力インターフェースは、交流信号ではなく正極の直流信号です。
この前提条件は、負極の信号があると目盛管制信号と重畳されてしまうことです。
したがって、13号電探では受信機側で何らかの対応をしていることになります。
Reports of the U.S. Naval Technical Mission to Japan, 1945-1946へ提出された回路図を再度検討します。
ブロックダイヤグラムは高周波段をエーコン管のUN-954、955、以下H管のRH-2を使用した中間周波増幅部5段、検波、低周波増幅部1段のなんの変哲もないシングルスーパーヘテロダイン方式の回路構成と思っていました。
しかし、よくよく低周波増幅部を見ると、カソードバイアス抵抗器がありません。
あるのは、グリッドバイアス抵抗器の100KΩがあるだけです。

 



このような低周波増幅部の回路図の0バイアスでは、入力電圧の正の所だけグリッド電流が流れ、波形の上半分(出力電圧では負の部分)がつぶれるはずです。
試しに、本機のRH-2から12AX7(トリオTR-2は車載用のためヒーター電圧は12Vが採用されている)に変更して検波と低周波増幅段をバラックで再現してみました。
まず、前提として真空管ではグリッドからの入力信号とプレートの出力信号では、位相が180°異なることが基本です。
B点に正弦波を入力したら、確かにC点では波形の上半分(出力電圧では負の部分)がつぶれています。
この機能では、低周波増幅というよりも検波機能に近いものがあります。

試験用のバラックの回路図

B点(正弦波)

C点(低周波増幅段の出力)

次に、検波部を見ると、RH-2の2極管接続して、しかも負極の検波を行っています。
受信する同期パルスの極性は、この検波段の出力で負極として、次の低周波増幅段の出力で位相が180°転換するので受信機の出力としては、正極の同期パルスとなります。
では、上記で説明した低周波増幅段を通すと検波機能で正極しか信号を通さないとしたら低周波増幅段の出力はなにもことになります。
しかし、ここでグリッドバイアス抵抗器の100KΩがパルス信号に同期しグリットバイアス電圧を生起し、負極の信号であっても出力として取り出すことが可能となります。
しかも、パルス信号以外のノイズ類は、キャンセルやリミットできる効果も期待できそうです。
大変優れた回路設計に見受けられます。

A点(オシレータからの矩形波)

B点(矩形波を微分し、ダイオードで負極のみ通過させます)

C点(低周波増幅段の出力)

受信機の改造目標が設定できましたので、今後トリオTR-2(#2号機)を使用して改造にチャレンジします。
ただし、回路図も不鮮明なものしかなく、しかもFM改造機で一部真空管も欠落していますが、先ずはオリジナルの原型機まで修復することから開始します。
その前に、前所有者に敬意を込めてFM改造機の受信部の修復を行います。

最後に
仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書の受信機の関連部分を抜粋します。
第二検波ハ5極管RH-2ノ2極管接続トセルモノニシテ、興ヘタル中間周波勢力ノ半波整流ヲ行イ検波ニ依ル波形ノ歪ヲ少ナラシム。
第二検波器ニ於テ低周波ニ変換サレタル勢力ハ低周波増幅器V11ノ制御格子ニ負ノ極性ヲ以テ与ヘラレ陽極側ヨリ正ノ極性ノ出力トシテ取出サル。
尚、低周波増幅器は格子電圧零ノ点ヲ動作点トシ、翼板(海軍の呼称で、陽極のこと)電流ヲ零ナラシムル格子偏倚電圧以上ノ振幅ヲ有スル入力ニ対シテ出力ヲ常ニ一定値ニ制限ス。

 

電探試作計画http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書  https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

広島戦時通信技術資料館は下記のアドレスです。http://minouta17.web.fc2.com/

 

 

 

 

 

 


13号電探受信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その1(令和2年12月03日)受信機の改造と指示機との結合試験

2020年12月03日 15時58分26秒 | 51電探試作計画

13号電探受信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その1(令和2年12月03日)受信機の改造と指示機との結合試験

13号電探受信機の仕様は、受信周波数150Mc帯で、高周波増幅2段、中間周波増幅5段、検波、低周波増幅1段のシングルスーパーの構成です。
なお、中間周波数14.5Mc、帯域幅±1Mcです。
今回は13号電探受信機を直接復元製作することは困難なことから、トリオTR-2(#1号機)を簡易改造して対応することとします。
また本来はパルス受信のために広帯域の受信機能が必要ですが、当面は簡易改造に留め受信試験がうまくいけば、本格的な改造を行うこととします。
したがって、改造点は受信機の低周波増幅段から信号を引き出すのみとしました。
受信機と指示機を接続して受信試験を実施しました。
信号波はありませんからホワイトノイズ(ノイズというか浮遊の60hzの交流波のようですが・・・)をブラウン管に表示することができました。
しかしながら、受信感度を上ると交流波であるため目盛の表示が雑音で消される事態となりました。
今回の改造では受信機側の低周波増幅段で交流の信号を取り出しただけだったのが原因のようです。
本来は、受信機、送信機、指示機間のデータ授受としての同期パルス信号のインターフェースは、正極の同期パルス信号が基本のようです。
したがって、受信機から指示機への入力信号は、正極の同期パルス信号でなければなりません。
今回のこの簡易改造は失敗でしたので、今後この正極の同期パルス信号の問題点に対処する必要があります。

13号電探受信機回路図

トリオTR-2のブロックダイヤグラムと回路図(大変不鮮明)、改造個所

受信機と指示機の結合試験

 

気付き1
トリオTR-2(#1号機)の純正機は、AM対応です。
本機は1968年に販売されましたが、144M帯の真空管式のAM方式であり、市場ニーズには完全にミスマッチでした。
トリオ社内でも真空管屋の最後の抵抗であったのかもしれません。
とわいえ、AMでは受信もできないのかと、試しにワッチしてみるとアマチュア無線の交信をみごとに復調しています。
なにかの資料でAM検波でもFMを復調できると記憶していたことを思い出し、本棚を探すと「手作りラジオ工作入門」西田和明氏の本に記載されていました。
ようは、スロープ検波で、同調を少しずらしたスロープで受信したらFMが復調できます。

気付き2
以下本機のYhaooオークション取引記録です。
トリオ社の珍品?144MhZ真空管式送受信機 TR-2。美品? 電源投入可 受信可 送信未テスト。ジャンク品扱い 送料着払い
商品情報
個数:1
開始日時:2020.10.08(木)09:32
終了日時:2020.10.12(月)22:19
自動延長:あり
早期終了:あり
返品:返品不可
入札者評価制限:あり
入札者認証制限:あり
落札者:mxxxxxxx7 / 評価 229
開始価格:100 円
オークションID:f461553635
出品者情報
落札率が高い 直近3ヶ月に出品した商品の70%以上が落札されています。
piman200xさん総合評価: 868 
良い評価 100% 
出品地域:長野県
商品説明
状態 傷や汚れあり 
御覧頂きありがとうございます。
トリオ(TRIO)社の 144MHz帯 真空管式 送受信機 TR-2です。
簡単な動作テストをしました。
電源投入可。(電源コード付属します)
一応145MHz付近位で交信が受信出来ました。
スケルチも一応ですが動作しました。
他のスイッチ類等は未確認です。
送信は未テストです。
年代物にしては、傷、汚れ、錆等少ないと思います(年式から見れば美品?)
オークションでもあまり見かけない品です(レアもの??)
部品取り、修理、飾り等色々とご活用下さい。
動作は一切保証できませんので、ジャンク品扱いです。(申し訳ございませんが、ジャンク品の意味を完全にご理解の上ご入札下さい)
入札者の順位   すべての入札履歴
1ページ中 1ページ目を表示 (入札合計:13件)
入札者 / 評価   入札額 個数 最後に手動入札した時間
 mxxxxxxx7 / 評価:229 (評価の詳細) 最高額入札者 49,400 円 1 10月 12日 22時 13分
 6*R*I*** / 評価:194   48,900 円 1 10月 12日 21時 39分
 z*S*f*** / 評価:257   18,000 円 1 10月 12日 18時 19分
 o*a*_*** / 評価:438   14,000 円 1 10月 12日 8時 19分
 5*N*l*** / 評価:1245   2,400 円 1 10月 11日 9時 50分
 Z*3*J*** / 評価:57   2,200 円 1 10月 11日 7時 29分
 w*3*c*** / 評価:1490   2,100 円 1 10月 10日 23時 27分
 4*n*2*** / 評価:850   2,000 円 1 10月 10日 4時 40分
 r*V*h*** / 評価:1   1,600 円 1 10月 9日 20時 48分
 M*z*f*** / 評価:754   1,400 円 1 10月 9日 14時 29分
 a*a*s*** / 評価:1098   130 円 1 10月 9日 13時 13分
 B*w*D*** / 評価:568   120 円 1 10月 8日 23時 35分
 C*w*h*** / 評価:41   110 円 1 10月 8日 14時 57分
1ページ中 1ページ目を表示 (入札合計:13件)

何故かもうひと方(6*R*I***さん)と競うこととなりましたが、不本意ながら大変な高額での落札となりました。
それも1968年の発売額を少し超えた形での落札金額となりました。
出品者の商品説明にもありますが、本機は発売から約52年も経過していますが、受信機能には特段問題がありませんでした。
民需のアマチュア無線機でこのような長寿命な機器は大変珍しいことです。
ケースをばらしてシャーシの下部を観察すると、殆どのコンデンサーはセラミック型で、電解コンデンサーは電源部と低周波部のみで少数です。
電界コンデンサーの使用の少なさと殆ど未使用でお蔵入りされていたのがどうも幸いしたようです。
ただし、送信機能は未だ試験していませんが、リレー系統の接触不良は想定されそうです。
なお、本機には幸いにも電源コード付属していましたが、この特殊なコードがない商品には手を出さないほうが賢明のようですね。

 


電探試作計画http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

広島戦時通信技術資料館は下記のアドレスです。http://minouta17.web.fc2.com/