韜晦小僧のブログ 無線報国

真空管式ラジオ、軍用無線機やアマチュア無線機の修復の記録
手製本と製本教室の活動の記録
田舎暮らしの日常生活の記録

13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その4(令和3年01月31日)TR-2#2号機の変調部の修復作業

2021年01月31日 13時37分15秒 | 51電探試作計画

13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その4(令和3年01月31日)TR-2#2号機の変調部の修復作業

電源オフしても残留電圧が残っていることから、今度長時間運転にこのままでは堪えれない恐れるがあるので電源系統の電界コンデンサーを交換するこことしました。
残念ながら、交換しても残留電圧は改善しませんでした。
ここから問題の変調部の不具合の調査に入ります。
この変調部はTR-2がトランシーバーであることから受信部の低周波増幅部と送信部の変調部を兼用しています。
この特徴としては、出力トランスと変調トランスを一体化し、出力は8オームと8Kオームの端子を有して居ます。
このため、受信部で受信音声が出れば合格ですが、本機は前所有者(もう廃局されたようですが元JH3IECさんにりAM機をFM機に改造されたようです)の大改造のため検波部を撤去している関係で直接確認できません。
しかたないので、手持ちのトランジスターラジオの音声を低周波増幅部に直接入力すると問題なく動作していることが確認できました。
更に送信時の各真空管の電圧を測定すると、終段の6AQ5のプッシュプルの陽極とG2が送信時のみ電圧がありません。
これはAM機のプレート・スクリーングリッド同時変調からFM機のリアクタンス変調に改造するため、必要条件です。
このためにはリレー回路の改造が必要なのですが、無改造の1号機のリレー回路と改造された2号機のリレー回路を比較しても改造した様子がありません。
どうもメーカーのほうでFM機用に改造しやすいように回路図にはありませんが、冗長した結線がされていたようで、これを切断したようです。
原因は判明したので、逆にジャンパー接続して、早速試験しましたが未だ変調部は動作しません。
ここまでいくと最後は変調トランスのレア―ショートを疑いましたが、変調トランスの出力端子をよくよく見ると接続がショートカットされています。
JH3IECさんの徹底的にAM機能を排除する姿勢に今更ながら感心する次第です。
やっとのことで、変調部が動作しているようですが、確認のため1号機を受信機としてダミー接続で試験電波を発信しましたがあまりに近接のため検波が飽和したようで受信音を確認できません。
いまさら、確認用の144Mhz帯のAM受信機など、どこにもありません。
困っていたら、デップメーターのモニター機能で受信確認を利用できることを思い出し、やっと送信波が正常であることが確認できました。
ただし、このデップメーターのイヤーホーン端子は、中型のものですが手持ちのジャックと規格が合いませんが、どうしたことなのでしょうか。
やっとのことで、元のTR-2の送信部の機能を復元できました。
ここから、本題の13号電探送信機へとの改造を行いますが、まだまだ先は永そうです。
本作業については、1日に30分程度で根気がなくなりますが、困ったものです。

電界コンデンサー交換作業

リレー回路の配線状況

変調トランスの修復作業

デップメーターのモニター作業

送信電波(500Hzの正弦波注入)

 

 

電探試作計画      http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

広島戦時通信技術資料館は下記のアドレスです。    http://minouta17.web.fc2.com/

 

 

 


13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その3(令和3年01月23日)TR-2#2号機の送信部の修復作業

2021年01月23日 14時04分20秒 | 51電探試作計画

13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その3(令和3年01月23日)TR-2#2号機の送信部の修復作業

マイク送受切替SWを動作しても、送受切替ができません。
配線を追っていくと、マイクコネクター端子での接続がトリオのマイク接続規格から変更されていました。
前所有者はトリオのマイクではないものでインターフェースが異なっていたので改造したようです。
送信部の真空管は終段の6360を除き未使用品に交換して初期試験を実施しましたが、送信電波は確認できません。
しかたないので、各段の真空管の電圧が規定値であるかの測定をしたところ最終逓倍部の12BY7Aの電圧が規定値から大幅に外れています。
翌日再度電圧測定しようとしたところ、今度は送信時にカチカチと音が発生したのでリレー関係の故障と思っていたら、なんと最終逓倍部の12BY7Aの電極から断続音がするとともにグロー発光する事態となっていました。
12BY7Aの予備在庫がないことからネットで注文するはめになりました。
さらに翌日、本機をみると該当の12BY7Aのゲッターが白濁しています。
真空管を外そうとすると、外被のガラスが割れが生じていました。
長期保存ではありますが未使用品の12BY7Aであることから安心していましたが、メーカーをみると松下さんでした。
こんなひどい真空管の経験は初めてです。
注文した12BY7Aが到着したので、再度電圧測定を行い送信電波試験をしたましたが電波は全く出ません。
前所有者により送信部の真空管12BY7Aの2本と送信管6360が欠落していたことが気にかかっていましたが、どうも同調用のコアーやトリマーを勝手にいじっているようです。
50年前では測定器もデップメーターぐらいしかなく、この辺を触るのはことはご法度のばすですが・・・・
とはいっても、こちらも中国製の安価のデジタルオシロ(測定周波数は明示されておりませんが、100Mhz程度が限界のようです)とデップメーターしかありません。
試しに、各段の発振周波数をオシロで測定すると、
原発振の8Mhz(但し原発振の周波数が大巾に狂っています)と、次段の3逓倍の24MhzまではOKですが、それ以降の逓倍段の72Mhzの測定ができませんでした。
各段のチューニングを実施し、72Mhzまではデジタルオシロで同調を確認し、最後の2逓倍部はデップメーターで144Mhzを確認しましたが、終段の6360が動作していません。
終段の回路には特段問題はありませんが、6360のP、G2の電圧は規定値以上を示してますが、何故か電力増幅していません。
6360は最初から欠落していたので、事前にネットで購入しておりましたが、6360の真空管の不良も考慮して、再度購入するこことしました。

マイクコネクター接続部

送信用VFO部

12BY7Aのグロー状態

12BY7Aのガラス部損傷状態

原発振8Mhz VFO動作(メモリ145Mhzに合わせて、発振周波数8.078Mhzであることから18倍すると145.404Mhzで約0.4Mhzのずれを調整)

6AU6 3逓倍部

12BY7A 3逓倍部

12BY7A 2逓倍部


 
終段6360入力部

終段6360陽極部(全くパワー出ず)

終段の想定される問題個所

終段6360入力部トリマー調整部(最後にこの箇所の調整を行いやっとパワー回復)

終段6360陽極部(ここも大幅にいじられていた)

リレーの接続箇所も問題個所と疑っていた

SWR計で出力「5W」を確認

RF計は動作せず(たぶんダイオードの不良のようだが・・)


やっと送信パワーを確認しましたが、変調部の動作が不良のようです。
まだまた、先は永そうです。

 


電探試作計画      http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

広島戦時通信技術資料館は下記のアドレスです。    http://minouta17.web.fc2.com/

 


13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その2(令和3年01月07日)TR-2#2号機の送信部の修復作業

2021年01月07日 15時03分36秒 | 51電探試作計画

13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その2(令和3年01月07日)TR-2#2号機の送信部の修復作業

見ての通り入手したTR-2#2号機はFM対応のため、かなりの改造が行なわれております。
オリジナルに戻す作業となりますが、今回は受信部は余力があれば修復しますが、まずは送信部の修復を優先とします。
送信部の改造個所は下記の2点のようです。
①AM変調からFM変調の変更のため、リアクタンス管の追加と、その制御のためのリレー回路の接断。
②リアクタンス管の出力をVFOの出力に注入。
修復作業としては、大変軽微のはずですが、入手時に送信部の真空管12BY7Aの2本と送信管6360が欠落していたことが気にかかります。
修復作業では、改造部品とのインターフェース部分だけ記録して、容赦なく部品の撤去を行います。
改造個所をオリジナルに戻すための結線を行って作業終了です。
少し迷ったのがリレー回路の接点が特異であったことぐらいでした。
不足していた真空管を挿入して、試験開始です。
送信試験を実施しましたが、うんともすんとも動作しません。
どうも2個のリレーが動作していないようです。
まだまだ点検・確認が必要のようです。

 


電探試作計画      http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

広島戦時通信技術資料館は下記のアドレスです。    http://minouta17.web.fc2.com/