夜な夜なシネマ

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『遠い空の向こうに』

2004年10月04日 | 映画(た行)
『遠い空の向こうに』(原題:October Sky)
監督:ジョー・ジョンストン
出演:ジェイク・ギレンホール,クリス・クーパー,ローラ・ダーン,クリス・オーウェン他

10月に入ると必ず観たくなる映画がコレ。

セカチューには及ばないものの、
この夏、意外とロングランだった『デイ・アフター・トゥモロー』で、
迫り来る氷河に腰がひけながらも、
図書館で奮闘する息子役を演じたジェイク・ギレンホール。
彼の1999年の主演作です。

1957年10月。
ソ連が人類初の人工衛星スプートニクの打ち上げに成功。
ウエスト・ヴァージニア州の小さな町で
夕闇の空をスプートニクが横切るのを見た高校生、ホーマー・ヒッカムは、
自分の手でロケットを打ち上げたいと思うようになる。

遊び友だちを口説いただけでは
どうやってロケットをつくればいいのかもわからず、
ついには研究肌であまり口をきいたこともなかったクエンティンに声をかけ、
4人でロケットをつくりはじめる。

しかし、ホーマーらが住むコールウッドは炭坑の町。
男に生まれれば、奨学金をもらって町を出ないかぎり、炭坑夫になるしかない。
炭坑の責任者であり、自分の仕事を誇りに思うホーマーの父は、
息子の夢を戯言と決めつける。

周囲は父親と同様、所詮子どもの遊びと見るが、
女性教師ライリーだけは彼らの夢の実現に力を貸そうとする。
全米の科学コンテストに出場して良い成績を残せば、
奨学金を得られるかもとのアドバイスを受け、
空き地をロケット発射場に見立て、失敗をくりかえしながらも
夢に向かって没頭するロケット・ボーイズ。

のちにNASAのロケット・エンジニアとなった
ホーマー・ヒッカムの自伝的小説を映画化。
頑固親父を『シービスケット』(2003)の調教師役、クリス・クーパーが好演。
最後は町をあげて応援する様子は、お決まりだけれど胸が熱くなるし、
息子が父親に語る言葉はグッとくるはず。

公開当時は私の期待度が高すぎて、
見終わってから「あ、そう。こんなもんか」と思ったのですが、
あとからジワジワ効いてきて、
毎年、ちょっと寂しい秋めいた空になると必ず観たくなってしまうのでした。

なんで10月に観たくなるかって、
原題がそのまま“October Sky”なのです。
原作のタイトルは“Rocket Boys”。
この“Rocket Boys”のアナグラム(文字を入れ替えて別の単語を作ること)が“October Sky”であるという、
知る人ぞ知る小ネタ付き。

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