夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『泣いたらアカンで通天閣』

2014年11月01日 | 映画(な行)
『泣いたらアカンで通天閣』
監督:位部将人
出演:木南晴夏,大杉漣,鈴木亮平,首藤勇星,山口美也子,綾田俊樹,
   茅島成美,唐渡亮,大路恵美,東風万智子,長谷川朝晴他

げん担ぎに黄色いパンツ(←ズボンじゃなくて下着のほうです)まで穿いて
TV中継にかじりついていたのに、やっぱり駄目だった某球団。
今日明日に予定されていた日本シリーズのチケット、
3万円近く戻ってくるからえんやんと思おうとしても、虚しい、悲しい。
泣いたらアカンでっちゅうことで、というわけでもないですけれど。

昨年3月の深夜枠で3日間に渡って放送された、読売テレビ開局55周年記念ドラマ。
第5回沖縄国際映画祭Peace部門にも出品されたと聞き、映画としてご紹介します。
この映画祭の協賛に吉本興業が名を連ねているため、
吉本の所属タレントがコソッといっぱい出演しているのが楽しい。
10月15日にDVDレンタルが開始されました。

大阪・新世界通天閣が見下ろす町。
この下町の商店街で生まれ育った千子(木南晴夏)は、ラーメン店“味よし”の一人娘。
味よしはそもそも千子の母親・芙由子(東風万智子)が祖父の味を継いで切り盛りしていた店。
母が亡くなり、父のゲンコこと賢悟(大杉漣)が引き継いだものの、
祖父の味とは似ても似つかない不味さ。
それでも昔のよしみで商店街の人たちが来てくれるから、なんとか潰れずにやれている。

店を陰ながら支えるしっかり者の千子だが、
会社の上司・細野(長谷川朝晴)と不倫関係にあることを誰にも相談できずに思い悩んでいた。
東京に妻子を残して単身赴任中だった細野が東京へ戻ることになり、傷心が深くなる。
別れの日を前にデートしていたところを賢悟に見られ、
よもや不倫だとは思いもしない賢悟は、帰宅した千子をひやかす。
通天閣にのぼってビリケンさんに「誰にも会いませんように」とお願いしたのに、
まったくビリケンさんはいつも当てにならない。

そんなある日、味よしのお向かいさん、亀谷家の息子・雅人(鈴木亮平)が帰阪。
大学を出て銀行に就職、ずっと東京にいるはずなのに、ワケありっぽい。
何も話そうとしない雅人に誰も何も聞こうとしないが、
雅人の母・典子(山口美也子)から雅人を尾行してほしいと言われ、千子は引き受けてしまう。

一方、味よしにはどこの誰ともわからぬ小学生男子が入り浸り。
賢悟は彼をスルメと呼び、家で面倒をみるようになる。
どうやらスルメの母親はネグレクト気味で息子を放置しているらしい。
勝手によそさんの子を預かってはヤバイだろうと言う千子の意見を賢悟は聞かず……。

関西出身の役者だらけで、大阪弁の気持ちいいことこの上なし。
主たる登場人物の中では大杉漣が徳島県出身と関西外ながら、違和感なし。
ぽんぽん飛ぶ会話が可笑しくてたまりません。
威勢のいい木南晴夏は豊中市の出身だそうですが、淀川以南の大阪弁が似合っています。
英治さんファンの方々にもこの鈴木亮平は自信を持って薦められるかと。
ラーメン評論家役でゲスト出演している田中圭くん
東京弁で喋っているだけで失礼だという大杉漣の台詞に笑いました。

放っておいてほしいときにも誰も放っておいてくれない。
プライバシー皆無、何もかもが大げさに即伝わる。
こんなおせっかいきわまりない大阪の下町の様子が温かく描かれ、
大阪人であることを幸せに思う作品です。

本作をDVD鑑賞するとき、こんなふうに思っていました。↓
読売テレビの制作というのは気に入らんが、4つ勝たせてくれたからえっか。
こんなことを思ったからあかんかった。(T_T)

さぁ、野球モードから映画モードに切り替えだ!と思ったけれど、
回想シーンに登場する千子の母親・芙由子役の東風万智子、
よくよく見れば芸名を変えて復帰した真中瞳
ほら、野球の映画に関係のある人がここにもひとり。
やっぱり、野球を観るのも映画を観るのもやめられん。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『トム・アット・ザ・ファーム』 | トップ | 『最後の晩餐』 »

映画(な行)」カテゴリの最新記事