『ラブ&ピース』
監督:園子温
出演:長谷川博己,麻生久美子,渋川清彦,奥野瑛太,マキタスポーツ,
深水元基,手塚とおる,松田美由紀,西田敏行他
声の出演:星野源,中川翔子,犬山イヌコ,大谷育江
前述の『20歳よ、もう一度』が11:50に終了、
西宮北口発12:07の阪急電車に乗って塚口へ。
塚口駅前で友人たちと待ち合わせ、“La VIGORIA”でお昼ごはん。
美味しいお料理とともに昼酒をたっぷり飲んで15:30、
その後、数分歩いたところにあるカフェでまた飲酒。
16:30になったところで解散して、友人のうちひとりは帰途に。
もうひとりとふたたび西宮北口へ向かい、タリーズでお茶。
まだ全然お酒が抜けていないので、レッドブルをぐびっと飲み、
TOHOシネマズ西宮にて私はこの日の2本目。
『新宿スワン』では腑抜けちゃったなぁと感じた園子温監督。
さてはて、これはいかに。
ロックミュージシャンを夢見ながらなり損ねた男、鈴木良一(長谷川博己)。
今は楽器の部品会社に勤めるサラリーマン。
しかし、周囲と上手くコミュニケーションを取れず、職場ではいじめに遭っている。
彼のことを嘲ったりしないのは地味な女性社員、寺島裕子(麻生久美子)だけ。
ある日の昼休み、良一は販売されていたミドリガメに目が釘付け。
ただちに購入を決めると、“ピカドン”と名づけて飼いはじめる。
人には話せない自分の夢や裕子への想いをピカドンに語りつづけ、
ピカドンを作業着のポケットに忍ばせていれば仕事中も安心。
ところが、それが同僚たちに見つかり、バカにされる。
半狂乱になって泣き叫びながらトイレに駆け込んだ良一は、
どうしようもなくてピカドンをトイレに流してしまう。
ピカドンは地下に暮らす老人(西田敏行)のもとへと流れ着く。
そこは持ち主あるいは飼い主から見捨てられたおもちゃや人形、動物たちが暮らす場所。
ピカドンが言葉を発せられるようにと老人が薬を与えたはずが、薬ちがい。
可愛がってくれた良一の夢を背負ったピカドンは、良一の夢の大きさの分だけ大きくなる。
それと同時に良一の夢が叶いはじめて……。
『新宿スワン』のような一般向けの趣はどこへやら。
お得意のエロなし、カメがグロいといえばグロいけど、たいしたことなし。
腑抜けちゃった感まるでなし、これでこそ園子温監督。
断捨離が流行っているけれど、どうしても捨てられないというわけではなく、
ごく安易な気持ちで捨てたものもたくさんあるはず。
捨てられたものたちに感情があれば、本当にこんな思いなのかもしれません。
捨てられたものは巡りめぐってまた誰かのもとへ。
西田敏行の深みのある演技によって、考えさせられることもいっぱい。
地下に集まったがらくたたちは、人間の姿を映し出しているのかもしれません。
社会からつまはじきにされながらも、自らにとって良かった時期を忘れられない。
いつかきっと幸せを掴めると信じているけれど、
もはや自分自身ではどうにもできないから、連れ出してくれそうな人に頼るという。
巨大化したカメが無邪気に良一の言葉をそのまま話すシーンでは、
良一が言えなかったことをカメが言ってくれていると取ることもできましょうが、
人前で言ってほしくなかったことをばらされてしまったように見えます。
つまり、人間の都合で安直に飼ったり捨てたりしたものに、
手痛いしっぺ返しを喰らわされているように思えました。
“ピカドン”という名前からして嫌悪感を持つ人が多いでしょう。
私も最初に聞いたときは「なんで?」と思いましたが、
単なる悪のりでこんな名前を付けるはずもなく、
反戦とリサイクルを唱える作品として観るべきか。
何にしても変な作品。これも万人受けは絶対にしないでしょう。
ラストに流れるRCサクセションの“スローバラード”は絶品です。
人形マリアの元の持ち主の母親役で園監督の奥様・神楽坂恵も一瞬登場。
同じ回に観た客のなかで私だけが大笑いしたのは、良一が歌う「全力歯ぎしりレッツゴー」。
『地獄でなぜ悪い』(2013)で二階堂ふみちゃんが歌っていたあの曲でした。
こういう楽しさもあり、私はやっぱり『新宿スワン』よりこっち。
エンドロールを見ていたら、照明助手に「泉谷しげる」と。
こんな同姓同名ってあるのでしょうか。まさか本人!?
監督:園子温
出演:長谷川博己,麻生久美子,渋川清彦,奥野瑛太,マキタスポーツ,
深水元基,手塚とおる,松田美由紀,西田敏行他
声の出演:星野源,中川翔子,犬山イヌコ,大谷育江
前述の『20歳よ、もう一度』が11:50に終了、
西宮北口発12:07の阪急電車に乗って塚口へ。
塚口駅前で友人たちと待ち合わせ、“La VIGORIA”でお昼ごはん。
美味しいお料理とともに昼酒をたっぷり飲んで15:30、
その後、数分歩いたところにあるカフェでまた飲酒。
16:30になったところで解散して、友人のうちひとりは帰途に。
もうひとりとふたたび西宮北口へ向かい、タリーズでお茶。
まだ全然お酒が抜けていないので、レッドブルをぐびっと飲み、
TOHOシネマズ西宮にて私はこの日の2本目。
『新宿スワン』では腑抜けちゃったなぁと感じた園子温監督。
さてはて、これはいかに。
ロックミュージシャンを夢見ながらなり損ねた男、鈴木良一(長谷川博己)。
今は楽器の部品会社に勤めるサラリーマン。
しかし、周囲と上手くコミュニケーションを取れず、職場ではいじめに遭っている。
彼のことを嘲ったりしないのは地味な女性社員、寺島裕子(麻生久美子)だけ。
ある日の昼休み、良一は販売されていたミドリガメに目が釘付け。
ただちに購入を決めると、“ピカドン”と名づけて飼いはじめる。
人には話せない自分の夢や裕子への想いをピカドンに語りつづけ、
ピカドンを作業着のポケットに忍ばせていれば仕事中も安心。
ところが、それが同僚たちに見つかり、バカにされる。
半狂乱になって泣き叫びながらトイレに駆け込んだ良一は、
どうしようもなくてピカドンをトイレに流してしまう。
ピカドンは地下に暮らす老人(西田敏行)のもとへと流れ着く。
そこは持ち主あるいは飼い主から見捨てられたおもちゃや人形、動物たちが暮らす場所。
ピカドンが言葉を発せられるようにと老人が薬を与えたはずが、薬ちがい。
可愛がってくれた良一の夢を背負ったピカドンは、良一の夢の大きさの分だけ大きくなる。
それと同時に良一の夢が叶いはじめて……。
『新宿スワン』のような一般向けの趣はどこへやら。
お得意のエロなし、カメがグロいといえばグロいけど、たいしたことなし。
腑抜けちゃった感まるでなし、これでこそ園子温監督。
断捨離が流行っているけれど、どうしても捨てられないというわけではなく、
ごく安易な気持ちで捨てたものもたくさんあるはず。
捨てられたものたちに感情があれば、本当にこんな思いなのかもしれません。
捨てられたものは巡りめぐってまた誰かのもとへ。
西田敏行の深みのある演技によって、考えさせられることもいっぱい。
地下に集まったがらくたたちは、人間の姿を映し出しているのかもしれません。
社会からつまはじきにされながらも、自らにとって良かった時期を忘れられない。
いつかきっと幸せを掴めると信じているけれど、
もはや自分自身ではどうにもできないから、連れ出してくれそうな人に頼るという。
巨大化したカメが無邪気に良一の言葉をそのまま話すシーンでは、
良一が言えなかったことをカメが言ってくれていると取ることもできましょうが、
人前で言ってほしくなかったことをばらされてしまったように見えます。
つまり、人間の都合で安直に飼ったり捨てたりしたものに、
手痛いしっぺ返しを喰らわされているように思えました。
“ピカドン”という名前からして嫌悪感を持つ人が多いでしょう。
私も最初に聞いたときは「なんで?」と思いましたが、
単なる悪のりでこんな名前を付けるはずもなく、
反戦とリサイクルを唱える作品として観るべきか。
何にしても変な作品。これも万人受けは絶対にしないでしょう。
ラストに流れるRCサクセションの“スローバラード”は絶品です。
人形マリアの元の持ち主の母親役で園監督の奥様・神楽坂恵も一瞬登場。
同じ回に観た客のなかで私だけが大笑いしたのは、良一が歌う「全力歯ぎしりレッツゴー」。
『地獄でなぜ悪い』(2013)で二階堂ふみちゃんが歌っていたあの曲でした。
こういう楽しさもあり、私はやっぱり『新宿スワン』よりこっち。
エンドロールを見ていたら、照明助手に「泉谷しげる」と。
こんな同姓同名ってあるのでしょうか。まさか本人!?