夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『パッセンジャー』

2017年04月02日 | 映画(は行)
『パッセンジャー』(原題:Passengers)
監督:モルテン・ティルドゥム
出演:ジェニファー・ローレンス,クリス・プラット,マイケル・シーン,
   ローレンス・フィッシュバーン,アンディ・ガルシア他

109シネマズ箕面で2本ハシゴの1本目。

好きなんです、クリス・プラット
身長190cm近い大男のようですが、なんかクマみたいで可愛い。
だけどウィキペディアをはじめとして、写真うつりが悪い画像ばかり。
映画の中に出てくる彼はホントにカワイイのに。

そんな彼とジェニファー・ローレンスの共演で、予告編は私のツボ。
何が気に入ったかって、宇宙船から出て行こうとするクリスに向かって、
ジェニファーが“You die, I die!!”と叫ぶシーン。
ここ、字幕では「死ぬときは一緒よ」なんですね。
この台詞を聞くたびに、英語ってこれでええねんなぁと嬉しくなる。
だって「ユーダイ、アイダイ」ですよ。
「死ぬときは一緒よ」どころか、「あなたが死ぬなら私も死ぬ」どころか、
「アンタ死ぬ、アタシ死ぬ」ですよ。なんてシンプルなんだ。スバラシイ。

監督は『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2014)のモルテン・ティルドゥム。
ノルウェー出身の同監督、ハリウッド作品はこれがまだ2作目。頼もしいです。

超大型豪華宇宙船アヴァロン号は、地球外惑星への移住希望者を乗せ、
120年間の航行予定で地球を旅立つ。
乗員258名、乗客5000名は冬眠ポッドに入って安全に眠りつづけ、
到着4カ月前に目覚めるよう設定されていた。

ところが、船内になんらかの異変が起き、冬眠ポッドのひとつが故障。
そのポッドに入っていたジム・プレストン(クリス・プラット)だけが目覚めてしまう。
地球を出発してからまだ30年、目的地まであと90年というところで。
これはこの宇宙船の中でたったひとりで一生を過ごさねばならないということ。

なんとか冬眠ポッドに戻れないか、あらゆる方法を試みるが無理。
絶望的な気分になっているジムに、唯一の話し相手であるAI(人工知能)ロボットのバーテンダー、アーサー(マイケル・シーン)は、
前向きに楽しめばとアドバイスする。

アーサーに酒を飲ませてもらい、船内のレストランで各国料理も食べまくり。
バスケットボールに映画にゲーム、船内の施設でできることは全部やる。
それなりに楽しい。しかしそれも一通りしてしまえば、あとは虚しくなるだけ。
生身の人間が自分以外にひとりもいないのだから。

そんなときふと、あるポッドの中で眠る女性に目を奪われる。
作家のオーロラ・レーン(ジェニファー・ローレンス)であると知り、ネットで調べる彼女のこと。
彼女の著書を読み、インタビューの動画を見て、彼女への想いは募る一方。
冬眠ポッドのマニュアルを読めば、彼女のポッドを開けることができそうだ。
彼女を起こしたい。しかし、彼女を起こすということは、彼女の人生を奪うということ。
ジムは激しいジレンマに襲われるのだが……。

ま、起こしちゃうんですけどね。
予告編を観て、なんらかのトラブルで早く目覚めてしまったふたり、
ということしか知らなかった私は、正直言って驚きました。
なんだよ、故障で目覚めたのは彼だけで、彼女は彼に起こされちゃったのかよと。

で、定番ですけど、最初は彼女も起こされたなんて夢にも思わず。
ふたりは恋に落ちて、幸せルンルン。
もうこの世にふたりきりでこのまま生涯を過ごしてもいいやなんて。
でも当然のことながら、途中でバレて彼女激怒。
いやはや、古典的な流れでしたが、それでもすごく好き。

宇宙でひとりぼっちというのは『オデッセイ』(2015)と同じ。
そっちのマット・デイモンよりずいぶん恵まれています。
食料なんて豊富も豊富、イタリアンにフレンチに中華、フルコースでなんでもござれ。
食うにも遊ぶにも困らない船、乗ってみたいものですが、
やっぱり人は一人では生きられない。誰かがそばにいてくれないと。

ふたりの選択、良いラストです。

それにしてもこれだけ登場人物が少ない大作も珍しい。
『ゼロ・グラビティ』(2013) よりは多いのか。
一瞬だけ登場のアンディ・ガルシアのギャラってなんぼ?

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