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『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』

2015年03月26日 | 映画(あ行)
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(原題:The Imitation Game)
監督:モルテン・ティルドゥム
出演:ベネディクト・カンバーバッチ,キーラ・ナイトレイ,マシュー・グード,ロリー・キニア,
   アレン・リーチ,マシュー・ビアード,チャールズ・ダンス,マーク・ストロング他

TOHOシネマズなんばで3本ハシゴの2本目。

第87回アカデミー賞の主演男優賞は、本作のベネディクト・カンバーバッチ
『博士と彼女のセオリー』のエディ・レッドメインの間で競われ、
後者に軍配が上がったわけですが、作品としては本作のほうが私は断然好きでした。
監督はノルウェーの俊英だそうで、北欧映画界はやはり侮りがたし。

1939年、第二次世界大戦中。
ドイツ軍が使用する暗号機“エニグマ”は史上最強の暗号機と言われ、
どの国も解読を試みているが、どうにもこうにもならない。
天文学的な組み合わせパターンを有するエニグマを解読しなければ、
この戦争に勝利することはできないと、
イギリス軍はMI6の下、エニグマ解読のためにさまざまな分野から精鋭を集める。

27歳のアラン・チューリングもそのうちの一人。
彼は天才数学者で、その才能はニュートンやアインシュタインに並ぶとも言われていた。
しかし、明らかに変人で、上官となったデニストン中佐は彼を毛嫌い。
また、一匹狼で仲間への気遣いのかけらもない彼に、
エニグマ解読チームのリーダーに就任したヒュー・アレグザンダーも呆れ顔。

チームにまったく協力せず、勝手に解読マシンなるものを作りはじめたアランを
デニストンは解雇しようとするが、アランはウィンストン・チャーチルに直訴。
アランの考えに耳を傾けたチャーチルにより、アランがリーダーの位置に就く。

新たなリーダーとなったアランは、使えないメンバー2人を即クビに。
代わりにクロスワードパズルによる求人広告を出して試験、
トップの成績を叩きだした女性ジョーンを採用する。

孤立を深めていたアランだったが、ジョーンの助言により、
次第にチームメイトとの溝が埋まってゆく。
エニグマ解読まであと一歩のところまで迫り……。

鑑賞後、余韻に浸って歩いていたのに、後ろにいたカップルが、
「久々に何の笑いも感動もない映画やったな」。
え~、そうですか!?めちゃめちゃ見応えありましたけど。

ALS患者を演じたエディ・レッドメインは確かに凄かったけれど、
変人と呼ばれ、ゲイであることにも苦悶するベネディクト・カンバーバッチの演技は素晴らしい。
どちらにも共通しているのは、「普通ではない」ということ。

現在のコンピュータの基となったのが、アランがつくったマシン。
同性愛が違法だった時代、無理やりホルモンを投与されて、
わずか51歳で命を絶ってしまったアラン。
ようやく名誉が回復され、あの世で微笑んでくれているでしょうか。

あなたが普通でなかったからこそ、この世界は素晴らしい。

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