夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『サプライズ』

2013年12月09日 | 映画(さ行)
『サプライズ』(原題:You're Next)
監督:アダム・ウィンガード
出演:シャーニ・ヴィンソン,ニコラス・トゥッチ,ウェンディ・グレン,AJ・ボーウェン,
   ジョー・スワンバーグ,マーガレット・レイニー,エイミー・サイメッツ他

全館停電の日に映画のハシゴ、2本目はこちら。
前述の『マラヴィータ』同様、今週中にはどこも終映かしらん。

ジャンルとしては苦手なホラー映画のなかにも大丈夫なものはありそう。
『シックス・センス』(1999)には泣かされましたし、
『アザーズ』(2001)や『ダーク・ウォーター』(2004)など、
スペイン語圏やポルトガル語圏の監督の作品は大好き。
ほかには笑えるゾンビものがこのところ外せません。

それでもまだ、首がぶった切られるようなホラーは無理だと思っていたのですが、
予告編に釣られて観に行った『キャビン』(2011)が相当おもしろく、
わりと最近観た『スティーヴン・キングは殺せない!?』(2012)も笑えました。
本作もあちこちで予告編を目にして、どうしても観たくなり。

富豪のポールとオーブリー夫妻は、人家まばらな土地に屋敷を購入。
結婚35周年を祝うべく、子どもたちを招待する。

一番乗りは次男のクリスピアンとその恋人エリン。
続いて長男のドレイクとその妻ケリー。三男のフェリックスとその恋人ジー。
長女のエイミーとその恋人タリク。総勢10名が晩餐の席に着く。

和やかに進むはずが、嫌みばかり言うドレイクにクリスピアンが食ってかかる。
激しい言い争いになったとき、窓の外に異変を感じるタリク。
様子を見ようと窓に近づいたところ、タリクはクロスボウに額を射貫かれる。

逃げまどう者に向けて外部からクロスボウが放たれ、一同は騒然。
そんななか、世間知らずのお嬢ちゃん学生という印象だったエリンがいち早く行動。
もっとも安全とおぼしき場所への移動を指示する。

警察に連絡しようにも妨害電波が流されているようで、電話が使えない。
車に乗って助けを求めに行こうとエイミーが玄関から意を決して飛び出すが、
ちょうど首の位置に張られたワイヤーで即死。
こうして、アニマルマスクを被った複数の犯人によって、
1人、また1人と殺されていくのだが……。

ここからネタバレ全開で行きましょうかね。

殺人を計画したのはフェリックス。ジーももちろんグル。
猟奇殺人を好む犯人グループに、両親やうざいドレイクの殺害を依頼。
遺産をすべていただいてしまおうと。

想定外だったのはエリンの賢さと異様な逞しさ。
彼女はどこででもひとりで生きてゆけるようにという父親の希望で、
幼い頃からサバイバルキャンプで生活してきました。
その甲斐あって、残酷な犯人を相手に、犯人以上に残酷な手段でみごとに始末。

わりと早いうちに助けを呼びに行くと出て行ったクリスピアンも実はグル。
エリンが全員を片付けたあと、フェリックスの携帯が鳴ります。
フェリックスとジーが計画を完遂したと信じて電話してきたクリスピアンの声。
屋敷に戻ってきたクリスピアンはエリンの姿を見てビックリ。
遺産を山分けしようと持ちかけますが、もちろんエリンが許すはずもなく。

3回ぐらい、劇場の椅子の上で飛び跳ねました。
というぐらいハラハラびっくりしましたが、
エリンの半端ではない殺しっぷりが笑えます。カッコよすぎ。

んで、冒頭で隣家の夫婦を殺す意味はありまっか。
犯人の残虐さを観客に知らしめるためなのか、頼る隣人はいないとわからせるためなのか。
エリンが牛乳を借りに行ったときは、『ファニーゲーム』(1997)みたいな話を予想しましたが、ちゃいました。
どっちも凄絶という意味では同じですけれども。

本作で評価がうなぎのぼりのアダム・ウィンガード監督。
これより前に撮られた『ビューティフル・ダイ』(2010)は、
ヒューマントラストシネマ渋谷で現在上映中、
大阪は第七藝術劇場にて来年公開されるそうです。注目。

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