夜な夜なシネマ

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『グリーン・ゾーン』

2010年05月28日 | 映画(か行)
『グリーン・ゾーン』(原題:Green Zone)
監督:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン,グレッグ・キニア,ブレンダン・グリーソン,
   エイミー・ライアン,ハリド・アブダラ他

税金もろもろを支払うために休みを取った日に、劇場にて。
いろんな意味でめちゃ面白い作品でした。大満足。

2003年のイラク。米国陸軍上級准尉ミラーと彼の部隊は、
どこかに隠されているはずの大量破壊兵器(WMD)の捜索任務に就いている。
しかし、上からの指示に従って現場へ踏み込んでも、
WMDはおろか痕跡すら窺えない。

毎度の空振りに不信感を抱いたミラーは、
軍部の打ち合わせの席で、情報源はいったい誰なのか、
ガセネタではないのかと問う。
すると、情報源は明らかにはできないが間違いない、
黙って捜索を続けていればいいのだと強く言われる。

打ち合わせ後、ミラーに話しかけてきたのはCIA調査官のブラウン。
彼もミラーと同様、何かがおかしいと感じでいた。
2人がお互いの部下と共に調査を進めたところ、
国防総省情報局の高官パウンドストーンに行き当たるのだが……。

湾岸戦争後、イラクはWMDの不保持が義務化されました。
本当に保持していないかどうかは国連が確認調査を進めていたのに、
その場にいちいち米国がしゃしゃり出てくることにイラクは腹を立て、
途中から非協力的な態度を取るようになりました。
それを面白くないと思ったのがブッシュ大統領。
不保持だなんて言ってるけど、どこかにWMDを隠してるでしょ、
そう決めつけて非難し、ついにはイラク戦争へ。

……という説明でいいでしょうか。
けれど、WMDなんて存在しなかったことは今や周知の事実。
これをこんな娯楽大作にしちゃうなんて、可笑しくて仕方ありません。
最大級のイヤミであり、イラクに対する罪滅ぼしでもあり、
悪徳高官たった一人のせいにしているのは言い訳にも思えます。

政治的要素をこんなにも含みながら、あくまでも娯楽映画。
『ボーン・アルティメイタム』(2007)同様、
疾走感と臨場感に溢れる、出色のアクション映画です。

ところで、ミラー役とパウンドストーン役、2人の共演作といえば、
アホなコメディ『ふたりにクギづけ』(2003)ですね。
2人は背中でくっついたシャム双生児でした。
片方は奥手、片方は女たらしで。

『インフォーマント!』(2009)のハゲづらをかぶったマット・デイモンも見物。
それもこれも、体を張っていることには違いありません。

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