実務家弁護士の法解釈のギモン

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定義規定の???(3)

2010-07-05 13:01:38 | その他の法律
 破産管財人の定義(破産法2条12号)も同じような側面がある。このことも、保全管理人の定義(破産法2条13号)と比べれば、一目瞭然である。破産管財人の要件論としての定義は、破産手続開始決定により裁判所が破産管財人として選任した者、というような表現になるはずである。破産法2条12号は、効果を説明しているだけである。
 結局、財団債権や破産管財人のような定義規定を設けるならば、定義規定として規律するよりは、旧破産法のように別条文として効果を規定する方が素直のような気がするのである。
 もっとも、法律論は、数学的厳密性を要求されるわけではないので、「定義」を何が重要なのかという点から説明し、そのために効果面から説明したからといって、ことさらに何か「害」があるわけではないであろうし、仮に定義規定を設けるとすれば、財団債権の定義や破産管財人の定義のような、実際の制定法のような定義をしたくなる気持ちも、全く分からないわけではない。

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