実務家弁護士の法解釈のギモン

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会社法改正ー取締役の株式報酬(4)

2020-03-04 10:21:39 | 会社法
 ストックオプションに関しては、従前、発行方法そのものにも問題があった。
 どういうことかというと、ストックオプションを取締役に対して無償で付与する場合、有利発行とされる可能性が高いとされたため、実際上は、無償で発行しようとする場合は株主総会特別決議を経なければならなかったのである。
 そこで、取締役会限りでストックオプションを発行するために、ストックオプションの時価相当額を費用として計上するという方法が行われるようになったようである。費用計上するということは、ストックオプションの時価相当額の金銭を取締役に支払ったものとみなすことを意味する。この、いわば「見なし金銭報酬」をストックオプションの払込に充てたとみなすのである。

 以上のように、ストックオプションの発行方法については、発行時の払込金額相当額を費用計上することにより、実務上問題点はクリアされてきたといってよい。

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