まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

それぞれの職業に特有の危険性

2009-07-24 17:40:45 | お仕事のオキテ
昨日、プロフェッショナルの誓いについて、
誓いには大きく分けて、2種類の内容が含まれている、と書きました。

1.その職業に特有の危険性を回避するための禁止義務
2.その職業の理想を実現するための努力義務

まずは1番めの禁止義務について見ていきましょう。
例えばお医者さんの誓いの言葉として有名な
「ヒポクラテスの誓い」の中には次のような文言が含まれています。

・食餌療法は患者の福祉のためにするのであり、
 加害と不正のためにはしないようにつつしみます。
・致死薬は、誰に頼まれても、けっして投与しません。
・婦人に堕胎用器具を与えません。
・どの家に入ろうとも、それは患者の福祉のためであり、あらゆる故意の不正と加害を避け、
 とくに男女を問わず、情交を結ぶようなことはしません。
・治療の機会に見聞きしたことや、他人の私生活についての洩らすべきでないことは、
 他言してはならないとの信念をもって、沈黙を守ります。

これらはすべて医者という職業につきものの危険性を回避することを謳っています。
医師は薬に関する専門的知識をもっていて、それで病気を治すことができるのですが、
医師は同時に、どの薬をどれくらい飲み過ぎると危険かとか、
何が毒であるかということも知っておかなければなりません。
その専門知識を悪用すると、誰にもばれずに人の病気を悪化させたり、
場合によっては殺害してしまったりすることも可能です。
したがって医師には、そうした知識を悪用しないという禁止義務が課されるわけです。
また医師は職務上、患者やその家族の秘密に接することができるので、
それを他言してはならないという守秘義務が課されます。
(三大プロフェッショナルである医者、法律家、聖職者にはすべて守秘義務が課されます)

このようにそれぞれの職業には特有の危険性というものがあり、
それを回避することが求められます。
例えば、プロ野球の選手は技術の限りを尽くして勝つためにプレーするわけですが、
自分のワンプレーによって勝敗の行方を左右してしまうことも時として可能であり、
したがって八百長が禁止されることになります。
政治家は国民の代表として国民全体の利益になるような法律を制定するわけですが、
特定の人や特定の企業にのみ利益をもたらす法律を作ってしまうことも可能なので、
賄賂を受け取ることが禁止されているのです。

どんな職業に就いている人も、
自分の職業に固有の危険性というものをよく知っておく必要があるでしょう。
さて、それでは問題です。
教員という仕事につきものの危険性にはどんなものがあるでしょうか?
できるだけたくさん考えてみましょう! 

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