まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

Q.大好きな本は何ですか?

2009-10-24 23:49:18 | 哲学・倫理学ファック
オススメの本は何ですかという質問もいただいているのですが、
それとこれは別の質問とみなして、まずは自分が好きな本からいきましょう。
私は何でもかんでも片っ端から読んでいくというタイプではありません。
気に入った作品や作家を見つけると、
そのシリーズやその人が書いたものを全部制覇したくなるというタイプです。
したがって、そんなにいろいろな本や作家を知っているというわけではありません。

一番最初に集めたのは、以前に書いたように、
怪人二十面相シリーズや怪盗ルパン、シャーロック・ホームズのシリーズでした。
しかし、これらはもういつの間にかなくなってしまいましたから、
今でも好きな本とは言えません。
次に集めたのは星新一のシリーズでしょうか。
星新一というのはショートショートというジャンルを開発したSF作家で、
ほんの数ページから長くても20ページくらいの短編小説ばかり書いていた人です。
この人の作品は子どもでもわかる日本語で書かれていて、
かつ人間に対する風刺に満ちているというか、けっこう深いので、
未だに本棚の奥から引っ張り出してきては読み返したりしています。

次に集めたのが司馬遼太郎です。
ただし私としては珍しく、
途中で集めるのを断念してしまった数少ない作家の一人でもあります。
作品数が多いというのもありますが、
明治以降を扱った作品群が今ひとつ好きになれず、
自然と離れていってしまったのです。
いわゆる 「司馬史観」 というのが鼻についたんだろうと思います。
司馬遼太郎の作品の中で特に好きなのは、ベタですが 『竜馬がゆく』 です。
これは何度読んだかわかりません。

伊丹十三のエッセイもよく読みました。
彼が映画を撮り始めるよりもずっと前に、
彼が俳優だったということも知らないままたまたま買ってしまった
『ヨーロッパ退屈日記』 というエッセイ集にものすごく魅せられてしまったのです。
彼の文体や彼の思想には相当影響を受けてしまっていると思っています。
このブログも、自分としては伊丹十三のエッセイのようなテイストをねらっているのですが、
それがうまくいっているかどうかは定かではありません。

あとは海外ミステリーものですね。
有名どころでは、パトリシア・コーンウェル、ジョン・グリシャム。
パトリシア・コーンウェルは女性検屍官ケイ・スカーペッタのシリーズは有名ですし、
ジョン・グリシャムの法廷ものはほとんど映画化されているのでご存じかと思います。
有名でないところでは、ドナルド・E・ウエストレークとポール・リンゼイがお気に入りです。
ウエストレークはミステリーというよりはコメディに近いかもしれませんが、
ドートマンダーというさえない泥棒を主人公にしたシリーズが秀逸です。
中でも 『ジミー・ザ・キッド』 は最高傑作でしょう。
ただし、この本を最大限に楽しむためには、
ドートマンダー・シリーズを最初から全部制覇していったほうがいいでしょう。
最初のほうはほとんど絶版になっていますので、コンプリートはたいへんかもしれません。
ポール・リンゼイは自身がFBI捜査官で、
在任中に処女作 『目撃』 を書いたということで話題になりました。
FBIが官僚機構として堕落しきっているところをコミカルに描き出していて、
その中でがんばっている現場の捜査官の団結がむちゃくちゃカッコいいです。

トム・クランシーのCIA分析官ジャック・ライアンのシリーズも好きでした。
処女作 『レッドオクトーバーを追え』 の映画を見たのが最初ですが、
映画もよく出来た作品でしたが、小説はさらに面白くてはまってしまいました。
しかしシリーズが進むうちにジャックは大統領にまでなってしまい、
その頃からだんだんトム・クランシーのタカ派政治観が表面化してきたので、
たぶんもう読まないでしょう。

あとは清水義範のパスティーシュのシリーズでしょうか。
ある本の内容をマネるのがパロディで、ある作家の文体をマネるのがパスティーシュです。
清水義範がそういうジャンルを切り開きました。
彼の作品もだいたい短編集ですので、どれも読みやすいです。
が、やはり 『国語入試問題必勝法』 という本に収められている同名の小説が、
なんといっても最高傑作でしょう。
腹がよじれるほど笑えます。

こうやって書き出してみると、とても偏っていますね。
しかも、学者らしさが微塵も感じられません。
私の中ではどれも哲学的・倫理学的な価値をもっているのですが、
たぶんそれを理解してくれる人はあまりいないでしょう。
哲学書関係では、もちろんイマヌエル・カントをはじめとして、
いろいろ挙げるべきものはありますが、
今回のご質問はたぶんそういうことを期待しているのではないと思うので、
それらは 「オススメの本は?」 のときにお答えすることにいたします。
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