暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

楽 東美正札会

2011年07月05日 | 茶道具
東京美術倶楽部で行われた東美正札会へ行きました。

秋の茶会で使うものを捜しにKさんとご一緒です。
ごく親しい方をお招きして行う小さな茶会ですが、
私にとって思い出深い茶会になりそうなので、
何かご縁があれば・・といそいそ出かけました。

開場して間もないのに「これは・・」と思うものには
すでに「売約済」の赤札が置かれていて、内心あせりました。
知合いの道具屋さんから予め「売約済」の赤札を貰っておき、
1または2時間以内に決済するというシステムです。

時間内なら、赤札を取り消しても良いことになっているので
気楽に置いていく方が多いのです。
すぐに尾戸焼のすっきりした水指が目に入り、赤札を置きました。

「あの棚にこの水指はどうかしら?」
「待合にこの掛物は?」
自分の持っているものや茶会のイメージを膨らませながら
茶道具を選び、取り合わせの可能性を話し、意見交換をします。
買わなくても買えなくても、この時間がめっちゃ愉しいです!

                      

道具屋さんを紹介してくださったSさんと待ち合わせ、昼食をご一緒しました。
Sさんからいろいろ貴重なアドバイスを頂きました。
昼食後に赤札を置いた水指を見て頂くと、
「新しい尾戸焼ですね。
 秋の茶会だったら他の道具と重ならないように
 秋草模様がない方が合わせやすいと思いますよ」

確かに、水指は最初から最後まで茶席に置かれているので
そこで秋を表現しては後から出てくる他の物が映えないと納得です。
いつも実践的なアドバイスをしてくださるSさんに感謝です。
Sさんは来年の茶会にぴったりのお軸とお出会いがありました。

全員、納得のいく買い物を済ませ、休憩席でまた茶談義をしました。
近況報告、道具の好み、茶会の心構えなど、奥の深い(?)話に花が咲き、
Kさん、Sさん、道具たちと過ごした東美正札会、また次回が楽しみです。

「えっ! ところで何を買ったの?・・・ですか?」
硝子茶入、茶杓、茶碗を買いました。どれもウレシイご縁でした。
いつかお目にかける機会があれば・・・と思います。

                          

     写真は、「水中に涼あり」と「半夏生」
           (いずれも長屋門公園にて)

                          

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (楽居庵)
2011-07-07 16:34:03
正札会で目利きしている情景が目に浮びます。

私も何回か行きましたが、面白いもので
目的があって回るときは、なかなか適うものが見つからず、冷やかしに行ったときは、
「わーあ、好いなあ」といった道具に出合ったりしました。

ある時、チャリティーオークションで欲しい道具に値段を入れて、最高価格を入れた人にその道具がいくのですが、私も遊び感覚で入れましたら、何と私一人しか札が入らず、争わずして入手したことがありました。

魚住法光作の砂張の蓋置でした。

次の年も味をしめてやったのですが、
「柳の下にいつも泥鰌はいな」かったです。

尾戸焼のすっきりした水指を拝見したいなぁ…
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。