暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

秋待つ撫子の茶事-2

2014年08月26日 | 茶事  京都編

銅鑼を5つ打って後座の席入をお知らせしました。
後座は花所望から始まりました。

茶事の前日、花屋さん(花長フローリスト)へ寄ると珍しくお休みでした。
お盆で忙しかったのだからお休みはもっともですが、
「河原撫子」を当てにしていたので・・・ガックリ。
でもまだ余裕があり、我が家の木槿を使おう・・・と。

             
                 毎朝、咲いている庭の木槿が・・・

ところが、翌朝、木槿が1つも咲いていません。
もう慌てて、お隣の庵主様にSOSしました。
「・・・宗旦木槿と祇園守りを一枝ずつ分けていただけませんか?」
すると、
「ちょっと待っておくれやす・・・」
しばらく待っていると、両手にあまるほど花を抱えて
「丁度、二度咲きの花が咲いていたので、お茶事に使っておくれやす」
「えっ!こんなにたくさん・・・あっ、ありがとうございます!」

それで急遽、花所望とし、お客さま3人に活けて頂きました。

       

Aさまが祇園守りを手にすると、中央の尺八へ。

Sさまは釣り花入に挑戦、いろいろ迷いながら楽しんでいましたが、
ブルーの久多菊(北山友禅菊とも)、白シモツケ、突抜き忍冬を入れました。
この釣り花入は白洲正子さん愛用の写しです。

Kさまは有馬籠に、矢筈ススキをダイナミックに使い、花トラノオ、久多菊、
白リンドウ、小海老草、祇園守りを入れました。

茶道口から床前へ廻ると、庵主様が丹精した花たちがイキイキと活けられて、
茶室は秋の風情でいっぱいです。

             

「撫子」の花言葉は、「純愛、無邪気、貞節、思慕、女性の美」など、
女性的なイメージですが、他に「大胆、才能、快活」もあるそうです。

3人のお客さまには「才能、大胆、活発」がお似合いのようにも、
また「純愛、無邪気、貞節」もぴったりのようにも思われて、
しばし花の話題が飛び交いました。
そして、花の力で心なごみ、元気をもらった気がします。

釜の煮えがついてきたので、茶入を水指前に置き、
花台を引いて茶道口で挨拶し、戸を閉めました。
心を引き締め、いよいよ濃茶です。
                                   

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