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2015年11月4日は暁庵の茶道教室の「炉開き」でした。
3年間京都住まいだったので炉を開けるのも3年半ぶり、炭を切り、灰を洗い、湿し灰を作り、清々しい気持ちで「炉開き」を迎えました。
「炉開き」は茶壺の「口切」の時期でもあり、無事に一年を迎えられたことを感謝し心を新たに茶壺の口を切る・・・茶人にとって正月とも言うおめでたい行事です。
茶道教室初めての炉開きを迎え、どのような形でお祝いしたらよいかしら?
今までご教示頂いた仕方を参考にしながら、自分流をあれこれ考えるのが愉しかったです。
茶事に慣れて頂きたいので茶事形式とし、懐石の代わりになだ万の弁当を注文しました。
稽古を兼ねているので、生徒さん全員に点前をして頂くことにしました。
11時席入、10時半を過ぎると次々と待合へ。
皆さま、炉開きを祝って素敵な着物姿(写真がないのが残念!)でいらしてくださり、
厳粛な中にも華やかな雰囲気が漂います。
ちょうど炉中に湿し灰を撒いて下火を入れるところだったので見学してもらい、
席入の時に濡れ釜の風情が御馳走であり、亭主の心入れであることをお話ししました。
颯爽とスーツ姿のM氏が到着し、詰のAさんが打つ板木の音が聞こえます。
御目出度い日なので桜湯をお出しし、腰掛待合へご案内しました。
迎え付けの時に大失敗、忘れ物が多く(蹲柄杓、手拭など)、何度も出たり入ったり・・・深く反省。
蹲を使い、無言の挨拶を交わしました。
濡れ釜を掛け、茶道口を閉めて席入りを静かに待ちました。
茶事と同様に生徒さん一人ずつと炉開きの挨拶を交わします。
床には
「応無処住 而生吾心」(おうむしょじゅう にしょうごしん)
金剛経の一節で、足立泰道老師に書いて頂いたお軸です。
私たちは職場、家庭、社会でいろいろなことに心を捉われ葛藤していますが、
自分が捉われていること、自身を縛っていることから、自分自身を解き放ち、無になってみましょう。
心を無にすると、自分はどうあるべきか、何をなすべきかが自ずとわかってきます・・・そんなお話をしました。
床柱に照葉と白玉椿を尺八に入れ、上座に茶壺を網袋に入れて荘りました。
お正客Fさんから茶壺の拝見が掛かり、茶壺の網袋をはずし、拝見に出しました。
茶壺の拝見の仕方を先ずは体験して頂きたいと思ったので。
茶壺は丹波焼、市野信水造、口覆いは笹蔓緞子、裏地は紫の塩瀬です。
「来年は拝見だけでなく口切までしてもらいたい」と内心思いながら、自分に言い聞かせます。
「養之如春 (これを養う春の如し)・・・あせらず、少しずつ進みましょうね」と。
初炭手前はAさんです。
炉縁は朱竹模様のある黒掻き合せ、大きな炉釜は菊桐文真形、菊地政光造です。
炭斗(常盤籠)に入っている炭の大きさや、灰器にたっぷり盛られた湿し灰が目を惹きます。
他にも羽根、火箸、香合、灰匙などが炉用に変わります。
初めての初炭手前は新鮮に映り、なにかワクワクするものがありました。
皆で炉を囲んで拝見するのも温かい雰囲気が漂い、好いものですね。
香合は織部の括り猿(六兵衛作)、香は坐忘斎お家元好み「松涛」(松栄堂、Sさまからの恵贈品)です。
「ふ~っ・・・つづきも見てね」
茶道教室の炉開きー2へつづく
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