暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

初詣-1 平安神宮で「翁」をみる

2014年01月03日 | 京暮らし 年中行事
            

元日の初詣は平安神宮へ。
12時30分から平安神宮神楽殿で京都能楽会新年奉納が
あるというのです。
神楽殿へ行くと満席に近く、かろうじて後方に座り込みました。

            

まもなく、最初の演目「翁」が始まりました。
能「翁」の呪文のような神にささげる歌です。

   とうとうたらりたらりら
        たらりあがりららりとう・・・

翁は「能にして能にあらず」といわれ、能が正立する以前の
「猿楽」の形を残した能です。
天下泰平、五穀豊穣、国土安穏を祈る能なので、
新年を寿ぐのにこれほどふさわしい能はありません。

            
                    千歳の舞

以前観た能「翁」とはだいぶ違い、日吉式となっていました。
面を着けずに千歳、翁、三番叟の三人が次々と謳い舞う、
とてもシンプルな「翁」で、能が成立する以前の神楽「翁」を
再現しているかのようでした。

           
                    翁の舞

以前、金剛能楽堂へ見学に行った折、
金剛永謹氏が翁で使う面(白色尉と黒色尉)を手にして
次のようなことを話してくださいました。

  その昔、「翁」は神楽として神官が演じていました。
  あるときに神官から能楽者へ丸投げされたのです。

  神官ではない能楽者が神前で「翁」を奉納するためには
  大変な努力をしなくてはなりませんでした。
  別火を行い、身を浄め、神に近づくために「面」をつけ、
  祈りのための「翁」を演じるのです・・・と。

そんなお話を思い出しながら「翁」を拝見しました。

           
               力強い三番叟の舞

「翁」に続いて「高砂」まで拝見してから、本殿の参拝の列へ並びました。
並ぶこと30分、やっと神前に進み、小さな幸せをお願いしました。
初詣後は恒例のおみくじです。
「末吉  願い事は叶うけれど、たゆまぬ努力をしなさい・・・」
大いに納得して、次の「日向大神宮」へ向かいました。

      
          初詣-2 日向大神宮へつづく
                                 ときどき時雨


 
(参考)       
京都府 【京都能楽会新年奉納】
12時半  平安神宮神楽殿
★翁 日吉式 浦田保浩 田茂井廣道 茂山良暢 
 笛 森田保美 小鼓 林吉兵衛 林大和 林大輝 井林久登
★舞囃子 高砂 金剛龍謹 
 笛 杉信太朗 小鼓 曽和尚靖 大鼓 石井保彦 太鼓 井上敬介
★仕舞 鶴亀 吉田篤史 
    東北 キリ 河村晴久 
    猩々 宮本茂樹
★仕舞 田村 クセ 種田道一
★小舞 三人夫 網谷正美 松本薫 山口耕道
★舞囃子 嵐山 片山伸吾 
 笛 左鴻泰弘 小鼓 吉阪一郎 大鼓 渡部諭 太鼓 前川光長




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