暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

水無月の稽古と菓子づくり

2015年06月06日 | 暁庵の裏千家茶道教室
                    
                            柏葉紫陽花(かしわばあじさい)

6月3日は水無月最初のお稽古日で、朝から雨でした。

3年間ほったらかしにしていた梅の木から青梅を1.5キロも収穫し、
梅ジュースを仕込んだばかりだったので、「青梅」の菓子を作りたくなりました。
・・・といっても初めての挑戦です。生地はういろうにしました。

                     

分量の白玉粉を水で滑らかに解き、15分蒸したものに砂糖と色粉(緑と黄で調整)の液を加え、熱しながら木ヘラで練ります。
練りあがったら片栗粉をはたいたバットにあけて、片栗粉をまぶします。
この生地を1個分ずつちぎって丸く平たく伸ばし、丸めておいた漉し餡(25g)を包み込みます。
あとは青梅らしく形を整え、ヘラで溝を一本つけて出来上がりです。

                     

挑戦してみると意外と簡単で美味しく、いろいろな菓子が出来そうな気がしてきました。
「きんとん」しか出来なかった不器用な私がなぜ急に菓子づくりをはじめたか、
それはハワイのSさんから手作りの干菓子と同時に刺激を沢山贈られたからでした。

Sさんはハワイで裏千家茶道を教えていらして、
「お稽古ごとに季節の茶菓子を作り、その朝に咲いた花をいれ軸を変え、
 今日はどんな歳時記の事お道具の事などお話ししようかと考えます・・・」

茶事や稽古の道具組、活けられたお花、手作りの茶菓子や懐石の写真を見て、Sさんの真摯な心構えがビンビン伝わり、
常夏のハワイなのに日本と同じに季節感を大切にしているSさんにいつも感動と刺激を受けています。
・・・そして「Sさんを見習って私も精一杯やれることをやって、生徒さんをお迎えしよう」と思うのです。

                    

雨のぱらつく中、FさんとAさんが着物で来てくださいました。
その日のお軸は、足立泰道和尚の清々しい筆で「水上青々翠」、お花は今はナイショ・・・。
利休好み丸卓に芥子の花が描かれた白磁の水指を置き、四季七宝蒔絵の黒中棗を荘りました。
初炭、唐物、貴人点濃茶と稽古が進んだ頃に、その日が稽古始めのKさんがいらっしゃいました。
Aさんの貴人点薄茶点前、Fさんの半東、私が貴人で薄茶を貴人茶碗で頂き、
Kさんがお供として別の茶碗で薄茶を頂きました。
急遽、お供が相伴するという形です・・・従来にない設定で、試行錯誤でしたが面白かったです。

                    

新入門のKさん、緊張しながらも床のお軸とお花を観賞して嬉しそうでした。
目の前に「水上青々翠」の広がりを想像しながら、雨の日ならではの花を味わってくださったみたいです。
私も久しぶりの割り稽古にとても新鮮な気持ちになりました。
次回のお稽古日が待ち遠しい思いです。

                         なんとか  ぞ!

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