暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

上田宗箇展へ(1) 添釜

2012年01月14日 | 美術館・博物館
1月13日に上田宗箇「武将茶人の世界展」(16日まで)へ行きました。

上田宗箇流のSさんから招待券を贈って頂いたので、
会場の銀座松屋にて茶友Yさんと10時に待ち合わせました。
Sさんから次のようなメールを頂き、添釜席へ入りたいと思ったのです。

 「13日に宗箇展へいかれるのですね。
  今日から、宗箇展で添釜が始まったようなので、空いていると良いですね。
  掛物が、最後の殿様として有名な浅野長勲 公の歌だそうです。
  釜が宮島釜がかかるそうなので、関東の方には珍しいかもしれません。

  なんでも盛況だそうで、入場制限があったとか・・・
  予想外でびっくりしました・・(Sさん、嬉しい悲鳴でよかったですね!)」

                

先ず、添釜の初回(11時~)を予約してから展示を見ました。
上田宗箇流のおもてなしと点前をこの機会に初体験したいと思ったのです。

客は12名で、立礼席でした。
棚は上田宗箇流の立礼棚、釜は富士釜、呉須の染付の水指は明の時代のものとか。
床には浅野長勲公の梅を詠んだ和歌が掛けられ、
龍耳古銅の花入に日向水木と椿(赤)が入れられています。
十二か月の内、睦月の香合(写真)が飾られ、宗箇が書き残した香の配合を
山田松香木店に作らせたという練香が入っていて、
宗箇様御伝「清静(せいせい)」を聞かせて頂きました。
香合の敷布の宗箇風通(そうこふうつう 復元)も素敵でした。

点前は袴姿の男性の方でした。
武家茶なので、帛紗は右に付けています。
柄杓を左胸前で槍を持つかのように立てる構えが特徴的でした。
弓を引く動作も意図されているようです。
袱紗捌きも全く違い、斬新でした。
右手で右腰の帛紗をとると、右ひざへ置いて折りたたみます。
その帛紗を左ひざ上でぱらりと開き、再び折りたたんで棗や茶杓を清めます。
茶筅通し、茶杓の清め方など目を皿のようにして拝見しました。

                 

お菓子は広島産を日替わりで出しているそうですが、
この日は「クジラ羊羹」、クジラは入ってなく、上に黒い羊羹が薄く乗り、
下は白い道明寺のような食感の羊羹で、美味しかったです。
薄茶を三嶋「上田暦手」写の茶碗で頂戴しました。
裏千家流と同じように泡立った、クリーミィな薄茶です。

主茶碗は唐津、17世紀の物だそうです。
棗は、お手植えの宗箇松が高蒔絵で画かれた大棗で存在感がありました。
茶杓は、銘「岩舟」で宗箇作(たしか?違ったら教えてね)でした。
「岩舟」は、宗箇が晩年に住んだ地名で、きれいな湧水が今でも流れているそうです。

照明を落とした立礼席はゆったりとした落ち着きの中にも
上田宗箇流のお好みや精神性が感じられ、素晴らしい添釜でした。
終了後、途中まで拝見した会場へ戻りました。 (つづく)

                            
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