辛夷の咲く春を待ちわびながら・・・
如月の候、遠出や五葉会(七事式の勉強会)は無理できずにお休みしましたが、
暁庵の茶道教室は社中の皆様に助けられて休まず稽古しています。
如月といえば大炉。
我が家には大炉が切ってないのですが、めげずに大炉の稽古をしました。
逆勝手の点前座に薄縁を敷き、茶道口に障子戸を置きました。
炉の五徳を右下方へ寄せて風炉真形釜を掛け、左上方に雪輪瓦の代わりに或るものを入れ、
あとで湿灰を入れてもらい、灰匙をさします。
ミモザが真っ盛りです
この日はYさんとFさんがいらっしゃいました。
月に1回、福島県I市を朝早く出発し高速バスに乗って来てくださるので、昼食をお出ししています。
実は、大げさではなく、軽めで美味しい我が家の家庭料理を食べて頂きたい・・・と、
毎回あれこれ考えてお出しするのがささやかな楽しみになっています。
この日はドライカレー、ホウレンソウの胡麻和え、タクワン、味噌汁だったかしら?
早めに来てくださったFさんと三人で仲良く「いただきます!」
大炉の初炭手前に始まって薄茶、昼食後に後炭手前と濃茶、
「大炉のお稽古は初めてです」と言いながら、Yさんが頑張りました。
その後にFさんに薄茶ともう一度後炭手前をしてもらいました。
大炉はなんといっても後炭手前に風情があり、焙烙の湿灰を撒く所作が見せ場でもあります。
焙烙は京都・壬生寺で購入した思い出の品を使いました。
炭斗に後炭を組んでおき、中立で炭の様子を見て後炭に必要な炭を見積もって炉の左上方隅へ入れます。
集中して大炉の点前が続いたので、頭も身体も大炉仕様になり、逆勝手とは思えないスムーズなお点前になりました。
「来年は、親友Kさん宅の大炉でお稽古しましょうね!」
今日お話しした大炉の違いや特徴がもっとわかり易くなることだろう・・・と楽しみもできました。
(そろそろ「木五倍子(キブシ)の道」を歩いてみよう!)
大炉仕様から通常の炉へ戻した頃、N氏から見学希望のメールが届きました。
その日はFさんの真之行と、Kさんの濃茶平点前を予定していましたが、真之行は次回に変更し、
盆香合と薄茶貴人点を見学して頂きました。
盆香合は、名物や由緒ある香合を用いて炭手前を行う時にする点前ですが、
香合台の炭の上に香合を乗せずに炭斗を持ち出し、後から盆に乗せた香合を持ち出します。
Fさんが選んだのは青磁の桔梗香合、盆は黒四方盆でした。
「盆香合を拝見するのは初めてかもしれません・・・」とN氏。
20年ほどお茶から離れていたというN氏、でもなかなかの正客ぶりです。
Fさんが貴人点で点てた薄茶を二服、美味しそうに味わってくださいました。
クリスマスローズ
雪起こし(ゆきおこし)とも
寒さに強く、
冬枯れの大地で
雪を持ち上げて
花を咲かせるところから。 (季節の花300より)
その後にKさんの濃茶平点前と薄茶平点前が続きます。
濃茶点前はその日が二度目、
「先生、何も覚えていません!」と言っていたけれど、
基本所作がきちんと出来ているので二度目とは思えないほどで・・・頼もしく思いました。
三寒四温の日々、春を待ちわびながらの教室だよりです。
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