mairiの趣味日記

バレエ鑑賞記、フィギュアスケート観戦記、その他趣味の記録など

新国立劇場バレエ『マノン』(2/23)~鑑賞メモ

2020年02月25日 | 舞台鑑賞日記
<キャスト表>


ムンタギロフ客演と言うことで、久々に新国立劇場へ。コロナウィルスの影響か、ほぼ完売の公演の筈なのに、空席がちらほら…。
マノン役は米沢さん。さすがに、以前ロイヤルシネマで観たムンタギロフ&サラ・ラムのペアには敵いませんでしたが、米沢さんペアも素晴らしかったです^^(できれば、ムンタギロフと組む小野さんマノンも観たかったな~。)

米沢さん(くるくるパーマヘア似合わない…(苦笑))のマノンは、1幕はお転婆風味。ちょっとお金をくすねて逃避行しちゃうところとか、寝室のパドドゥでデグリューに甘えるところとか、明るくてあっけらかんとしたお嬢さんと言う感じ。
でも、GMの贈り物を見て目がキラン!とか輝くところなんかは、やっぱり下衆のレスコーの妹だな、と言う感じ。2幕は堂々たる風格のゴージャス美女、それが3幕では心を失くしてしまった憐れな女になるところのコントラストが強烈でした。
米沢さんを見ていると、バレエの表現と言うのは、やはり技術の上に成り立つのだなあと言うことがよくわかります。技術を研ぎ澄まして研ぎ澄まして、それが表現になる。情熱型の女優バレリーナとはまた違う、彼女ならではの個性だなあと思いました。

対するムンタギロフのデグリューは、とにかくアツい!ちょっと暑苦しいくらいですが、少し淡泊な米沢さんと良いバランスになっていたと思います。
例えば、2幕の米沢さんマノンは、正直デグリューに何の未練もなさそうなんですよね。富と享楽を楽しんでいて、それに酔ってもいる。でも、ムンタギロフのデグリューの熱情に、「しょうがないわねえ」とほだされてしまったように見えました。多分、デグリューがあそこまでアツくなかったら、普通に無視してたんじゃないかと思います(笑)
そして、ムンタギロフも、何と言っても技術が完璧。どの場面を切り取っても、ため息が出るほど美しいです。

その2人の対比が一番くっきりしていたのが、3幕でした。どこまでも一途なデグリューに対して、マノンはなんだか冷めている感じなんです。もう心もここにないし、全てがどうでもいい、みたいな。ただ、沼地の場面で、デグリューと触れ合った時にだけ、バチっと火花のように生が戻ってくる。でも、またすぐ消えちゃうんです。
個人的には、もう少し生(=デグリュー)に執着するマノンが好きなのですが、米沢さんのマノンはこれはこれで面白いと思ったし、ムンタギロフの熱量が多いからこその解釈かなあとも思いました。

レスコー役の木下さんと、愛人役の木村さんも、とても良かったです。木下さんは、がっつり踊る役で観たのは初めてかな?少しアクは弱いけれど、共演者にちゃんと合わせて丁寧に踊っている感じが好印象でした。木村さんも、素敵なダンサーになりましたね。正直、以前は、スタイルは良いし可愛らしいけれど、あまり印象に残る感じではなくて、なぜ大きな役が付くのか不思議に思っていたのですが、良い感じの貫禄が出てきたと思います。コミカルな演技は、もう少し徹底してもよかったかな。

その他の登場人物は、可もなく不可もなく…。まあ主要4役がよかったからいっか(^ ^;

衣装は、2幕の茶色系ゴージャス衣装が、もう少しだけ明るい茶色だとよかったかなあ。なんだか重く見えてしまって。オーストラリアバレエ団からの借り物のようですが、少しアジア系の肌色と合わない色なのかもしれません。
あと、本筋ではないのですが、3幕の流刑地に向かう女たちの汚れメイクが徹底し過ぎてて怖い、、、もう少し救い(?)がほしい。

演奏(東響)は、見せ場でTpが一度やらかしていましたが、全体的に、ドラマティックで盛り上げ上手な感じで良かったです。やっぱり生演奏と生バレエはいいなあ♪

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