mairiの趣味日記

バレエ鑑賞記、フィギュアスケート観戦記、その他趣味の記録など

ハンブルク・バレエ団『ニジンスキー』(2/12)~鑑賞メモ

2018年04月15日 | 舞台鑑賞日記
リアブコ渾身の『ニジンスキー』。出演人数と音楽に圧倒された半面、何度も観たい作品かと訊かれると、…うーん。。。

主要キャスト:
ニジンスキー … アレクサンドル・リアブコ
ロモラ … エレーヌ・ブシェ
ブロニスラヴァ・ニジンスカ、妹 … パトリシア・フリッツァ
スタニスラフ・ニジンスキー、兄 … アレイズ・マルティネス
ディアギレフ … イヴァン・ウルバン
エレオノーラ・ベレダ、母 … アンナ・ラウデール
トーマス・ニジンスキー、父 … カーステン・ユング
タマラ・カルサーヴィナ … シルヴィア・アッツォーニ
レオニード・マシーン … ヤコポ・ベルーシ

【ダンサーとして役を演じるニジンスキー】
『謝肉祭』のアルルカン … アレクサンドル・トルーシュ
『ばらの精』 … アレクサンドル・トルーシュ
『シェエラザード』の金の奴隷 … マルク・フベーテ
『遊戯』の若い男 … ヤコポ・ベルーシ
『牧神の午後』の牧神 … マルク・フベーテ
ペトルーシュカ … ロイド・リギンズ
内なる世界でのニジンスキーの象徴、ニジンスキーの影 … アレイズ・マルティネス、アレクサンドル・トルーシュ


幕開き前からピアニストさんが演奏していると言う、お洒落な演出で開演。

1幕は、バレエリュスの色々な踊りが観られて、純粋に楽しかったです。(登場人物が多すぎて、ちょっと置いて行かれ気味にもなりましたが;)特に、金の奴隷のフベーテが素敵でした。
ロモラにプロポーズするの時の、花束を持ったニジンスキーが最高に幸せそうで、あたたかい気持ちになりました。

ただ、続く2幕は、ひたすら重くて暗くて怖くて…。正直、途中でちょっと疲れてしまいました(^ ^;まあ、ショスタコの音楽を使って戦争と狂気を描いたら、そうなるのも仕方ないのですが。各場面が表現するものを、もう少ししっかり予習していれば、雰囲気にのまれ過ぎずに楽しめたのかな?
そんな中、ディアギレフのウルバンはさすがの存在感。ディアギレフが亡くなった後に、ニジンスキーの心を覆う「無」が、見ていて辛かったです。
唯一の救いは、全編を通して、ブシェ演じるロモラの愛が感じられたことでしょうか。ラスト、赤と黒の大きな布が出てくるのですが、その赤がロモラのドレス(デザイン可愛い♪)と同じ色だったのが印象的でした。

主役のリアブコは、「すごい」の一言。もはや命を削って踊っているのでは、と感じるほどで、インタビューで「精神的に辛い役」と言っていた意味がわかる気がしました。体力的にも、とにかく大変そうで;とりあえず、ドイツに帰る前に美味しいものをいっぱい食べて帰ってほしいな、と思いました。

と言うことで、作品としては素晴らしく、消化しきれないシーンも多かったので、もう一度映像で復習したいなあとは思っているのですが。気力体力がよほどある時でないと無理と言う理由で、復習はしばらく先になりそうです。。。

ハンブルク・バレエ団『椿姫』(2/2)~鑑賞メモ

2018年04月01日 | 舞台鑑賞日記
楽しみにしていたハンブルクの『椿姫』。初日&コジョカルの復帰公演と言うことで、会場もなかなかの熱気でした。

主要キャスト:
マルグリット・ゴーティエ … アリーナ・コジョカル
アルマン・デュヴァル … アレクサンドル・トルーシュ
ムッシュー・デュヴァル(アルマンの父) … カーステン・ユング
マノン・レスコー … シルヴィア・アッツォーニ
デ・グリュー … アレクサンドル・リアブコ
プリュダンス … 菅井円加
ガストン・リュー … ヤコポ・ベルーシ
オランプ … フロレンシア・チネラート
公爵 … ダリオ・フランコーニ
伯爵N … コンスタンティン・ツェリコフ
ナニーヌ(マルグリットの侍女) … パトリシア・フリッツァ

演奏 … 東京フィルハーモニー交響楽団
指揮 … マルクス・レーティネン
ピアノ … ミハル・ビアルク、オンドレイ・ルドチェンコ


全体的に、パリオペの舞台と比べて、どことなく大味と言うか、骨太な舞台と言う印象。パリオペの方が、繊細な雰囲気かな、と言う気がしました。どちらが良いと言うことではなく、それが団の個性なのでしょう。

コジョカルは、最初はかなり抑え気味な感じで、舞台カンや体力が戻り切っていないのかしら…?と心配したのですが、白のパドドゥあたりからはどんどん乗ってきて、ラストは本当にドラマティックで素敵でした。復帰初舞台と言うことで、本人もかなり緊張していたのか、終演後は少し感極まっていたように見えました。
ただ、『椿姫』は、正直主役のテクニックを楽しむ演目ではないので、次の来日演目(『眠り』withバーミンガム)では、クラシックのテクニックバリバリの彼女を観られるのを楽しみにしたいと思います。

アルマンのトルーシュは直情型。熱くてドラマティックで良かったけれど、もう少し複雑な感情表現もできると良いですね。リアブコ@デグリューと並んで踊ると、さすがにちょっとテクニックの粗は見えてしまうかな;

と言うことで、主役2人は十分にドラマティックで素敵でしたが、以前に観たオレリー×エルヴェとか、アイシュヴァルト×リアブコ(ガラですが…)程のケミストリーはなかったかなあ。(まあ、あの2組がすごすぎたんでしょうけど;)

話題の菅井さんは、バネのある活き活きとした踊りがプリュダンスにぴったり♪とっても可愛らしかったけれど、もう少し小悪魔感とかセクシーさがあってもいいかも。袖にボリュームがある衣装が多くて、ちょっと日本人のヴィジュアルとしては不利でしたかね…。

出番こそ多くないものの、もう1組の主役であるアッツォーニ&リアブコ夫妻のマノン&デグリューは、期待通り素晴らしかったです!マノンが、不気味な幻影に見える一方で、物語の語り部のようにも見え、ラストはマルグリットを導く天使のようにも見えました。この、裏の物語があるからこそ、この作品は深みがあるのだなあと改めて認識。
(ところで、この夫妻でマルグリット×アルマンをやることってないんでしょうか?もしあるなら、ぜひ観たいです…!)

脇役もそれぞれに生き生きとして素晴らしかったです。役名はわからないのですが、当て馬(?)にされていた、アルマンの友人のメガネのおにーさんが、情けなくて良い味を出していました。

ピアニストさん達は、ブラヴォーの一言。以前にも書いたかもしれませんが、ショパンの音楽がもともとバレエ用でなかったなどとは信じられないほど、場面場面に、そしてダンサーの動きにぴったりとハマっていました。影響されて、翌日からもしばらくショパンのピアノ協奏曲を聴いていました^^