mairiの趣味日記

バレエ鑑賞記、フィギュアスケート観戦記、その他趣味の記録など

パリオペラ座バレエ団『オネーギン』(2020/3/6)~鑑賞メモ

2020年06月08日 | 舞台鑑賞日記
新型コロナウィルスの影響で世の中がどんどん変わっていく中でしたが、衣装がもう運び込まれているなどの事情もあり、強行突破された公演。
迷いつつも、行くことにしました。(因みに、5階席はガラガラで、私の周辺は誰もいませんでした(^ ^;)

<キャスト>
オネーギン:ユーゴ・マルシャン
タチヤーナ:ドロテ・ジルベール
レンスキー:ポール・マルク
オリガ:ナイス・デュボスク
ラーリナ夫人:ベアトリス・マルテル
乳母:ニノン・ロー
グレーミン公爵:オドリック・ベザール

指揮:ジェームズ・タグル
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

気高く強いドロテのタチヤーナと、やんちゃなマルシャンのオネーギンの化学反応が素晴らしかったです。

1・2幕のドロテは、本人の雰囲気がお洒落で洗練されているので、田舎娘には見えないのですが(笑)、生真面目な感じのタチヤーナ。夢の中である鏡のパドドゥと、舞踏会の場面が、彼女の中では完全に繋がっている(混同しているとも言う)んだな、と言うのがよくわかる演技でした。彼女は、ただただ自分の夢の中のオネーギンに恋してたんですよね。
そんなドロテですが、決闘後の慟哭とオネーギンへの憎悪は、これまで観たタチヤーナの中で一番激しかったように思います。
結婚後のゴージャスオーラはさすがの一言。ドレスが、ピンク強めのローズレッドで可愛い^^

対するユーゴのオネーギンは、本当に「嫌な奴」と言う感じ。踊りの美しさも相まって、1・2幕のタチヤーナへの態度は、悪魔的ともいえるほどの冷徹さとカッコ良さに溢れていました。

そんな2人の手紙のパドドゥは、火花散るほどの激しさで見応えがありました。
自分の時だけが止まっているのか納得いかない、なぜタチヤーナの時は動いているのか。それならば自分の時も動かして欲しい…、と言うわがまま自己中坊やなオネーギン。
それに対し、オネーギンには絶対になびかないと決めている、大人のタチヤーナ。オネーギンの熱さにほだされそうになるのを必死で抑えている様が気高く、美しかったです。

脇を固めるレンスキーとオリガのコンビも良かったです。2人とも、雰囲気が爽やかで技術が高い。特にマルクのレンスキーは、感情がダイレクトに伝わってくる熱演でした。

群舞も、1幕のロシアンダンスや3幕のワルツなど安定していて、やっぱりオネーギンの構成は素晴らしいなあと再認識。衣装の色は、一昨年観たシュツットガルトよりも明るめな感じがしました。
オケは、いつものシティなんですが、音量も変だし流れももたもたしてるし、大丈夫?という箇所が多数。どうせ公演が中止になると思って、練習してなかったのかしら、、、

終演後、幸せな気持ちで山手線に乗っていたら、空いている車内にオニール八菜さんを中心とするダンサーグループを発見。みなさん、マスクとか何もしてなくて、大丈夫なのかしら…とちょっと心配になりました;
次回来日は3年後でしょうか。その時は、ぜひ今回実現しなかった『ライモンダ』を持ってきていただきたいです!