mairiの趣味日記

バレエ鑑賞記、フィギュアスケート観戦記、その他趣味の記録など

Stepsミュージカル『覗きからくり遠眼鏡』(5/22昼)~観劇メモ

2010年05月22日 | 舞台鑑賞日記
友人の出演するSteps公演へ。

主要キャスト:
箱崎松之助 … 柳瀬亮輔
かもめの武蔵 … 清水 廉
お梅 … 清水由樹
東雲のお龍 … 吉川恭子
賽の目三次 … 川井康弘
お志乃 … 黒瀬千鶴子
ヤモメの熊 … 田村耕一
アタリメ権太 … 中村勇矢
おしめの千松 … 鈴木英恵


紀伊國屋サザンシアターと紀伊國屋劇場を間違えると言う初歩的なミスを犯し、最初を見逃してしまいました(T_T)
要所要所で笑えて元気の出る作品。ここの役者さんたちは身体能力が高いので、舞台の大きさを存分に生かせるんですよね。着物衣装であれだけ動き回れるのはすごいです。
歌に関しては、「きらきら星」が印象的に使われていた以外は、あんまり記憶に残るナンバーがなかったかな?ミュージカルと言うよりは、たまに歌が入るお芝居と言う感じ。
友人は今回は大役で、しかもこれまでの彼女のイメージとは全く違う役柄だったのですが、見事にこなしていました。ブラヴォー(^-^)

残念だったのはラストで。。。各々の登場人物の末路を口上で語る、と言う場面。あれがなければすっきり終わって、かつ希望も感じられて良かったのになあと思いました。
ここの脚本家さんって、毎回「これさえなければ」って言う素人くさい演出をするんですよね。役者さんたちがよいだけに、ちょっと残念です。

東京バレエ『オネーギン』(5/15)~観劇メモ

2010年05月15日 | 舞台鑑賞日記
あの『オネーギン』がついに日本のバレエ団で上演されることに♪

主要キャスト:
オネーギン:木村和夫
レンスキー:井上良太
タチヤーナ:斎藤友佳理
オリガ:高村順子
グレーミン公爵:平野玲

指揮: ジェームズ・タグル
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


衣装や舞台装置はシュツットガルトのものなので、舞台が開いた瞬間から雰囲気はバッチリ。オケも、たまにTpが?となることはありましたが、好演していたと思います。指揮者をシュツットガルトから直接呼んだ効果でしょうか。

まずは木村さんのオネーギン、ネット上では絶賛している感想も多いようですが、私はちょっと物足りないかなあと思いました。それこそ雰囲気は抜群なんですけどね。それだけで乗り切っちゃったと言うか…。1幕も3幕もあんまり違いが感じられなかったし、決闘シーンを始め、もう少し濃ゆい表現をして欲しかった箇所もいくつか。

レンスキーの井上さんとオリガの高村さんは、正直あんまり印象に残っていません。役に負けちゃったのかも?
逆に惹きつけられたのが、グレーミン公爵の平野さん。タチヤーナを包み込むような優しさと、渋い紳士の魅力を振りまいていました。

そして、主役のユカリューシャは素晴らしかった!難度の高いリフトでドキドキする場面こそありましたが、初役だなんて思えない完成度(@_@)ロシアで生活してきた彼女だからこそ、ここまでタチヤーナを表現できたんでしょうね。
1幕でオネーギンに恋する乙女の初々しさ、可愛らしさ。3幕でオネーギンを拒絶する強さ。敢えて「威厳」を出さなかったところに、「強さ=実は強がっているだけ」と言う彼女の憐れさが感じられました。寝室を出て行くグレーミンにすがりつかんばかりの彼女の様子に、内気な少女タチヤーナの面影が見え、胸が締め付けられるようでした。

群舞も、なかなかよかったです。1幕の村人の踊りの場面では、客席から拍手が沸き起こったほど。新レパートリーに対するものすごい気合(エネルギー)が、空回りせずに良い具合に観客に働きかけていたと思います。
ただ、今後レパートリーとして永く上演し続けていくためには、フレッシュさだけではダメだよね、と言うのも感じました。衣装や舞台装置だって、「借り物感」を好意的に見てもらえるのは今回だけですからね。次回以降は、ちゃんと東京バレエ団ならではの良さを出していけるようにならないと、いつまでも「シュツットガルトの劣化コピー」のままです。全体的に好印象だった今回でさえ、「やっぱりシュツットガルトってすごかったんだなあ」って思いましたから:P

と、最後辛口なことを書いてしまいましたが、日本でこの素晴らしい演目を観られる機会を増やしてくれたことについては、本当にありがとうと言いたいし、これからも頑張って欲しいと思います。再演の際には、更に素晴らしい舞台が観られるといいな^^

新国立劇場『ガラントゥリーズ/カルミナ・ブラーナ』(5/1)~観劇メモ

2010年05月03日 | 舞台鑑賞日記
GWの宿題その③

主要キャスト
『ガラントゥリーズ』
川村真樹/湯川麻美子/小野絢子/長田佳世/山本隆之/芳賀 望/八幡顕光/福岡雄大/大和雅美/寺田亜沙子/伊東真央/井倉真未

『カルミナ・ブラーナ』
フォルトゥナ … ヴィクトリア・マール
神学生1 … グリゴリー・バリノフ
神学生2 … 八幡顕光
神学生3 … ロバート・パーカー
恋する女 … さいとう美帆
ローストスワン … 本島美和

指揮 … ポール・マーフィー
演奏 … 東京フィルハーモニー交響楽団
歌手 Sp臼木あい/Tn五郎部俊朗/Br牧野正人


いつもは超メジャー作品を観に行く新国立劇場。今回は、むしろ『カルミナ・ブラーナ』ファンのyukiちゃんに引っ張られて行ってまいりました。

『ガラントゥリーズ』
ストーリーは、特にないのかな?モーツァルトの音楽に乗せたお洒落な小品。モーツァルトの音楽を使ったバレエって意外と多いみたいなので、ダンス向きなのかしら。
配役表だけでは見分けがつかなかったのですが、テンポの速いヴァリエーションを踊った女性ダンサーの動きがすごくキレイでした。
ところで、女性のアプリコット&グレー色のロマンチックチュチュはともかく、男性のアプリコットシャツ(微妙な肌襦袢にしか見えない)+グレータイツ(切り返しの位置が悪いので、短足に見える)はどうにかならなかったのかなあ。。。

『カルミナ・ブラーナ』
ストーリーを確認したのが鑑賞後だったので、イマイチわからない…と思いながら観ていたのですが、なかなか面白かったです。モーツァルトに比べると明らかに踊りにくそうなこの曲に、振付をしちゃったビントレーはすごい(@_@)

フォルトゥナのマールはかなり筋肉質で、リフトする男性にはちょっと重そう;でも、力強い雰囲気が役柄に合っていたと思います。やっぱり運命の女神はヤワじゃ務まりませんからね。
ローストスワンの本島さんはちょっとコケティッシュで、でも妖しさもあってよかったです。逆に、恋する女のさいとうさんは全く印象がない。。。
神学生は3人ともよかったけれど、フルで衣装を着ていると、なぜかすごく太って&短足に見えるんですよね。もう少しすっきりした衣装にすればよかったのに。

群舞は、なんだかアジアンな雰囲気のものが多かった気が。どことなくウェストサイドストーリーを彷彿とさせます。ただ、妊婦さんの踊りは妙に恐くて好きになれませんでした(+_+)

最後のシーンの直前で、大きな白い布が舞台上を覆うんですが、この布の使い方(動かし方)がすごく巧くて、場面転換が印象的なものになっていたと思います。

音楽は、テンポがよくて安心して聴けました。カウンターテナーの如きテナー高音が不安定すぎたのには、ちょっとハラハラしましたけど。それにしても、合唱とソリストを全員ピットに入れるなんてできるんですね。ちょっとびっくりしました。

モスクワ音楽劇場バレエ『白鳥の湖』(4/17)~観劇メモ

2010年05月02日 | 舞台鑑賞日記
GWの宿題②

主要キャスト
オデット/オディール … ナターリヤ・ソーモワ
ジークフリート王子 … セミョーン・チュージン
ロットバルト … アントン・ドマショーフ
道化 … ドミトリー・ムラヴィネッツ

指揮 … フェリックス・コロボフ
演奏 … 国立モスクワ音楽劇場管弦楽団


久々に観たブルメイステル版♪よく考えたら、生で観るのは初かも?

1幕の背景&衣装はブルーグリーンが基調。こういう独特な色合いが、このバレエ団の特徴のようです。
大活躍だったのは、もちろん道化。テクニックが正確で愛嬌もあって、抜群の存在感でした。王子は正統派のノーブルな雰囲気。森の彼方をぼんやり眺める様(何が見えてたんだろ???)が絵になります。

2幕で登場のオデット姫(正確には、プロローグでも出ていますが)は、可憐で儚くて、強烈な個性と言うものはないけれど、オデットとしてはマル。
白鳥達は18羽+小さな4羽+大きな3羽の中編成(?)。こちらも特別な個性や長短所はなく、王道と言う感じ。

この版の真骨頂は、やっぱり3幕(^-^)観ていてわくわくしちゃいました。
妖しげな民族舞踊が舞台上を埋め尽くしていたかと思うと一瞬ではけるところなんか、本当にゾクっとします。衣装はちょっとクドめなんですが、それが却って雰囲気に合っていたと思います。
で、テンションが最高潮に達したところでオディールの32回転。さっきの可憐なオデットと同じ人?と思うくらい、妖艶で華やかです。
ただ、オケのテンションはやや上がりすぎてしまったようで…。金管&打楽器が暴走気味だった気が(^ ^;

4幕は、これまた正統派の王道。もはや舞台セットと化しているロットバルトが面白かったです。
一番印象に残っているのは、最後の最後で、早替えで人間に戻ったオデット姫が登場する場面。めちゃくちゃ清楚で可愛い♪彼女の爽やかさに、ロットバルトにとらわれていた悪夢の時間が、さっと吹き飛ばされたのを感じました。こんなに納まりの良いエピローグは初めて。やっぱり、主役クラスのダンサーの演技力ってすごいわ。。。

因みに、金管&打楽器は4幕では更に大暴走。と言うかもはや爆発。Timpなんて親のカタキかと言うほど叩きまくっていたけれど、さすがにあれはどうなんだろう(+_+)まあ、面白かったからいいけどね:P

パリオペラ座『ジゼル』(3/19)~観劇メモ

2010年05月01日 | 舞台鑑賞日記
GWの宿題①

主要キャスト
ジゼル … ドロテ・ジルベール
アルブレヒト … マチアス・エイマン
ヒラリオン … ニコラ・ポール
ペザント・パ・ド・ドゥ … リュドミラ・パリエロ/アレッシオ・カルボネ
ミルタ … エミリー・コゼット
ドゥ・ウィリ … マチルド・フルステー/シャリーヌ・ジザンダネ

演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:コーエン・ケッセル


もう1幕から鳥肌立ちっぱなしでした。さすがはオペラ座!

1幕のセットは、森の奥行きの出し方が上手い。遠くにはっきりと見えるお城が、アルブレヒトの本当の住まいなんでしょうね。なんだかもう、それだけで胸が締め付けられるよう。

主役の2人はテクニシャンで、ジルベールのバランス力、エイマンの跳躍力ともかなりすごいのですが、あまりにもさりげなさ過ぎて、全然そんな感じがしません。これがオペラ座の品格?

ジゼルは、とってもおしとやか。最初は大人しすぎかなあなんて思って見ていたのですが、ヴァリエーションでは人が変わったように活き活きとしていて、「身体は弱いけれど踊りが大好き」と言うジゼルの気持ちが感じられました。狂乱の場面では、現実を真正面からとらえることができなくて心を閉ざしてしまう様が、本当に痛々しくて可哀相で。彼女の心が、内側から壊れていく様子が見えるようでした。

一方のアルブレヒトは、ロミオ並の激情の持ち主。ヒラリオンが秘密を暴露し、思わず腰の剣に手をかける時の鋭さなんて、自分自身がナイフかのよう。それが、「悪いのはお前だ」と指差されて、一転、初めて自分のウソの大きさに気付くんですね。ギャップが鮮やかでした。

衣装は渋めの落ち着いた色合いでとっても素敵。コールドの揃い方もさすがです。結構あちこちで小芝居が多くて面白い。群舞の場面で、何度かわざと声を出すような振付があったのにはびっくりしましたが。

唯一難アリだったのが、ペザント・パ・ド・ドゥのカルボネ。後ろのコールドの人たちより上手いとは思えなかったなあ。。。

第2幕は、これまたさすがの幽玄の世界。ちょっと照明が暗すぎたので、後ろの方の席だと少し見えづらかったかも?

ミルタのコゼットはちょっと固いけれど、パドブレで出てくる時の滑らかさが素晴らしいです。本当に空中を漂っているかのようでした。
ウィリたちの群舞は、腕の一振り、首の振り向き一つで舞台上の空気をどれだけ動かせるものなのかを熟知した振付、そして踊りだったと思います。まさに、人ならぬものが放つ「気」が感じられました。

2幕のジゼルは、本当に健気で、泣けました。アルブレヒトを助けたい。もう、それだけなんですね。愛とか恨みとか許しなんてない。
最後、夜明けの場面で、アルブレヒトが感謝を示した時に、ジゼルが戸惑うような表情をしていたのが印象的でした。見返りなんて、求めていなかったからこその表情だと思いました。

エイマンのテクニシャンぶりはここでも全開で、踊り狂いさせられそうになる終盤での連続ジャンプは、観客席からため息がもれたほど。どうやったら、腕の力を借りずに足だけであんなに静かに飛べるんでしょ???

全体を通して感じたのは、古典作品に対するバレエ団のプライドでしょうか。パリオペラ座というと、哲学的・革新的なモダン作品に取り組んでいるイメージがありますが、やはり世界最古のバレエ団としての、古典へのこだわりは、一通りのものではないと感じました。

今回の演奏は東フィルだったので、音楽も及第点。やっぱり、演奏ではらはらするようじゃ踊りに集中できないので、この点は本当にほっとしました(^ ^;