石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(152)

2024-05-09 | 中東諸国の動向

(英語版)

(アラビア語版)

 

(目次)

 

第6章:現代イスラームテロの系譜(7

 

152やすやすと国境を越えるイスラーム・テロ(3/4)

ホメイニ師の呼びかけに応えレバノンではシーア派組織ヒズボラが立ち上がった。ヒズボラはこれまでのイスラエルに対するテロ活動に加え米国人特に軍属に対するテロ活動を活発化させた。彼らにとってはイスラエルも米国も同じ穴の狢(むじな)である。1983年、ベイルート駐留の米軍海兵隊本部に爆弾テロ攻撃を敢行、米兵241名が死傷した。

 

エジプトでもイスラエルとの単独和平に踏み切ったエジプト・サダト大統領に対する反感が宗教意識に火をつけ、大統領はジハード団に属する身内の将校に暗殺された。さらにスンニ派によるテロ活動はアフガニスタンで名をはせたオサマ・ビン・ラーデン率いるアル・カイダが中東全域で活動を活発化させた。アル・カイダはイエメンのアデンで米兵を狙った爆弾テロを実行、オーストリア人観光客が犠牲になった(1992年)。

 

(続く)

 

 

荒葉 一也

E-mail: Arehakazuya1@gmail.com

 

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日本の年間軍事支出は世界10位:世界及び中東主要国の軍事費と武器輸出入(7)

2024-05-09 | その他

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0601WorldRank7.pdf

 

(世界ランクシリーズ その7 2024年版)

 

(10年前に比べ中国、インドは1.6倍、日本は10%増!)

5.2014年~2023年の軍事費の推移

 ここではまず米国、中国、インド及び日本の4カ国の過去10年間の軍事費の推移を比較し、次いで現在進行中の二つの熱い戦争、すなわちウクライナ戦争及びパレスチナ戦争について、それぞれの紛争の当事国と言えるロシア、ウクライナ、イスラエル及びイラン4カ国の軍事費の増減を比較検討することとする。

 

(年平均6%の高い伸びを示す中国とインド!)

(1)米中印日各国の軍事費の推移

(図http://rank.maeda1.jp/7-G05a.pdf参照)

 日本と米国、中国及びインド4カ国主要国の過去10年間(2014年~2023年)の軍事費の推移を比較すると、2014年の軍事費は米国が6,478億ドルで最も多く、これに次ぐのは中国の1,821億ドル、インド509億ドル、日本469億ドルであった。4カ国の順位はその後10年間変わっていないが、日本とその他3カ国の格差は拡大している。

 

米国の軍事費は2014年以降2017年までは横ばいの微減状態であったが、その後は年々増加し2021年には8千億ドルを超え2023年には9千億ドルを超えている。この間の年間平均増加率は4.1%であった。これに対して中国の軍事費は年平均6.3%増加、2017年には2千億ドルを突破、2022年は2,964億ドルと10年間で1.6倍に増加、米国との格差も3分の1に縮小している。

 

インドも中国とほぼ同じ割合で増加し2014年の509億ドルから2023年には1.6倍の836億ドルに増加しており、世界順位も米国、中国、ロシアに次いで4位に上がっている。

 

これら3カ国に対して日本の軍事費は横ばい傾向にあり、10年間を通じて年間軍事費は500億ドル前後の水準にとどまっている。即ち2014年の軍事費は469億ドルであり、その後2020年に514億ドルのピークに達した後、再び500億ドル前後にとどまっている。この結果10年前は世界7位であったが、2023年の世界ランクは10位である。

 

(続く)

 

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     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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