宮森先生～花巻の思い出（２）

COFFEE BREAK

宮森則子先生。

それは私が花巻に住んでいた時の小学校三年生、四年生の時の担任の先生です。

すごく優しい先生だった。

他、どのように表現していいのやら。

その時、宮森先生は45歳だった。

あの頃の先生は、今の私より10歳若かったんだ・・・ということが、信じられない。
45歳で、もうすべてを知っている・・・というような、貫禄があった。

なぜそんなにはっきり年齢を覚えているかと言うと、クラスのみんなで先生の誕生会を開いたのです。
45歳の誕生会。

その時、どんなことをしてお祝いしたのか、全然覚えていない。
きっとみんなで歌を歌ったりしたのだったかな。

（あれっ、本当にそんなことあった？　）
そんな風に思ってしまうほど、遠い遠い昔のこと、そして、あまりはっきりしない思い出。

でもそれは本当にあったこと。
その証拠に・・・・

誕生会が終わる時、先生は、

「今日はありがとう」

と言って、みんなに鉛筆を一本づつくれた。

なんと私は今もそれを持っている。


　


　

あの当時、こんな鉛筆は本当にめずらしかった。
とてもうれしかった。

削ることなく、大切に大切に・・・

それから私は、45年間も、持っているのです。
たくさんたくさん引っ越しをしたのに。

45歳　＋　45年（経った年月）＝　９０！

もし宮森則子先生が今もご健在だとしたら、今、90歳なんだな。

花巻から名寄へ引っ越しした私。
数回手紙を書き、そのたび、お返事をもらった。
きれいな字で、いつも2枚か3枚のお手紙だった。

宮森先生は、どこかの校長先生になった・・・というところまで知っているけれど、いつの間にか、もう手紙を書かなくなってしまい、年賀状も出さず・・・
ごめんなさい。

あんなに好きな先生だったのに。

もう一度お会いすること、そして、こんな風に今も思い出したりしています・・・ということを伝えることも、もう不可能になってしまったけれど、どうか、今もお元気でいらっしゃいますように。

あの時の同級生・・・鉛筆今も持っている人、いるかな～。