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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

エネルギー政策は全方位戦略で

2011年05月20日 11時28分31秒 | 日本政治
エネルギー政策の見直しを議論 新成長戦略実現会議(朝日新聞) - goo ニュース
 想定以上に深刻な被害をもたらした福島第一原発の事故は、原発依存率を高める方向にあった既存のエネルギー政策に見直しを迫っているようです。しかしながら、長期的な視野から見ますと、全面的に再生可能な自然エネルギーに舵を切るよりも、原子力を含めた全方位戦略で臨むべきではないかと思うのです。

 その理由は、あらゆるエネルギー技術は、それ固有の問題を抱えており、今後、それぞれの分野での技術革新があり得るからです。期待が寄せられている自然エネルギーについては、コスト高、低い発電効率、供給の安定性の欠如、自然エネルギー対応型のスマート・グリッドの開発と普及の遅れ・・・といった問題点があります。原子力については、原発事故が露呈したように安全性が最大の問題点ですが、この欠点も、新型の原子炉の開発が進んできており、越えられない壁ではなくなりつつあります。また、核融合や核燃料サイクルの研究は、廃棄物問題の解決策ともなり得ます。さらに、火力については、石油やガスの枯渇、二酸化炭素の排出量、資源調達の不安定性・・・などが問題点となりつつも、メタン・ハイドレードといった新エネルギー資源も利用可能ですので、技術次第では、有望なエネルギー供給源となります(石油を造るとう「オーランチオキトリウム」は自然エネルギーか?)。

 それぞれ、未来を開く可能性を秘めているですから、官民ともに、あらゆる方面での研究と技術革新を目指すべきと思うのです。むしろ、様々な利用可能なエネルギー技術を揃えていれば、産業分野、地理的条件、利用者の立場・・・などに合わせて、最適なエネルギー供給を実現することができますし、有力な輸出産業に育でることもできるのではないでしょうか。

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