万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

マウイ島火災の真実とは?

2023年08月21日 11時55分31秒 | 国際政治
 2023年8月8日に発生したマウイ島火災については、指向性エネルギー兵器による攻撃説など、様々な憶測が飛び交うこととなりました。目下、最も疑わしい説として拡散しているのは、スマートシティ建設、あるいは、富裕層向けリゾート再開発のための住民立ち退きを目的とした政府筋並びに再開発事業者による放火説です。既に不動産業者が被災者からの土地買収に乗り出しているからです。その一方で、当初話題となった指向性エネルギー兵器説については、流布された画像がフェイクであることが判明したことから、こちらは‘陰謀説’として‘却下’されることともなったのですが、可能性0%として同説を完全否定することはできるのでしょうか。

 火災発生当初にアップされた指向性エネルギー兵器の画像がフェイクであることは事実なのでしょう。すなわち、指向性エネルギー兵器を実際に使用するには大量の電力を要するのですが、今日のテクノロジーは、一つの街を瞬時に焼き尽くすほどの電力を、宇宙空間を旋回している衛星(指向性エネルギー兵器)に供給できるほどには発達していないようです。日米で共同開発が合意されたとする「衛星コンステレーション」の構築による極超音速ミサイル迎撃システムも、開発目標は10年以内とされていることも、この点を裏付けていると言えるでしょう。電磁レールガンであれ、高出力レーザー兵器であれ、あるいは、高出力マイクロ波であれ、米国、中国、ロシア等が開発した兵器は何れも地上配備か艦隊搭載型であり、宇宙衛星からの発射できる段階には至っていないようなのです。

 以上の諸点から、指向性エネルギー兵器説はしぼんでしまったのですが、その一方で、マウイ島火災には、通常の山火事とは異なる特徴が見受けられます。それは、(1)地域的限定性、(2)驚異的な延焼速度、(3)高温による燃焼を挙げることができます。今のところ、これらの疑問点に対する科学的、かつ、合理的な説明はありませんので、別の方法による指向性エネルギー説も、あながち全否定はできないように思えます。仮にあり得るとすれば、推理のキーワードは、‘電線網’です。

 第一に、マウイ島火災は、強風によって送電線が切れたことにより、発火したと説明されています。とは申しますものの、送電線が切断された原因は、必ずしも強風とは限りません。しかも、NASAが公表した画像を見ますと、出火場所はラハイナ地域のみではなく、二カ所です(三か所説もある・・・)。送電線が複数の箇所で同時に切れる確率はそれ程高いようには思えず、人為性が強く疑われます。

 第二に、被災者の証言を挙げることができます。ある被災者は、‘およそ全ての電柱がなぎ倒されていた’と語っています。また、メディアの取材によれば、火元とされる電線は垂れ下がり、地面は黒く焦げていたそうです。そして、この現場を撮影した住民は、「電話線と電線が切れて、ズズズという音と火柱が出たんだ」と述べているのです。

 これらの二つのみではあまりにも情報量や判断材料が乏しいと言わざるを得ないのですが、幾つかの不審点を考え合わせますと、一つの可能性が浮かび上がって来るように思えます。それは、ラハイナの街に張り巡らされている電線の一カ所に、極めて強い電流が流される、あるいは、電磁波やレーザーが照射され、その衝撃が極めて速い速度で電線網を伝ってラハイナ全域に高熱と火災をもたらしたのではないか、というものです。言い換えますと、電線網が張り巡らされていたからこそ、多くの住民が居住するラハイナ地域全体が一気に炎に包まれたのかもしれません。

 もちろん、敢えて指向性エネルギー兵器を使用しなくとも、こうした惨事を引き起こす破壊装置を造ることができないわけではありません。本稿も多々ある推理の一つに過ぎず、指向性エネルギー兵器の使用が確定されたわけではないものの、中国の地球観測衛星がハワイ島に対してレーザー照射を行なっていたのは事実です。おそらく、人工衛星からのピンポイント式のレーザー照射技術は既に確立しているのでしょう

 軍事の専門家ではありませんので、本推理は的外れであるかもしれないのですが、軍事大国、あるいは、世界権力によって宇宙空間の軍事利用が推進さている今日、マウイ島火災については、指向性エネルギー兵器説も捨てきれないように思えるのです。

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