雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

月をむずかしく撮る。

2013年04月24日 | 天体写真(月・惑星・彗星)
移動性高気圧の通過で、晴れが約束された夜だったのに・・・
22日の夜は、月齢11.7の明るい月が2時半過ぎまで沈まず
「春の銀河」の撮影は断念せざるを得なかった。
晴れているのに何もしないのはもったいない。
そこでいっそのこと "" を、持ってる機材総動員で撮ってやろうという事になった。

月の撮影に使用した主な機材


月は簡単に撮れる !?

1.コンパクトデジタルカメラによる撮影・・・・・
使用カメラ Panasonic DMC-LX1   カメラ三脚使用
光学4倍ズーム f=6.3mm~25.2mm(35mm換算 28~112mm)
左は トリミングなしの画像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・右は クリック拡大で等倍画像
撮影は更に4倍のデジタルズームも使用したためか、ノイズが気になる。ISOは200。

ISO 80に感度を下げて撮影してみた。
やはり、クレータまでは確認できないようだ。 (ガリレオが見た月よりひどい?)


2.デジタルビデオカメラによる撮影・・・・・
使用カメラ SONY HDR-CX170   カメラ三脚使用
光学25倍ズーム f=2.5mm~62.5mm(35mm換算 37~1075mm)
(ビデオ動画を画面コピーしたものです)
ビデオ動画なのに、クレータが見え始めています。(レンズが優秀なのか?)


デジ一眼と望遠レンズがあれば、

3.望遠ズームレンズによる撮影・・・・・・・・・・・
使用カメラ EOS kiss X2   EM-200赤道儀使用
EF 70-200mmF2.8ズーム f=200mm F8 1/100sec ISO 100)
月の画像は小さいものの、クレータがかなりすっきりと見えるようになってきました。

CanonのエクステンダーEF 2X (合成f=400mm)F5.6 で2倍に拡大撮影。
前の画像に比べ、月面が4倍の画素数で描かれているのですが、いまいちスッキリしません。

4.ヨンニッパレンズによる撮影・・・・・・・・・・・
使用カメラ EOS kiss X2   EM-200赤道儀使用
NFD400mm F2.8 f=400mm F4 1/500sec ISO 100
さすがヨンニッパ、月の見かけの大きさは同じでも解像度が違います。

大口径を生かして、CanonのエクステンダーEF 2X (合成f=800mm)F5.6 で2倍に拡大撮影。
合成焦点距離はR200SSと同じ、描写も望遠鏡で撮ったものにちかい?


本命 天体望遠鏡による撮影

5.R200SS反射鏡筒による撮影・・・・・・・・・・・
使用カメラ EOS kiss X2   EM-200赤道儀使用
R200SS(口径20cm) f=800mm バーダーMPCC MarkIII F4 1/320sec ISO 100)
この辺からシンチレーション(大気のゆらぎ)の影響が出てきますが、20cm口径の威力はわかります。
(この夜のシーングはそんなにひどくはなく、中の中といったところ。)

R200SSはF4と明るく、月の撮影には焦点距離が短すぎます。そこでCanonのエクステンダーEF 2Xで、合成f=1600mmに。

今回の月の撮影で検証して見たかった事があります。
星雲・銀河のクローズアップ撮影にもたまに使う事があるのですが、
Vixen純正のエクステンダー(合成f=1500mm)での撮影です。
CanonのエクステンダーEF 2Xを使用した場合と合成焦点距離はほぼ同じなのですが、
解像度はこちらが上だと思っています。(ただし、周辺部で放射状の流れが少しあります。)

最後に、このVixen純正のエクステンダーに、さらにCanonのエクステンダーEF 2Xを接続(合成f=3000mm)した画像です。
(今回の月齢では、月面全体をカバーするには4枚が必要な拡大率です。)

私の手持ちの機材で更に拡大するには、接眼鏡(アイピース)による方法があります。

手持ち機材の組み合わせの紹介だけでも、長い記事になってしまいました。
ただ、今回の記事タイトルの 「月を むずかしく 撮る。」 意味は、
とっかえ、ひっかえ苦労して撮影した事を言っている訳ではありません。

下の画像は記事2項のデジタルビデオカメラの10秒程度の動画を、
フリーソフトAviStackを使って画像処理したものです。
   
(画像処理前)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(画像処理後

CCD面上で1mmの半分程度の月では、シイーングによる”ゆらぎ”の改善効果はありませんが
コンポジットによるS/Nの改善は見られます。

次回は同時に撮影した画像のコンポジット及び、分割撮影した動画の画像処理で
どれだけ「大気のゆらぎ」の影響を改善する事ができるのか、検証をおこないます。
それには撮影時を含め、画像処理においても
1枚画像の何十倍も手間と時間をかけなければなりません。

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「みんなの宇宙(そら)」の展示準備も控えている中で
月の画像処理と、パソコンの前にいる時間が益々増えそう。
幸い満月期で専念できるのはいいのだが・・・
画像処理でびっくりするような改善効果が出るといいんだけど。

雲上くもがみ

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2 コメント

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こんばんは (おりおん)
2013-04-24 21:24:36
まさに総動員ですね。
それぞれの違いがよく分かっておもしろいです。
R200SSはさすがに迫力ありますが、ヨンニッパもシャープで負けず劣らずですね。
こうやって月を撮影するのも楽しいですね~。
返信する
おりおんさんも、たまには月を (雲上(くもがみ))
2013-04-25 00:37:09
ほんとに月の撮影は久しぶりでした。
今日(昨日か?)は一日中、月の画像処理をやっていました。
結構シーングは良かったみたいで、AviStackで処理をすると更に細部が見えてきます。
動画を処理したもの数十枚を、モザイクでつないだ月の全面写真が一番の見ものなのですが・・・
一週間くらいはかかりそうです。(笑)
返信する

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