雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

AviStackで、ひと皮むけた「月」

2013年04月25日 | 天体写真(月・惑星・彗星)
この記事は、月をむずかしく撮る シリーズ(?)回目にあたります。
前回記事はこちら 

前回は持っている各撮影機材で、光学系の違いによる写り具合を比較してみましたが、
掲載した画像は、大気のゆらぎにより劣化した一枚画像でした。
むろん ”パシャッ”の一枚撮りでも、シーングに恵まれれば光量十分なですので
びっくりする解像の写真が得られる事も、たまにはあります。

そんな、大気の状態まかせ から解放させてくれたソフトがAviStackでした。
わたしにとって、このソフトがなければの写真は撮らないかも知れません。
このフリーソフトの説明は省略しますが、私が気に入っているのはその機能だけではありません。

 
(処理の過程で表示されるグラフィック画像。)
リアルタイムで変化する美しいアートフルな画面につい見入ってしまいます。

基本的にAviStackは複数枚の画像があれば効果を発揮できます。
各画像を数百から数千のエリアに分割し、エリア毎にゆらぎの少ない画像を探し出し、コンポジットします。
星雲や銀河の画像処理で使う単純な「加算平均」とは次元が違います。(作った人はエライ!)

今回は、同時に撮影した数枚から十数枚の画像を使ってAviStackによる効果を検証します。


■ 望遠ズームレンズによる撮影・・・・・・・・・・・
使用カメラ EOS kiss X2   EM-200赤道儀使用
EF 70-200mmF2.8ズーム f=200mm F8 1/100sec ISO 100)
の画像は、同時に撮影した4枚をAviStackで処理したもの。(ちょっとWavelet処理をかけ過ぎました。)

CanonのエクステンダーEF 2X (合成f=400mm)F5.6 で2倍に拡大撮影。
の画像は、同時に撮影した8枚をAviStackで処理したもの。描画画素数の増加、処理枚数の増加で効果が表れ始めています。

■ ヨンニッパレンズによる撮影・・・・・・・・・・・
使用カメラ EOS kiss X2   EM-200赤道儀使用
NFD400mm F2.8 f=400mm F4 1/500sec ISO 100
クローズアップした画像の側は、同時に撮影した6枚をAviStackで処理したもの。
Wavelet処理が強すぎましたが、その差ははっきりわかります。
(これ以降の画像はクリックで全景が表示されます。)

CanonのエクステンダーEF 2X (合成f=800mm)F5.6 で2倍に拡大撮影。
クローズアップした画像の側は、同時に撮影した11枚をAviStackで処理したもの。
拡大した分、大気のゆらぎの影響が大きくなり、AviStackの効果が目立ってきます。


天体望遠鏡による撮影

■ R200SS反射鏡筒による撮影・・・・・・・・・・・
使用カメラ EOS kiss X2   EM-200赤道儀使用
R200SS(口径20cm) f=800mm バーダーMPCC MarkIII F4 1/320sec ISO 100)
クローズアップした画像の側は、同時に撮影した11枚をAviStackで処理したもの。
(画像クリックで全景を表示)

R200SS+CanonのエクステンダーEF 2Xで、合成f=1600mmに拡大。
クローズアップした画像の側は、同時に撮影した16枚をAviStackで処理したもの。
(画像クリックで全景を表示)


Vixen純正のエクステンダー(合成f=1500mm)での撮影です。
の画像は31枚をAviStackで処理したもの。コペルニクスクレータ付近のクローズアップです。
(画像クリックで全景を表示)
焦点距離はあまり変わらないものの、コマコレクタ+CanonのエクステンダーEF 2Xの構成より画像が優れているようです。


最後に、このVixen純正のエクステンダーに、さらにCanonのエクステンダーEF 2Xを接続(合成f=3000mm)した画像です。
(この焦点距離になるとはフレームに収まらず、4枚に分けて撮影しました。
このため、画像クリックで表示されるのは、4分割して撮影したものです。)
側は15枚の同時撮影画像でAviStack処理したものです。 左端のクレータはガッセンディ。
ほんとは4分割したものを結合しての全景をお見せしたかったのですが、
処理が間に合いませんでした。(後日、お見せします。)

すでに手間ひまの面では 充分むずかしい月の撮影になっているのですが、
ほんとうにAviStackの成果が得られるのは、動画処理のはずです。

次回は 動画処理モザイク結合 で更なる解像度アップを目指します。

========================================================
動画はEOSのCamraMovieRecodeで数十カット撮影してあるのですが、
動画処理+モザイク結合で月の全景画像を作成するには・・・
たぶん2週間くらいはかかるかも。
これまでの画像処理でかなりシーングが
良かった事がわかっているので、楽しみではあるのですが・・

雲上くもがみ

ブログランキング参加しています。
にほんブログ村 写真ブログ 天体写真へ← ポチッとお願いします。
にほんブログ村
========================================================





コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 月をむずかしく撮る。 | トップ | むずかしく撮り過ぎた 『月』 »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは (おりおん)
2013-04-25 21:38:25
ひと皮どころか、数枚むけてるじゃないですか!!
こりゃすごいですね!!めちゃくちゃスゴイ!!
違いがはっきりですねぇ。
絶対使いますっ!!

モザイクの全景、楽しみにしてます。
返信する
動画じゃなくても? (ミッチー)
2013-04-26 00:13:28
むむ、ということは、動画撮影機能のない僕のデジ一でも、何枚か撮って、いい感じなるということですか?
この例を見ると、ちょっと試したくなりますね。
かつてJPEGで連写したのをRegistaxで処理したことがありますが、そんな感じになるんですかね。
返信する
Unknown (雲上(くもがみ))
2013-04-26 00:27:17
おりおんさん こんばんは。
今ほど試しにEOS CameraMoveiRecodeで撮った30秒ほどの動画を、AviStackで処理したところ
もうふた皮ほどむけた画像が得られました。

モヤっぽかったけどシーングは良かったようです。
全面モザイクは時間がかかるので、とりあえず部分的なモザイクを
早めに掲載するようにします。
返信する
動画でなくても効果十分。 (雲上(雲がみ))
2013-04-26 00:39:12
ミッチーさん 静止画でも十分効果が出ます。
ただ動画と比べてサイズが大きいため、そのままだと
メモリ8GBでも不足とのメッセージがでます。
そのため手間ですが、あらかじめ画像を2枚に分割してからAviStackで処理しています。
処理後またつなぐのですが、動画を何枚もモザイクするよりは楽です。
枚数が多いほど効果がありますが、私は最大で30枚ほどやったことがあります。
何枚でも撮るのは簡単ですけど、分割の手間が・・・
返信する

コメントを投稿

天体写真(月・惑星・彗星)」カテゴリの最新記事